2018年10月23日

BASFとNornickel、共同で電池材料市場に供給

(この資料はBASFおよびNornickel が 2018年10月22日にドイツ・ルートヴィッヒスハーフェンおよびロシア・モスクワで発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)

  • BASF、欧州初の電池材料生産拠点を発表
  • BASFとNornickelは、電気自動車のニーズの高まりに対応するため、戦略的な協力関係を構築

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、欧州の自動車市場に向けた電池材料生産の最初の立地として、フィンランドのハルヤヴァルタを選択しました。同工場は、ノリリスク・ニッケル社(Nornickel)が所有するニッケル・コバルト精錬所に隣接して建設されます。

今回の投資は、昨年発表したBASFの4億ユーロにおよぶ多段階投資計画の一環で、2018年にハルヤヴァルタで開始した電池材料の初期生産を活かしたものです。2020年後半の稼働を計画しており、BASFの電池材料により、年間約30万台のフル電気自動車を供給できるようになります。ハルヤヴァルタの新工場では、水力、風力、バイオマスなど、この地域の再生可能エネルギーを利用します。

さらに、BASFとNornickelは、Nornickelの金属精錬所からのニッケルとコバルト原料の長期的、かつ市場ベースの供給契約に調印しました。これにより、欧州における電池生産用原料の現地調達および確保が可能となります。

この投資はまた、欧州の電池生産バリューチェーンに向けたEU委員会のアジェンダに対するBASFの支持を強化するものです。BASFはさらに、電池材料の新生産工場の建設に向けて、欧州でのさらなる立地の評価を進めています。

「ハルヤヴァルタへの投資により、BASFは全ての主要地域において現地生産をもち、よりお客様の近くで、急速に成長する電気自動車市場をさらにサポートできるようになります」と、BASFの触媒事業本部プレジデント、ケニス・レーンは述べています。「Nornickelの協力のもと、私たちは原料供給、および電池材料技術・生産に関わる業界のリーダーの取組みをつなぐ、強力なプラットフォームを構築しています。」

「BASFの新工場とNornickelの金属精錬所を同じハルヤヴァルタに設置することにより、国内のニッケルとコバルトの供給への比類のないアクセスが可能になるでしょう」とBASFの電池材料事業部シニア・バイスプレジデントであるジェフリー・ロウは述べています。「当社のハイ・ニッケル系正極材料は、エネルギー密度と走行距離を向上させる上で重要な材料です。この世界規模の生産設備により、信頼性の高い供給と緊密な協力が可能になり、BASFは主要なOEMおよびセル・サプライヤーが掲げる、欧州のe-モビリティ成長戦略に貢献していくことができます。」

Nornickelの販売・調達・イノベーション担当バイスプレジデントのSergey Batekhin氏は、「長期的な戦略的パートナーであるBASFとの提携を拡大することができ、嬉しく思っています。この合意は、世界の電池材料市場での存在感を拡大し、正極材のリーディングサプライヤーと長期的な協力関係を確立するというNornickelのより広範な戦略において、重要な要素です」と述べています。

またBatekhin氏は次のよう述べています。「電気自動車は世界のニッケル産業を変える大きな可能性を持っていると信じています。Nornickelは、 精錬ニッケル製品の世界のリーディングサプライヤーとして、この変革をサポートできるユニークな立場にあります。特に、当社が欧州をはじめ世界のグリーン経済の発展を支える重要な役割を果たせることを誇りに思います。Nornickelは、資源基盤の持続可能な長期的発展および、世界的な材料サプライチェーンにおける責任へのコミットメントを改めて表明します。」

BASFのバッテリー材料、およびe-モビリティへの取り組みについては、以下のWebサイトをご参照ください。(英語)

https://catalysts.basf.com/products-and-industries/battery-materials

また、BASFの電池材料に関する写真は、以下のWebサイト上の検索ボックスにアルファベット「battery」をご記入の上、ご参照ください。(英語)

https://www.basf.com/en/company/news-and-media/multimedia/photos.html

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASFの触媒事業本部について

BASFの触媒事業本部は、環境触媒とプロセス触媒の世界的なリーディング・サプライヤーです。同事業本部は、私たちが呼吸する大気の保護、生活を支える燃料の製造、先進のバッテリー材料などを含む多岐にわたる化学品やプラスチックの効率的な生産を支える技術開発で卓越した専門知識を提供します。BASFの業界をリードする研究開発プラットフォーム、技術開発への情熱、貴金属とベースメタルへの深い知識を活用することで、触媒事業本部は独自のソリューションを開発し、顧客の成功をサポートしています。BASFの触媒事業本部についての詳細は、http://www.catalysts.basf.comをご覧ください。

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く、世界をリードする化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で115,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、アグロソリューション、石油・ガスの5つの事業部門から成ります。2017年のBASFの売上高は約645億ユーロでした。BASFは、フランクフルト(BAS)、ロンドン(BFA)およびチューリッヒ(BAS)の証券取引所に上場しています。BASFの詳しい情報は、www.basf.comをご覧ください。

 

Nornickelについて

PJSC MMC Norilsk Nickel社は、多角的な鉱業・冶金会社です。また、世界最大の精錬ニッケルとパラジウムの生産者であり、プラチナ、コバルト、銅、ロジウムの主要な生産者です。また、金、銀、イリジウム、セレン、ルテニウム、テルルも生産しています。 Nornickelの生産部門には、タイミル半島のノリリスク工業地区にあるPolar Division、ロシアのコラ半島にあるコラ鉱業・冶金会社、フィンランドのハルヤヴァルタ精錬所などがあります。Nornickelの株式は、モスクワとサンクトペテルブルク証券取引所に上場されており、Nornickel ADRは米国の店頭、ロンドンとベルリンの証券取引所で取引されています。 詳細は、www.nornickel.com をご覧ください。

Last Update 2018年10月23日