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日本
Sustainability

プラスチック廃棄物のケミカルリサイクル

プラスチック廃棄物から新しい化学品を

 
プラスチックには、使用段階においてメリットがあるということは既に実証されています。例えば、包装材に使用することで食品ロスを防止したり、車の軽量化を実現したり、また、建築物の断熱材としても活躍しています。しかし、プラスチック廃棄物は、特に海洋ごみとの関わりにおいて世界中で主要な課題となっています。こうした中、リサイクル目標やリサイクル性に関する規制が高まっており、私たちのお客様は、リサイクル原料の利用率拡大に強いコミットメントを示しています。こうした課題を解決するためには、イノベーションと、バリューチェーン全体かつグローバルでの協力が不可欠です。私たちはこうした取り組みに貢献していきます。また、プラスチック廃棄物の不適切な処理という世界的な課題に取り組むためには、企業、政府、NGO、市民社会の協力が必要です。そのため、BASFは世界的なアライアンス「Alliance to End Plastic Waste」の設立メンバーとしても活躍しています。
 
マテリアルリサイクルには限界があります。なぜなら、マテリアルリサイクルには徹底した分別が求められ、また、リサイクルの過程で品質が低下するためです。BASFはこうした課題に取り組み、プラスチックのリサイクルを促進する革新的な技術を開発しています。例えば、リサイクルプロセスを促進する新素材や添加剤の研究開発、プラスチック廃棄物から価値を生み出すケミカルリサイクルプロセスなどが挙げられます。ケミカルリサイクルは、現在、リサイクルする解決策がないもの、または処理能力の不足によりリサイクルできていないプラスチックのリサイクルを可能にする、つまり、マテリアルリサイクルを補完するソリューションです。

ケミカルリサイクルの事例:ChemCycling®(ケミサイクリング™)による循環

ケミカルリサイクルは、最終的に埋め立てまたは焼却されるプラスチック廃棄物の割合を縮小させる上で役立ちます。ケミカルリサイクルでは、化学品を生産する化石資源を、プラスチック廃棄物由来のリサイクル材料に置き換えることができます。どんな仕組みなのでしょうか?プラスチック廃棄物は、熱化学プロセスや加水分解または加溶媒分解を用いて、熱分解油またはモノマーなどの二次原料に変換されます。再生された原料は新しいプラスチックの製造に利用できます。マスバランス方式に基づき、第三機関による認証済みの手法を用いて再生原料の割合を最終製品に割り当てます。こうして生まれた認証済みの製品は、化石資源から製造された製品と同等の品質で、食品包装など要求の厳しい用途でお客様に使用していただくことができます。

私たちは、エコ効率分析法により、革新的なアプローチが環境に価値を生み出すことを保証します。

Video: ケミサイクリング®  

プラスチック廃棄物からバージングレード同等の製品を生み出す循環型バリューチェーン

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ChemCycling®(ケミサイクリング®)プロジェクト

 

ChemCycling®(ケミサイクリング®)は、プラスチック廃棄物をケミカルリサイクルし、産業規模で製品を製造することを目的としてBASFが2018年に立ち上げたプロジェクトです。価値の高いリサイクルプロセスがまだ確立されていないプラスチック廃棄物に焦点を当てているため、ChemCycling®(ケミサイクリング®)はマテリアルリサイクルを補完するソリューションです。マテリアルリサイクルすることが困難なプラスチック廃棄物としては、混合プラスチックや汚れたプラスチック、多層食品包装などがあります。

ChemCycling®(ケミサイクリング®)プロジェクトでは、プラスチック廃棄物を原料(熱分解油)に変換する熱分解と呼ばれる熱化学プロセスを使用する技術パートナーと協力しています。この油をバリューチェーンの初期段階(例:スチームクラッカー)で、フェアブントと呼ばれるBASFの統合生産に投入し、化石原料を一部置き換えることができます。

試作段階として、BASFはお客様とともに最初のプロトタイプを発表しました。これには、モッツァレラチーズ向けの包装材、透明な冷蔵庫部品、敏感な用途向けの断熱箱などが含まれます。また、BASFは2019年、ノルウェーの新興企業であるQuantafuel社(クアンタフューエル)に投資しました。Quantafuelは混合プラスチック廃棄物の熱分解および熱分解油の精製を専門とする企業です。Quantafuelへの投資により、私たちは次のステップへ移行しているところです。この協業は、ケミカルリサイクルをビジネスとして発展させることを目的とした、BASFの取り組みの一環です。

しかし、どんなプロセスであれ、新しいプロセスは市場や規制当局に「リサイクル」として認められる必要があり、技術、経済、規制に関して、今後解決していくべき課題が多々あります。私たちは、関連するステークホルダーと緊密に連携し、こうした課題に取り組んでいます。