2021年8月2日

BASFのIrgastab®が新型コロナワクチン接種用注射器に使用するLOTTE Chemicalの高透明度の医療用ポリプロピレンを実現

この資料は BASFが 2021年8月2日に香港で発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

 

  • Irgastab®は、医療用ポリプロピレン(PP)の透明度を向上
  • 世界的な新型コロナワクチン接種の展開で高まる医療用PPのニーズに対応

 

韓国の大手化学会社であるLOTTE Chemical社(ロッテケミカル、本社:韓国)は、BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)の優れた色相安定性を有した加工安定剤であるIrgastab®(イルガスタブTM)を使用し、医療用途に必要なポリプロピレン(PP)を製造しました。新型コロナワクチンの予防接種が世界中で展開される中、PP製の注射器のニーズが急激に高まっています。

LOTTE Chemicalの医療用PPは、韓国の医療用注射器メーカーが開発したLDS
注射器(Low Dead Space)に採用されました。これは、注射後に注射器本体に残る薬剤の量を最小限に抑えるよう設計されており、ワクチンを無駄にすることなく有効活用することを目的とした特殊注射器です。その結果、同じ量のワクチンで20%多くの人が接種できるようになると推定され、LDS注射器は世界的に大きな需要が見込まれています。

医療用途に使用するプラスチックは、滅菌処理が必要ですが、これにより、ポリマーの劣化や変色が起こります。BASFアジア太平洋地域のパフォーマンスケミカルズ事業本部シニア・バイスプレジデントのハーマン・アルトフは、「Irgastab®は、医療用PPが安全で適切な使用状態を維持するために役立っています。コンパウンディングや射出成形中にポリプロピレンに変色させることなく、加工安定性を提供します。これは、材料に高透明度の認証が必要なLDS注射器にとって、非常に重要なことです」と述べています。

新型コロナワクチン接種で注射器のニーズが爆発的に高まることが予想される中、LOTTE Chemical では、高強度PPをはじめとする医療材料の生産品質管理を徹底し、医療や安全に関するニーズの高まりに対応するため、特殊ポリプロピレン素材の開発を拡大しています。

LOTTE ChemicalのR&Dセンター長であるカン・ギョンボ氏は、「LOTTE Chemicalは医療用PP市場で確固たる地位を築いており、BASFと共にこの市場をリードし、発展させていきたいと考えています。Irgastab®は色調の保持や透明性に優れているため、繊維やシートへの使用拡大の可能性を評価しています」と述べています。

プラスチック注射器をはじめとする多くの医療用アプリケーションは、持続可能な未来のための重要な柱のひとつとして、人々の健康と安全を守るために役立っています。Irgastab®の持続可能性の利点は、センシティブな用途のプラスチックを他の
ソリューションよりも低濃度で処方することで、環境や貴重な資源の保護にもおよびます。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFのプラスチック添加剤について

BASFはプラスチック添加剤を製造するリーディングサプライヤーであり、この分野におけるイノベーションパートナーでもあります。BASFの包括的かつ革新的な製品ポートフォリオには、各種ポリマーおよび成形品、フィルム、繊維、シート、押出成形品などの用途において加工安定性、耐熱性、耐光性を向上する安定剤などがあります。 プラスチック添加剤に関する詳細にいては、www.plasticadditives.basf.com(英語)をご覧ください。

 

BASFプラスチック添加剤は、BASFのパフォーマンス・ケミカル事業部の一部門です。同事業部のポートフォリオには、燃料・潤滑剤ソリューション、カオリン鉱物、油田および鉱業ソリューションも含まれます。化学品、プラスチック、消費財、エネルギー資源、自動車・輸送などの様々な業界のお客様へ、当社の革新的なソリューションを提供しています。詳細は、http://www.performancechemicals.basf.com(英語)をご覧ください。 

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で110,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2020 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

 

Last Update 2021年8月2日