2016/03/01
日本

BASF、2015年(1月~12月)の業績を発表 不安定かつ厳しい市場環境が続く

(本資料は 2016年2月26日にBASF本社(ドイツ)で発表されたプレスリリースの和訳です。)

2015年通年:

  • 売上高は704億ユーロ(前年比5%減)
  • 特別項目控除前営業利益は67億ユーロ(前年比8%減)
  • 営業利益(EBIT)は62億ユーロ(前年比18%減)
  • 化学品事業は前年比増益、石油・ガス部門は大幅減益
  • 1株あたり利益は4.34ユーロ(前年比23%減)、調整後1株あたり利益は5.00ユーロ(前年比8%減)
  • 営業キャッシュフローは94億ユーロ(前年比36%増)と過去最高値を達成
  • 2015事業年度の配当金は2.90ユーロを提案

2016年の見通し:

  • ガス取引事業の売却により、売上高は大幅減の見通し
  • 平均原油価格1バレル40ドルと想定し、特別項目控除前営業利益は2015年比微減と予想

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)はこのたび、2015年の業績を発表しました。市場環境は不安定かつ厳しい状態が続き、2015年の世界経済、工業生産、化学品業界の成長率は、BASFの予想をはるかに下回るものとなりました。ルートヴィッヒスハーフェンで開催された年次記者会見にて、 BASF取締役会会長 Dr. クルト・ボックは、「この1年、世界経済の成長は大幅に鈍化しました。こうした経済環境のなか、私たちは在庫を大幅に減らし、コスト管理を強化し、ポートフォリオの簡素化など、断固とした措置を取りました」と述べています。

2015年第4四半期の売上高は139億ユーロで、前年同期より23%減少しました。これは主に、9月末に完了したガスプロムとの資産交換が原因です。この結果、2015年第4四半期には石油・ガス部門においてガス取引・貯蔵事業からの約30億ユーロの売上が期待できなくなりました。全体として、第4四半期のポートフォリオ対策による売上高はマイナス19%となりました。原材料の価格が下落したことで、販売価格が11%低下した一方、販売量は4%増加しました。また、為替のプラス効果(3%増)も見られました。

特別項目控除前営業利益は、前年同期比4億3,600万ユーロ減少し約10億ユーロとなりました。この減少は、前年同期と比べて石油・ガス部門および化学品部門で大幅減益となったことによるものです。石油・ガス部門の減益は主に価格の低下が原因ですが、化学品部門の減益は主に石油化学品事業本部における利益率の低下によるものです。

主に原油・ガスの価格下落により、2015年は減収減益

2015年通年の売上高は5%減少し、704億ユーロとなりました。ほぼすべての事業本部で販売価格が低下しました(9%下落)。これは主に原材料の価格が急落したことが原因です。2015年の販売量は全体として、やや増加しました(3%増)。これは主に石油・ガス部門における販売量の増加によるものです。化学品部門、高性能製品部門、機能性材料部門で構成される化学品事業の販売量は、前年の水準とほぼ同じでした。農業関連製品部門では販売量が増加し、販売価格も上昇しました。すべての部門で売上高に為替のプラス効果が見られました(6%増)。また、ガスプロムとの資産交換が売上高の減少につながりました(ポートフォリオ: 5%減)。

特別項目控除前営業利益は前年比6億1,800万ユーロ減の67億ユーロとなりました。これは主に、石油・ガス生産活動において原油価格関連で売上高が減少したことと、「その他」に分類される事業が主に為替の影響から減益となったことが原因です。対照的に、機能性材料部門では大幅増益となりました。

2015年通年のBASFグループのEBITは、前年より14億ユーロ減少し、62億ユーロとなりました。特別項目は2014年には2億6900万ユーロのプラスの利益貢献があったのに対し、2015年はEBITに対しマイナス4億9,100万ユーロの影響をもたらしました。これは主に、ここ数か月で石油・ガスの価格が大幅に下落したことから、石油・ガス部門において約6億ユーロの資産の減損が生じたことが原因です。

純利益は前年の52億ユーロを下回り、40億ユーロとなりました。1株あたり利益は、前年の5.61ユーロから4.34ユーロに減少しました。特別項目、および無形固定資産償却分調整後の1株あたりの利益は5.00ユーロで、前年の5.44ユーロを下回りました。

記録的な営業キャッシュフロー

2015年に営業活動から得られたキャッシュフローは、前年比で25億ユーロ増加し、94億ユーロと記録的な水準となりました。これは主に、正味運転資本として固定化していた資金の額が減少したことが要因です。土地、工場、設備、無形固定資産への支出が増加したにもかかわらず、2015年のフリー・キャッシュフローは20億ユーロ増加し、36億ユーロとなりました。

自己資本比率は44.5%で、高い水準を保っています(2014年12月31日: 39.5%)。純負債は7億1,000万ユーロ減少し、130億ユーロとなりました。

2.90ユーロの配当金を提案

BASFは自社の積極的な配当方針に従い、年次株主総会にて2015年度の1株あたりの配当金を2.90ユーロで提案する予定です(前年度: 2.80ユーロ)。BASFはこれにより、株主の皆様に約27億ユーロをお支払いすることになります。「2015年末の株価70.72ユーロを基準にすると、BASF株は今回も約4.1%という高い配当利回りを提供します。私たちは毎年、配当金の増額、または少なくとも前年の水準の維持を目指していきます」とボックは述べています。

2016年の見通し

BASFの2016年の見通しは、以下の経済予測に基づいています(カッコ内は前年の数字)。

  • 世界経済の成長率: +2.3%(+2.4%)
  • 世界の化学品生産の成長率(医薬品を除く): +3.4%(+3.6%)
  • ユーロ/ドルの平均為替レート: 1ユーロ= 1.10ドル(1ユーロ= 1.11ドル)
  • 年間平均ブレント原油価格: 1 バレル= 40ドル(1バレル= 52ドル)

ボックは次のように述べています。「2016年は、原材料市場、株式市場で大荒れのスタートとなり、今年の見通しに多くの不安材料があることを示しています。2016年は静かな滑り出しですが、これは主に中国における販売量の増加が弱いためです。しかし、2016年は2015年とほぼ同じ水準で世界経済は成長するだろうと私たちは予測しています。」 欧州連合における成長は前年の水準と同程度にとどまり、米国での成長はやや鈍化する見通しです。BASFでは中国における経済成長はやや減速を続け、ロシアおよびブラジルにおける不況はやや和らぐと予想しています。世界の化学品生産の成長率は、2015年の水準をやや下回る可能性が高いと見ています。」

「世界経済に対するリスクは増大し続けるでしょう。それでも私たちは、すべての部門で販売量の拡大を目指します。しかし、特にガス取引・貯蔵事業の売却により、BASFグループの売上高は大幅に減少するでしょう。特別項目控除前営業利益は、2015年の水準をやや下回ると見ています。現在の不安定で厳しい環境を考えれば、これは果敢な目標であり、原油価格の推移に大きく左右されます」とボックは述べています。BASFでは、石油・ガス部門で大幅減益になると見ています。化学品部門では、2015年の第1四半期から第3四半期までの好調な利益水準を維持することはできず、利益貢献は大幅に減少すると見込んでいます。その他の3部門では、BASFは小幅増益を目指します。

2015年、BASFは土地、工場、設備に約52億ユーロの投資を行いました。前年の投資額は51億ユーロでした(買収による土地、工場、設備の追加、資金供給、復旧義務、IT投資は除く)。BASFではいくつかの主要工場が始動したことをうけ、2016年から2020年までの年間平均投資額は2015年よりも低くなると想定しています。「ここ数か月で完了した投資プロジェクトが、この弱い経済環境のなか当社の利益にマイナスの影響を与えます。しかし、これらは欧州、北米、新興市場における将来の成長の基盤です。新興市場は現在、予想よりも緩やかなペースで成長していますが、BASFにとっては素晴らしい成長機会です」とボックは述べています。2016年、BASFは合計約42億ユーロの投資を行う予定です。したがって、前年比で10億ユーロの資本支出削減を目指しています。

部門別業績

「化学品部門」の第 4 四半期の売上高は、主に販売価格の低下により、前年同期比22%減の32億ユーロとなりました。特別項目控除前営業利益は、主に石油化学品事業本部における利益率の低下により、3億3,100万ユーロ減の2億4,900万ユーロとなりました。通年では、特に石油化学品事業本部において原材料価格の下落に伴う販売価格の低下によって、売上高は14%減の147億ユーロとなりました。特別項目控除前営業利益は、前年比2億1,100万ユーロ減少し、22億ユーロとなりました。これは主にモノマー事業本部における利益率の低下、ならびにブラジルのカマサリ、中国の重慶などの新生産工場の始動に伴う固定費の増加が原因です。

「高性能製品部門」の第 4 四半期の売上高は、前年同期比2%減の36億ユーロとなりました。これは主に販売価格とポートフォリオの影響です。特別項目控除前営業利益は前年同期比で1,100万ユーロ増加し、2億2,800万ユーロとなりました。これはパフォーマンスケミカルズ事業本部、ディスパージョン&ピグメント事業本部の利益が増えたためです。通年の売上高は1%増の156億ユーロとなりました。全事業本部において為替のプラス効果が見られ、販売価格の低下および販売量の低調を十二分に吸収しました。特別項目控除前営業利益は、固定費の増加により、前年の水準を8,900万ユーロ下回り、14億ユーロでした。これは為替のマイナス効果や、ブラジルのカマサリ、テキサスのフリーポートなどにおける新工場の始動、在庫の削減が原因です。

「機能性材料部門」の第 4 四半期の売上高は、販売量の増加と為替のプラス効果により、前年同期比1%増の45億ユーロとなりました。特別項目控除前営業利益は、主にパフォーマンスマテリアルズ事業本部からの利益貢献度が拡大したため、1億6,900万ユーロ増の3億8,900万ユーロとなりました。通年の売上高は、5%増の185億ユーロでした。販売価格は全体的にやや低下しましたが、販売量は安定していました。また、為替のプラス効果が見られました。特別項目控除前営業利益は4億5,200万ユーロ増の16億ユーロでした。これは主に、パフォーマンスマテリアルズ事業本部、建設化学品事業本部において利益が大幅に増加したことによるものです。

困難かつ非常に競争の激しい事業環境のなか、「農業関連製品部門」の第 4 四半期の売上高は、販売価格および販売量が上向き5%増の12億ユーロとなりました。特別項目控除前営業利益は主に北米における除草剤事業が好調だったため、2,100万ユーロ増の1億4,400万ユーロとなりました。2015年の売上高は2014年の水準を7%上回り、58億ユーロとなりました。これは主に販売価格が上昇したことによるものです。2015年を通し、農産物の低価格が続き、そのため農業関連製品の需要が減速しました。特に新興市場では、不安定な環境や現地通貨の下落により、事業開発が妨げられました。特別項目控除前営業利益は11億ユーロとなり、前年の水準まであと一歩でした(2%減)。

「石油・ガス部門」の第4四半期の売上高は、前年同期比82%減の7億3,100万ユーロとなりました。これは主に、ガスプロムとの資産交換が9月末に完了したことが原因です。これにより、天然ガス取引・貯蔵事業の寄与は期待できなくなりました。特別項目控除前営業利益は2億2,000万ユーロ減の1億2,700万ユーロとなりました。通年の売上高は、14%減の130億ユーロとなりました。これは主にポートフォリオに変更があったことが原因ですが、原油価格が大幅に下落したことも影響しています。探索・生産および天然ガス取引事業部では販売量が増加し、売上高にプラスの効果をもたらしました。特別項目控除前営業利益は売上高の減少により、4億2,900万ユーロ減の14億ユーロでした。

「その他」 に分類される事業は、第 4 四半期の売上高が前年同期比6%減の6億6,000万ユーロとなりました。これは主に、原材料取引における価格の低下と、シンガポールのエルバ・イースタンの株式を2014年末にBASFが売却したことが原因です。第4四半期の特別項目控除前営業利益は主に為替のマイナス効果により、8,600万ユーロ減少し、マイナス1億1,400万ユーロとなりました。「その他」に分類される事業の通年の売上高は23%減の28億ユーロでした。これは主に原材料取引の利益貢献が減少したためです。特別項目控除前営業利益は前年比で3億2,200万ユーロ減少し、マイナス8億8,800万ユーロとなりました。主な要因は為替下落の影響と長期インセンティブ制度への引当金積み増しです。

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります。また、経済的な成功、環境保護、そして社会的責任を同時に実現しています。BASFでは、約112,000人の社員一人ひとりがほぼすべての産業、ほぼすべての国においてお客様の成功に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの部門から成ります。2015年、BASFは700億ユーロを超える売上高を達成しました。BASFの詳しい情報は、 www.basf.com(英語)、  newsroom.basf.com(英語)、  www.japan.basf.com(日本語)をご覧ください。

日本のBASFについて

BASFは日本では1888年に事業を開始しました。事業活動は、化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品の4分野です。主要生産拠点として、神奈川県茅ヶ崎市(コンクリート混和剤、建設資材)、茨城県古河市(パーソナルケア製品原料)、茨城県北茨城市(プラスチック添加剤)、横浜市戸塚区(コーティングス)、三重県四日市市(熱可塑性ポリウレタン、ポリマーディスパージョン)を構え、また全国に建設化学品の製造センターを有しています。研究開発においては、日本から革新的な製品をグローバル市場に発信することを目指しています。近年、バッテリー材料産業での事業拡大に向けて「尼崎研究開発センターバッテリー材料研究所」や日本のパートナーとの合弁会社を設けたほか、自動車の軽量化をさらに推進するため「アジア・コンポジット・センター」を横浜に開設しました。2015年のBASFの日本での売上高は約15億ユーロ(2,001億円)、従業員数は1,209人です。

将来の予測に関する記述について

この文書にはBASF経営陣による現時点での経験、推測、および予測、ならびに現在入手可能な情報に基づく「将来の予測に関する記述」が含まれています。これらは将来の業績を保証するものではなく、予測が困難な一定のリスクと不確実性を含んでいるほか、将来のできごとに関する、正確とは限らない仮定に基づいています。BASFの実際の結果、業績、達成事項は、多くの要因によってこれらの記述が明示的または黙示的に示したものとは大きく異なる場合があります。この文書に記載された将来の予測に関する記述に関しては、BASFは更新の義務を負いません。

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Last Update 2016/03/01