6 8, 2016
日本

高温超電導ワイヤーの生産に向けたパイロットプラントを稼働

(本資料は 2016年5月10日にBASF本社(ドイツ)で発表されたプレスリリースの和訳です。)

  • コストを抑えた高温超電導ワイヤー生産を実現
  • 市場での発売に向けた重要な一歩

BASF New Business GmbH(BASFニュービジネス社)の子会社であるDeutsche Nanoschicht GmbH(ドイチェナノシヒト社)はこの度、高温超電導ワイヤーの生産に向けたパイロットプラントをドイツ・ラインバッハに開設しました。このプラントは、社内で開発した製造プロセスを用いて高温超電導ワイヤーを試験的に生産する施設で、これまで使用してきたラボプラントの50倍の生産能力を備えています。このパイロットプラントの開設により、高温超電導ワイヤーの市場投入に向けた重要な一歩を踏み出します。BASF New Businessは、当プラントで製造したワイヤーサンプルをお客様に提供し、革新的で効率性に優れた送電網用超電導製品(直流・交流送電用ケーブル、限流器など)の試作品の製作をサポートします。

高電流搬送能力を活用した新たな利用法

従来のケーブルと比べて超電導ケーブルは、電力損失がほとんどなく、電気を効率的に流すことができるうえ、小さな断面積で大量のエネルギーを搬送することが可能です。高温超電導体は、液体窒素の沸点(77K、−196°C)以上で、電気抵抗ゼロで電流を流します。当該温度は、産業用冷凍機により、確実かつコスト効率よく達成・維持することが可能です。高温超電導体の電流搬送能力は、銅に比べて10倍から100倍高いことから、非常にコンパクトなケーブル、および発電機や電気モーター用の軽量化システムが実現可能となります。また、高温超電導体を限流器に使用すれば、公共および産業用送電網のピーク電流を抑制し、ショートによる停電の発生を防ぐことができます。

専用の塗布工程によりコスト優位性を実現

Deutsche Nanoschichtは、高温超電導ワイヤーの生産において、CSD法(Chemical Solution Deposition)に基づく専用の塗布工程を採用しており、連続製造工程の中で超電導体薄膜やバッファー層が金属基材へ塗布されます。他の物理的方法と異なり、このCSD法では真空やクリーンルームの設備が不要なため、高温超電導ワイヤーの生産コスト面で決定的な優位性をもたらします。

BASF New Businessマネージング・ディレクターのDr. ギド・フォイトは次のように述べています。「将来的には、当社独自の塗布技術を駆使して、コストパフォーマンスのある高温超電導ワイヤーを商用生産することで、資源・エネルギー分野における成長市場での当社の地位をさらに強固なものにできると期待しています。パイロットプラントの開設により、高品質で信頼性の高い高温超電導ワイヤーをお客様に提供することができます。」 プラント開設後は、顧客にサンプルが提供されるほか、生産技術のシミュレーションも実施していきます。「当社の製造工程は拡張性に優れており、中期的には、大規模なプラント操業を計画しています」 とフォイトは述べています。

BASFの「E-Power Management」

BASFの成長分野であるE-Power Managementには、電力バリューチェーン全体に向けた技術開発、材料およびソリューションが含まれます。E-Power Managementは、省資源で効率性に優れた発電、送電、電力貯蔵、および電気エネルギーの効率的な利用に取り組んでいます。

 

BASF New businessについて
BASF New Business GmbH (BNB) は、産業界、社会、将来の市場における長期トレンドや革新的なテーマの発見や成長性の分析を通じて、BASFに適した新規事業分野の見極めを行う、BASF100%の子会社です。主にBASF の既存事業以外の分野で新たなビジネス機会が見込まれる、輸送、建築・建設、消費財、ヘルス & ニュートリション、エレクトロニクス、 農業、および資源・エネルギーなどの顧客分野に注力した取り組みを行っています。BASF New Businessは、最も将来性の高いトピックをBASFの新規事業分野として取り上げ、化学を基盤とした画期的な材料、技術、およびシステムソリューションに注力するとともに、新製品の開発を通じて技術の進歩を推進します。技術・市場の評価においては世界中の研究プラットフォームやBASF事業部と密接に連携するほか、研究機関、大学、ベンチャー企業、および業界パートナーとの協働した取り組みも行っています。なお、戦略的に関連性の高い技術分野に携わるベンチャー企業への直接投資は、BASF New Businessの子会社である BASF Venture Capitalが行っています。

BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります。また、経済的な成功、環境保護、そして社会的責任を同時に実現しています。BASFでは、約112,000人の社員一人ひとりがほぼすべての産業、ほぼすべての国においてお客様の成功に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの部門から成ります。2015年、BASFは700億ユーロを超える売上高を達成しました。BASFの詳しい情報は、 www.basf.com(英語)、 newsroom.basf.com(英語)、  www.basf.com/jp(日本語)をご覧ください。

高温超電導ワイヤーの生産に向けたパイロットプラント

高温超電導ワイヤーの生産に向けたパイロットプラント

Last Update 6 8, 2016