2016年9月30日

脂肪族系熱可塑性ポリウレタン(TPU)「エラストラン®」が、フロア向け表面保護材として画期的なソリューションを提供

(本資料は 2016年9月21日にBASF本社(ドイツ)で発表されたプレスリリースの翻訳です。)
  • 装飾床材に優れた耐久性と快適性を提供
  • 薄肉でも抜群の緩衝特性

BASFの脂肪族系熱可塑性ポリウレタン(TPU)「エラストラン®」は、デザイナーフロアや装飾床材向け表面保護材として画期的なソリューションを提供します。世界的な梱包材と製紙メーカーであるMondi(モンディ)社は、roomskin®(ルームスキン)フロアという名称のもと、この新開発の熱可塑性ポリウレタンフィルムをトップコート層とした、装飾層との複合体からなる新しいフロア表皮材を提供します。

非常に透明性が高く、弾力性に富んだ表面は、とても薄いにもかかわらず、耐久性に優れ、美しい装飾性と快適な歩き心地を実現します。主に新しい種類の床材に使用され、個々の装飾に合った表面構造を提供します。BASFにとっては、強化合わせガラスの中間膜や飛び石から車を保護するフィルムなど従来の用途に加え、脂肪族系熱可塑性ポリウレタン「エラストラン®」のグレードに新たな用途範囲が拡大しました。 つまり、熱可塑性エラストマーの用途はフローリングにも広がったのです。

脂肪族原材料を使用したエラストラン®グレードは、優れた耐光性とこの材料に特有の高い機械的弾性を備えたショア75 Aから80 Dまでの幅広い硬度の製品を提供できます。エラストラン®は揮発性が極めて低く、無臭のため、AgBBスキーム(ドイツの建設材料における人の健康に対する影響評価委員会)のガイドラインに難なく適合します。これにより住居や公共施設内における健康に優しい屋内環境を実現します。また、この複層保護材を使用したフロアは世界的な環境ラベル制度「ブルーエンジェル」(ドイツ)の品質基準に適合します。この環境ラベルは、製品が環境、健康、使用特性への高い基準を満たしていることを保証しています。そのため、この新たな複層保護材により、PVC(ポリ塩化ビニル)を含む床材の代替が可能となります。

新たな用途への可能性

Mondi社は、エラストラン® の用途における新たな分野を開発しました。Mondi社の先端材料の用途およびプロセス開発を担当するDr. アレクサンダー・オーナイザーは次のように述べています。「BASFの専門家と材料に関して長期にわたり協力してきたおかげで、当社のアイデアを実行に移し、フローリング市場においてエラストラン®をベースとした透明な表層を開発することができました。この熱可塑性ポリウレタンエラストマーにはさまざまな特性のプロファイルがあるため、選択肢が広がります。エラストラン®により、当社はフローリング市場における厳しい品質要件に応えることができます。」 このように、優れた触感、緩衝性と、卓越した耐摩耗性を持つ加飾性に富んだ表面保護材の製造が可能になったのです。

Mondi社は、世界的なフローリングメーカーのEgger社を顧客としており、既に装飾向け床材の新しいDesign+(デザインプラス)のフローリングにroomskinフロアを用いて大きな成功を収めているEgger社は、本製品の材料の持続可能性と、高い弾性にも感銘を受けました。Egger社のリテールマーケティングチームのヘッド、ステファン・アンガー氏は次のように述べています。「日常的に使用することで発生するへこみが自動的に回復します。当社の木材ベースのデザイナーフロアにTPUコーティングを施すことにより、よりすぐれた傷付防止、室内音響と快適さをもたらすソリューションをお客様に提供できるのです。」

Mondi社もBASFのサポートのもと、複層保護材の開発をさらに推進する予定です。エラストラン® をベースとするフィルムや複層保護用途の新たなマーケットセグメントを切り開くことが目的です。

BASFのエラストラン素材は様々な用途での利用が可能で、その多様な特性により、自動車、機械工学、および医療分野、そしてスポーツやレジャーといった多くの分野で活用されています。押出加工により製造されるエラストラン®は、フィラメントや異形押出品、チューブやホース、ケーブル被覆やフィルムに使用されます。

roomskin® フロアはMondi社の登録商標です。
エラストラン® はBASF SEの登録商標です。

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K 2016への出展

アイデアを理想的ソリューションに:BASFは、2016年10月19日~26日にドイツのデュッセルドルフで開催されるK fair(国際プラスチック・ゴム産業展)に出展します(第5ホール、C21/D21ブース)。関連プレスリリース、画像、詳細情報は、basf.com/k2016でご覧ください。

Egger社について

Egger社は1961年に創業し、約7,800人の従業員を擁しています。欧州17拠点で木材(チップボード、OSBおよびMDFボード)の総合的製品ならびに板材を製造しています。2015/16年度の売上は23億4千万ユーロに達しています。Egger社は世界中の家具業界、専門材木商、およびDIYストアに顧客を有しています。 www.egger.com

Mondiグループについて

Mondi社は世界的な包装材および製紙企業グループであり、30か国以上で約25,000人の従業員を擁しています。主要拠点は中欧、ロシア、北米、南米におよびます。100種を超える包装、紙製品を、顧客、消費者、そして業務の最終用途に合わせ、10万種類を超える様々なソリューションにカスタマイズして提供し、多くの人々の暮らしに役立っています。2015年の売上は68億ユーロ、資本利益率は 20.5%でした。

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります。また、経済的な成功、環境保護、そして社会的責任を同時に実現しています。BASFでは、約112,000人の社員一人ひとりがほぼすべての産業、ほぼすべての国においてお客様の成功に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの部門から成ります。2015年、BASFは700億ユーロを超える売上高を達成しました。BASFの詳しい情報は、www.basf.com(英語)、newsroom.basf.com(英語)、www.basf.com/jp(日本語)をご覧ください。

Last Update 2016年9月30日