2016年10月31日

BASFとヒュンダイモーター、コンセプトカー「RN30」をK Fairで披露

(本資料は 2016 年10月14日にBASF本社(ドイツ)で発表されたプレスリリースの和訳です。)

  • レーシングカーモデルのヒュンダイコンセプトカー「RN30」、斬新なデザインと高性能なテクノロジーが集結
  • 軽量化、高い耐久性、環境配慮素材に、BASFのソリューションが貢献
  • コンセプトを形に: 新たな「ヒュンダイi30」シリーズモデルに「化学の力」が大きく貢献(2017年初頭発売予定)

BASFとヒュンダイモーターは、「化学の力」を豊富に取り入れ、空気力学を応用した設計と特別な高性能テクノロジーを組み合わせた新たなコンセプトカーを共同開発しました。このコンセプトカー「RN30」は、10月19日~26日までドイツ・デュッセルドルフで開催されたK Fair(国際プラスチック・ゴム産業展)で展示されました。

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部プレジデントのライマー・ヤーンは、次のように述べています。「BASFがRN30において重要な役割を担うことができ、非常に誇らしく思います。両社の素晴らしいパートナーシップとイノベーションの力を基盤に、ヒュンダイモーターは、当社の素材性能をこのユニークなコンセプトの中で実現してくれました。」このコンセプトカーは、レーシングカーを運転する純粋な喜びを具現化し、ヒュンダイは多岐に渡る製品ポートフォリオと自動車への熱意をもとに、BASFの素材を活用することで、斬新なデザイン・設計を実現しました。

自動車の性能向上と軽量化を実現するプラスチック

サーキット向けに設計されたレーシングカーであるRN30は、軽量化と低重心を実現し、急なコーナリングに対しても、素早い対応を可能にします。重量を減らすための手段として、一般的に高性能車には炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が使用されますが、RN30はCFRPを使うという固定概念から離れ、高性能車にとって最適な、BASFの新たな軽量素材の提案を採用しました。一例として、BASFの硬質インテグラルフォームであるElastolit®(エラストリット)や、ボディパネル用に開発された反応射出成形(RIM)システムは、その優れた流動性から、RN30のフェンダーやスポイラーのような非常に難易度の高い設計を可能にしています。高品質かつ軽量であり、クラスAサーフェスなので直接塗装することも可能です。また、RN30のトランクフロアには半構造のサンドイッチソリューションが取り入れられており、大幅な軽量化と製造工程の高効率化を実現しています。長繊維強化の表面層とペーパーハニカムで構成される超軽量、高強度のサンドイッチ構造を実現するBASFのスプレー式含浸ポリウレタン、Elastoflex® E(エラストフレックス)は、こうした用途に最適な素材です。

安全性を最大限に確保する高耐久性素材

最高速度で走行中のドライバーにとって、品質は妥協を許さないものであり、耐久性と信頼性の高い素材が重要です。BASFのInfinergy®(インフィナジー)は、世界初の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子です。長期的な耐久性と優れた復元力があるため、塗装され、RN30のロールバーパッドに使用されています。一方で、スピードは制御できなければ意味がありません。高速で走行する車両には高性能のブレーキシステムが必要です。BASFが開発した画期的なブレーキフルードHydraulan® (ハイドラウラン)406 ESIは、あらゆる技術的課題を克服し、法規制上の厳しい要件を満たします。

これまでになく複雑でコンパクトなRN30の電子部品には、BASFの新たなUltramid® Advanced N(ウルトラミッド アドバンストN)が採用され、小型化、機能統合、設計自由度の向上を可能にしています。電子コンポーネントだけでなく、耐熱性や高腐食性が要求される部品、様々な燃料と接触するエンジンやギアボックス周りの構造部品にも使用できます。

レース環境に最適化された内装設計

内装設計の工程では、RN30のデザイナーとヒュンダイモータースポーツのレース専門家が緊密に連携し、ドライバーが走行にしっかりと集中できるレイアウトを生み出しました。ドライバーの体に完璧にフィットするレース用バケットシートと、車体強度を向上させる一体型ロールケージが、危険な状況下においてもドライバーを保護します。

シートシェルやシートパンのような複雑な形状を持つ部品に、連続繊維で強化された射出成形体向けの熱可塑性コンポジットシステムUltracom®(ウルトラコム)を提供しています。これは最適な強度と剛性を維持しながら、シートの軽量化を可能にします。テープやラミネートと射出成形を組み合わせることで、シートシェルとシートパンを構成しています。こうした部品を実現する上で、BASF独自のシミュレーションツールであるUltrasim®(ウルトラシム)や、パーツテスト設備および処理技術であるUltratest™(ウルトラテスト)が、シートコンポーネントの全製造工程において大きな役割を果たしています。

レーシングカーはエアコンのような不要なバラスト重量(重量バランスを調整するウェイト)を避けるため、可能な限り、無駄が省かれた設計をしています。RN30のウィンドウを太陽熱から保護しているBASFの近赤外線反射フィルムのような熱管理ソリューションが、車内を涼しく、快適な状態に保つことを可能にしています。この有機透明フィルムは、メタルフィルムと異なり、赤外線だけをカットし、光やGPS、電話の信号などは通すように設計されています。

Acrodur®(アクロデュア)は天然繊維を強化し、環境に優しく寸法安定性に優れた、軽量化を実現する水性バインダーです。RN30のダッシュボードやドアパネルのような複合材に使用されており、質の高い設計を可能にします。

カラーと塗料で生み出すデザインの可能性

色は想像力や個性を引き出します。BASFの水性塗料ColorPro IC(カラープロIC)の「Performance Blue」(パフォーマンスブルー)は、幅広い色スペクトル、柔軟性、類のない品質を誇る個性的なカラー塗料の最新色の1つです。RN30で魅力的な外装を実現しました。また、洗浄を容易にする効果を持つBASFの革新的なクリアコート、iGloss®(アイグロス)が、微細な擦り傷を大幅に低減します。内装では、BASFの特許取得済みトランスファーコート技術であるvalure™(バリュアー)が質の高い内装表面を作り出し、設計の自由度を高め、レザーなど柔軟性のある様々な基材におけるユニークな素材の組み合わせを実現します。表面は、通気性と柔らかな感触を備えています。

コンセプトを形に: 新たな「ヒュンダイi30」シリーズモデルに「化学の力」で様々なソリューションを投入

新しい「ヒュンダイi30」は、「a car for everyone」というコンセプトのもと2017年初頭に発売予定です。これによって、BASFのソリューションがコンセプトから現実の「形」となり、ご覧いただけます。BASFのエンジニアリングプラスチックであるUltramid®(ウルトラミッド)は、「ヒュンダイi30」のトランスミッションオイルパンやシリンダーヘッドカバー、エアインテークマニホールドなどに使われ、パワートレインやシャーシに対して、金属から樹脂へ代替するというトレンドを、BASFは今後も業界を牽引していきます。

BASFは、自動車の内燃機関からの有害な排気を低減する取り組みにおける自動車業界の主要パートナーです。ヒュンダイi30に使われているEMPRO™ TWC触媒技術には、炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)の還元において従来の三元触媒の性能を大幅に上回ります。

Catamold®(キャタモールド)は、金属射出成形向けの材料です。従来の精密鋳造材料よりも50%軽量で、設計の自由度が高まるため、ヒュンダイi30のデュアルクラッチトランスミッションのパーツ製造に使用されています。

微細発泡ポリウレタンCellasto®(チェラスト)は、ジャウンスバンパー、トップマウントの製造に用いられています。これによって騒音や振動、ハーシュネスを最小限に抑え、i30の走行快適性を高めています。

詳しい情報や画像に関しては、basf.com/rn30をご覧ください。

BASFのライブストリームは、こちら。(英語)www.basf.gomexlive.com

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K 2016への出展

アイデアを理想的ソリューションに:BASFは、2016年10月19日~26日にドイツのデュッセルドルフで開催されるK fair(国際プラスチック・ゴム産業展)に出展します(第5ホール、C21/D21ブース)。関連プレスリリース、画像、詳細情報は、basf.com/k2016でご覧ください。

BASFの自動車産業におけるソリューション

自動車産業は、BASFが製品を提供している主要産業の1つです。2015年の自動車関連製品売上高は合計102億ユーロに上り、グループ売上高の14%に相当します。BASFが開発、提供する機能性材料は、パワートレイン技術に左右されない、より効率的で環境への負荷が少ない自動車製造を可能にします。 そのポートフォリオは、エンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、特殊発泡体、塗料、顔料、触媒、燃料添加剤、冷却液、ブレーキ液やバッテリー材料など、多岐に渡っています。BASFは、世界をリードする化学業界のサプライヤーとして、幅広い製品を自動車産業に提供しており、欧州、アジア太平洋、北米、南米、アフリカを網羅するネットワークで世界各地のお客様と緊密な協力関係を築いています。BASFの自動車産業向けソリューションに関する詳細は、www.automotive.basf.comをご覧ください。

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります。また、経済的な成功、環境保護、そして社会的責任を同時に実現しています。BASFでは、約112,000人の社員一人ひとりがほぼすべての産業、ほぼすべての国においてお客様の成功に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの部門から成ります。2015年、BASFは700億ユーロを超える売上高を達成しました。BASFの詳しい情報は、 www.basf.com(英語)、 newsroom.basf.com(英語)、 www.basf.com/jp(日本語)をご覧ください。

ヒュンダイモーターについて

ヒュンダイモーターは1967年の創立以来、「自動車を超えたライフパートナー」を目指しています。現代自動車は、世界に8つの製造拠点と7つの研究所を有しており、2015年の世界販売台数は496万台に上ります。110,000人以上の従業員を擁し、地域に合わせたモデルで製品ラインナップの継続的な強化を行うだけでなく、世界初の量産水素燃料電池自動車「ix35フューエルセル」や、3種類の電動パワートレインを搭載する世界初の環境対応車「アイオニック」をはじめとして、クリーンテクノロジーにおけるリーダーシップ強化に努めています。現代自動車と製品の詳細は、http://worldwide.hyundai.comおよびhttp://globalpr.hyundai.com/をご覧ください。

Last Update 2016年10月31日