2017年10月17日

BASF、窓用形材用にエンジニアリングプラスチックUltradur®を使用した高断熱材を開発

(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2017年10月4日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)

  • 鋼材に代わり、ガラス繊維強化共押出材料Ultradur®を窓枠に利用
  • Greiner Extrusionグループが、適切な工作機械器具設備について専門技術を提供

建設業界は今後数年にわたり大きな課題に直面します。新たな建築物、修復物、そして内装工事において、将来を見据えた持続可能な製品を採用することが不可欠だからです。BASFは、PVC断熱窓に補強要素として使用されている鋼材に代わる材料として、ポリ塩化ビニル(PVC)との共押出用に改良されたUltradur®(ウルトラデュアー(PBT: ポリブチレンテレフタレート))を開発しました。窓がより軽量になり費用対効果が高くなる一方で、鋼材を使用した場合と強度は変わりません。断熱性にも優れており、熱損失係数が従来品との比較で-0.1 W/(mK)と大幅に低下しました。

Ultradur®が生産を簡略化しコストを削減

BASFのプラスチックUltradur®は、さまざまな工業用途に応用可能で、高品質と耐久性を要する技術部品に利用されています。ガラス繊維を強化したUltradur®混合材料から、この用途のために特別に開発された材料は、窓用形材メーカーと窓の施工業者に多くのメリットをもたらします。BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部で建設関連のプロジェクトマネージャーを務めるDr. カイ・ブロックミュラーは次のように述べています。「新たなUltradur®は、生産を簡素化してコストを削減することによって、窓用形材メーカーと窓の施工業者の双方に市場での競争力を提供します。」

窓用形材メーカーと窓施工業者にとってのメリット

窓用形材メーカーにとって魅力的な特徴は、PVCとの共押出が可能であることです。高い剛性を持つUltradur®はPVCと結合し、適所において従来の窓用形材の鋼製補強要素に置き換えることができます。共押出形材は溶接可能であり、下流加工は他の形材と同じです。またこのプロセスは対象の形材に対して、最高の補強形状をもたらします。

窓の施工業者にとっては、鋼材に付随する作業が全て必要なくなるため、窓の制作工程が大幅に削減されます。購入から加工までの一連の工程において、いくつかのステップが省略されるため、鋼材の取り扱いにおけるミスの可能性も回避されます。Ultradur®で強化された形材は非常に軽量であるため、たとえコーナー部分の着色でも、建物内への設置中でも、取り扱いがさらに容易になります。断熱性の向上に加え、エンドユーザーにとってさらに有益な特長は、形材が高い寸法安定性を示しているため、設置後に収縮する傾向が実質的にゼロであることです。

大量生産品への近道

BASFは形材メーカーに、Ultradur®を利用した新たな形材の開発について、技術サポートを提供しています。オーストリアにおける異形押出に関する押出成形機、ダイ、そして冷却・サイジングのサプライヤーであるGreiner Extrusionグループは、PVCとUltradur®の共押出用の信頼性の高い設備一式を、発注から短期間で提供することができます。Greiner Extrusionグループのテクニカル・マネージャーであるレオポルド・ウェイエマイヤーは大きな可能性を見出しており、「Greiner Extrusionグループが開発した専門技術、つまりスムーズな加工性と、製品特性上必要である押出方向へしっかりと繊維を配向させることより、当社は将来性の高い共押出市場に、設備を提供することができます」と述べています。BASFとGreiner Extrusionグループは、顧客がこの技術にいち早くアクセスできるように協力しています。 さらにブロックミュラーは「この技術は、多くの形材メーカーや窓の施工業者にとって非常に嬉しいものですが、設備分野には綿密な開発手順が必要です。幸いにもこれらの開発手順は、Greiner Extrusionグループが実施済みです」と述べています。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業部について

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2016年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、69億ユーロを達成しました。詳細に関しては、 www.performance-materials.basf.comをご覧ください。

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は世界をリードする化学会社(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)で、持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります。また、経済的な成功、環境保護、そして社会的責任を同時に実現しています。BASFでは、約114,000人の社員一人ひとりがほぼすべての産業、ほぼすべての国においてお客様の成功に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの部門から成ります。2016年、BASFは約580億ユーロの売上高を達成しました。2016年、BASFは約580億ユーロの売上高を達成しました。BASFの詳しい情報は、www.basf.com(英語)、newsroom.basf.com(英語)、www.basf.com/jp(日本語)をご覧ください。

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高い剛性を持つUltradur®はPVCと結合し、従来の窓用形材の鋼製補強要素に置き換えることができます

高い剛性を持つUltradur®はPVCと結合し、従来の窓用形材の鋼製補強要素に置き換えることができます

Last Update 2017年10月4日