2017年11月22日

BASFのバソテクト、鉄道車両の座席軽量化と安全性の向上を米国西海岸および東海岸で実現

(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2017年11月14日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)のオープンセルのメラミン樹脂発泡品Basotect®(バソテクト)が、米国の西海岸および東海岸における複数の鉄道車両の座席の背もたれクッションの素材として、新たに採用されました。バソテクトが使用された快適な座席は、サンフランシスコのベイエリア高速公共交通機関やニューヨークのロングアイランド通勤鉄道システムで体感いただけます。この新たな背もたれクッションは、米国に本拠を置き、BISCO® MRF-400の商標でフォームの製造や加工を行うグローバル企業のロジャースコーポレーションが加工を行い、実現しました。

バソテクトを鉄道座席の背もたれに使用することで、軽量化と防火性という、鉄道車両メーカーが直面する大きな2つの課題に対処できます。

バソテクトの密度は9 kg/m3未満のため、座席の全体重量を軽減します。これにより鉄道車両の重量自体も削減するため、エネルギー効率や性能が向上します。バソテクトを鉄道車両の座席に採用したロジャースコーポレーションは、バソテクトを応用することで、従来の発泡品と比べ、座席のクッション材で90%の軽量化を実現させました。北米のバソテクト担当市場開発マネージャーであるホリ・ウッダードは、次のように述べています。 「軽量化は鉄道業界において大きな懸案事項となっています。座席で鉄道車両の軽量化が可能になったことで、公共交通機関の管理局は、燃費を向上させ、全体的な性能と耐久性を高めた公共輸送サービスを人々に提供できるようになります。」 また、バソテクトは熱硬化性樹脂が原料であり、もともと耐火性の素材であるため、優れた防火性能を備えており、難燃剤の添加は必要ありません。ロジャースコーポレーションの市場開発マネージャーであるフェイザン・ナジール氏は、次のように述べています。「BASFのバソテクトは、防火性と高い性能を兼ね備えつつ、鉄道車両の重量に関する厳しい要件を満たすため、当社のお客様に大きな価値を提供してくれます。」 耐炎性、低発煙、低放熱という特徴から、バソテクトは列車に使用される素材や部品の燃焼挙動に関する様々な地域の要件を定義する、ASTM E1354、ASTM E162、ASTM E662、EN 45545-2の条件を満たしています。

バソテクトは高弾性の素材です。バソテクトの高い柔軟性のある背もたれが、より快適な体験をもたらすため、乗客は満足度の高い乗り心地を楽しめます。

鉄道車両の背もたれクッションの製造には、特殊な輪郭にカットする技術と、発泡品に細かな加工を施す必要があります。バソテクトは加工における柔軟性が高く、様々なデザインに対応できるメラミン発泡品である点からも理想的な素材です。せん断やのこぎりによる切断、フライス切削が可能で、カットにおける選択肢が多様であることから、ロジャースコーポレーションはカスタマイズ式のパーツを製造することができます。バソテクトは、鉄道車両の背もたれに使用する上で最適な素材と言えます。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

Basotect®について

Basotect®発泡体には、独自のさまざまな特性があります。素原料メラミン樹脂により、難燃性と研磨性に優れ、最大 240°C の環境で使用でき、広範囲の温度域で安定した特性を保持します。またオープンセルの気泡構造により、軽量で吸音性と断熱性に優れているほか、低温柔軟性も実現しています。詳細につきましてはこちらをご覧ください。www.basotect.com

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業部について

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2016年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、69億ユーロを達成しました。詳細に関しては、 www.performance-materials.basf.comをご覧ください。

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は世界をリードする化学会社(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)で、持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります。また、経済的な成功、環境保護、そして社会的責任を同時に実現しています。BASFでは、約114,000人の社員一人ひとりがほぼすべての産業、ほぼすべての国においてお客様の成功に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの部門から成ります。2016年、BASFは約580億ユーロの売上高を達成しました。BASFの詳しい情報は、www.basf.com(英)、newsroom.basf.com(英語)、www.basf.com/jp(日本語)をご覧ください。

ロジャースコーポレーションについて

ロジャースコーポレーションは、鉄道車両の内装に使用する素材ソリューションのグローバルリーダーです。BISCO®およびARLON®シリコンは、座席のクッション、シール、ガスケット、防振、浮床、防音、コイル絶縁、自己融着性テープ、貫通路として使用するための様々な素材で構成されており、49 CFR238、EN 45545、BS6853などの世界的な防火基準を満たしています。ロジャースコーポレーションの耐久性の高いソリューションは重要なシステムを守り、保守費用を削減し、車両寿命が尽きるまで機能します。詳細につきましては、www.rogerscorp.comをご覧ください。

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Last Update 2017年11月22日