2018年2月23日

BASF、2017年の自動車のカラーマーケットを分析

(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2018年2月8日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)

  • ホワイトが依然世界のトップに君臨
  • 勢いのあるSUV市場では多様なカラーが特徴
  • ブルーとグレーは最も豊富なカラーバリエーション

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)のコーティングス事業本部は、「BASF自動車用OEM塗料カラーレポート」で、2017年の自動車市場における世界的なカラー分布の分析を提供しています。世界のマーケットシェアの約40%を占めるホワイトは、あらゆる車種において強固なポジションを維持し、ナンバーワンカラーであり続けています。ブラック、グレー、シルバーとともに、無彩色の人気は変わりません。有彩色ではブルーとレッドのシェアがほぼ同じであり、ブラウンが続きます。世界的に全車種を見渡すと、小さい車ほどカラーが鮮やかになる傾向があります。

売上が好調でモデル数が豊富なスポーツユーティリティビークル(SUV)は、人気度のデータに大きな影響をもたらします。SUVではホワイトとブラックがいまだに人気がありますが、レッドやブルー、特にブラウンの人気が非常に伸びており、こうした頑丈なタイプの車種がさらに幅広く成長し、多様化していくことを表しています。

世界のカラー分布の詳細はこちらをご覧ください。

ブルーとグレーの色合いが欧州の路上で増加

欧州カラーレポート2017によると、無彩色の人気が続いていることが明らかです。昨年は全車両の約78%をホワイト、ブラック、グレーまたはシルバーが占めていました。なかでもグレーの割合は19%に増加しており、今やブラックと並ぶ人気色です。グレーの色合いが多様化していることからも、グレーのシェア拡大は明らかです。100以上のバリエーションがあるグレーは、ブルーに次いで2番目に多い色合いを持つカラーとなっています。

「無機質なコンクリートやガラスを連想させるグレーは最も都会的なカラーであり、過去数年にわたり大きく増加しています。明るいグレーから、中明度のグレー、そして暗いアントラシット(消炭色)までさまざまな色合いを備えており、それによって強いマーケットポジションを獲得しています」とBASFのコーティングス事業本部自動車カラーデザインEMEA(欧州・中東・アフリカ)のトップであるマーク・グートヤールは述べています。

有彩色の中でもブルーの人気の高さは変わりません。全体的なシェアは10%と安定していますが、有彩色パレット上のブルーの比率が大幅に増加しました。欧州で2017年に製造された有彩色の車のうち、ほぼ2台に1台がブルーでした。このトレンドはBASFコーティングス事業本部のカラーデザイナーの予測通りであり、最新カラートレンドコレクションの数多くのブルーの色合いに反映されています。130ほどの異なるバリエーションを持つブルーは、色の多様性の点でもトップの地位を維持しています。

自動車用OEM塗料2017のBASF欧州カラーレポートの詳細はこちらをご覧ください。(英語)

北米では特別なエフェクトの無彩色が優勢

北米カラーレポート2017は、新たな顔料技術によるキラキラと輝く特殊効果への需要が高まっていることを指摘しています。それによってカラーセグメント内、特に北米で最も人気の高い自動車色であるホワイト、ブラック、シルバー/グレーに、豊富なバリエーションをもたらしています。

成長分野である電気自動車でも無彩色が好まれています。電気自動車の開発初期段階である今は、ホワイトやブラックよりもグレー/シルバーの人気が高いようです。カラーの魅力は、機能と組み合わせて検討される機会が増えており、センサーによる検出機能とかつてないほど関連性を持つようになっています。BASFはこれらの動向を引き続き見守っていきます。

「私たちのトレンド調査によって、ホワイト、ブラック、およびグレーの無彩色カラースペースが引き続き重要であることがわかります。これらの色域でイノベーションを起こすことは非常に重要です。そのため、顧客自動車メーカーのブランドの本質をとらえ、ボディーの形状を魅力的に見せるカラーを見つけ出すための独自の方法を模索しています」と北米BASFカラーデザインエクセレンスグループのデザイン部門トップのポール・ショルニーは述べています。

北米の有彩色ではブルーとレッドが主流です。ブルーのカラースペースも非常に汎用性があり、明度、彩度、および微妙な色相の変化に至るまで、多様な色合いを実現できます。他にオレンジのようなカラーも分析結果に表れています。これらの色合いは消費者の特定の好みに対して、より多くの選択肢を提供します。

自動車用OEM塗料2017のBASF北米カラーレポートの詳細はこちらをご覧ください(英語)。

成熟したアジア太平洋市場では、個性を表す明るいレッドと上品なカラーが引き続き人気を集める

アジア太平洋地域の自動車用塗料市場は、増加する車両数と地域の多様性に大きく影響されることが、アジア太平洋カラーレポート2017にも反映されています。全体の分布で49%を占めるホワイトはこの地域で最も好まれる色です。アジア太平洋の文化的背景により、ホワイトは純粋さとインテリジェントな先進技術を表す肯定的なイメージと結びついています。それゆえ、白い車両がここ数年アジア太平洋地域で非常に増加しています。ブラウンも特に中型SUVでの人気が高まっています。ホワイトのなかでも特にパールホワイトとブラウンの両方が、高級な趣のスタイリッシュなカラーとして、アジア太平洋市場で位置付けられ、受け入れられています。

明るいレッドは挑発的でありながらスマートな個性を持つカラーとして、アジア太平洋地域の自動車市場における有彩色の中で、非常に人気があります。一般的に自動車のレッドは人目を引きますが、それがアジア太平洋地域の成熟市場における重要な要素なのです。

自動車用OEM塗料2017のBASFアジア太平洋カラーレポートの詳細はこちらをご覧ください(英語)。

トレンド能力と革新的なカラーコンセプト

自動車カラーの世界的な分布を分析する「BASF自動車用OEM塗料カラーレポート」は、BASFのコーティングス事業本部が毎年発表する自動車のカラートレンドを補完するものです。トレンドコレクションは自動車の未来を形作るカラーのコンセプトを提示しますが、カラーレポートは現在のマーケット状況に関係しており、前年のデータを参照しています。過去数年間で色の多様性は増加し、革新的な色のコンセプトの可能性は多面的になっています。そのためBASFはOEMと緊密に協力して、自動車ブランドの精神を強調する魅力的な外観や感触を作り出しています。

現在、何百もの色が販売されていますが、塗料にはユニークな効果も含まれており、塗料の機能性はますます重要な役割を果たします。統合温度管理ができる塗料は、持続可能な将来のモビリティを強化します。車両表面と車両内の温度上昇を最小限に抑えることでエアコンの費用を節約し、燃料消費量の削減や電気自動車の種類が拡大することにもつながるのです。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASFのコーティングス事業本部について

BASFのコーティングス事業本部は、革新的な自動車用塗料、自動車補修用塗料、装飾用塗料、およびそれらの応用に必要なプロセスの開発、生産、販売を行っています。BASFは、ヨーロッパ、北米、南米、アジア太平洋に拠点があります。広範なネットワークを通じて、世界中のお客様と緊密に連携しています。2016年におけるBASFコーティングス事業部の世界の売上高は32億ユーロでした。
2016年、BASFはメタル、プラスチック、ガラス基板など幅広い産業での表面処理のリーディンググローバルサプライヤーであるシェメタルを買収しました。ポートフォリオの拡大によって、BASFはより一層力強い塗料のソリューションプロバイダーとして、Solutions beyond your imagination(想像をはるかに超えたソリューション)を提供してまいります。BASFコーティングスの詳細情報はwww.basf-coatings.com(英語)、www.basf.co.jp/coatings(日本語)をご覧ください。

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は世界をリードする化学会社(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)で、持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります。また、経済的な成功、環境保護、そして社会的責任を同時に実現しています。BASFでは、約114,000人の社員一人ひとりがほぼすべての産業、ほぼすべての国においてお客様の成功に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの部門から成ります。2016年、BASFは約580億ユーロの売上高を達成しました。BASFの詳しい情報は、www.basf.com(英)、newsroom.basf.com(英語)、www.basf.com/jp(日本語)をご覧ください。

Last Update 2018年2月23日