Business & Financial News  |  2019年1月25日

BASF、プラスチック廃棄物問題の解決に向けた世界的なアライアンス「Alliance to End Plastic Waste」を共同で設立

(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2019年1月16日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)
 
  • プラスチック廃棄物問題の解決に向け、プラスチックと消費財のバリューチェーンに携わる企業約30社が、10億米ドル以上の投資を表明

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は2019年1月16日、自然環境、特に海洋におけるプラスチック廃棄物を削減および除去するソリューションを前進させるため、世界的なアライアンス「Alliance to End Plastic Waste」(以下AEPW)を約30社とともに設立しました。AEPWは、今後5年間で15億米ドルを投じて自然環境中のプラスチック廃棄物をなくすことを目標としており、既に10億米ドル以上の投資を表明しています。プラスチック廃棄物の量を最小化し管理 していくための新しいソリューションを開発し、また、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)を実現することで、使用済みプラスチック向けの施策を推進していきます。

BASF取締役会会長 兼 最高技術責任者(CTO)であるDr. マーティン・ブルーダーミュラーは次のように述べています。「自然環境中のプラスチック廃棄物を削減するという目標を強く支持します。私たちは、世界のプラスチック廃棄物問題を効果的に解決するソリューションを推進したいと考えており、そのために 『Alliance to End Plastic Waste』を共同で設立しました。プラスチックは資源を節約することができ、健康、安全、そして社会の利便性のために有効な材料です。もしプラスチックやその廃棄物が責任ある方法で使用・処理されず、リサイクルされなければ、これらの利点とは相反するものとなるでしょう。」

鍵となるのは、プラスチック廃棄物の発生源を把握することです。米国の環境保護団体、オーシャン・コンサーバンシーの調査によると、海洋のプラスチックは主に陸上のゴミを発生源としています。 プラスチック廃棄物の大半は河川に流れており、そうした河川はアジアやアフリカを中心とした世界10の主要河川を源流としています。河川の多くが、適切な廃棄物収集およびリサイクルのためのインフラが整備されていない人口密集地を流れていることから、大量の廃棄物の漏出につながっています。 AEPWは、最も必要とされる場所で活動を開始します。これには、次の4つの主要分野に貢献するプロジェクトが含まれます。

  • インフラ開発:廃棄物の収集・管理およびリサイクル推進のためのインフラ開発
  • イノベーション:プラスチックのリサイクル・回収を容易にし、使用済みプラスチックから価値を生み出す新技術開発のためのイノベーション
  • 教育および啓蒙活動:行動喚起のための政府、企業、地域社会における、教育および啓蒙
  • 清掃活動:環境中のプラスチック廃棄物が集中する地域、特に陸上の廃棄物を海洋へ運ぶ河川など、廃棄物の主要なルートの清掃活動

「プラスチック廃棄物は、もともと海洋にも、どの自然環境にもあったものではなく、投棄されるべきではないと誰もが考えていることでしょう。これは複雑で深刻な世界的課題であり、迅速な行動と強力なリーダーシップを必要としています。今回の新しいアライアンスは、環境中のプラスチック廃棄物をなくすことを目的とした、これまでで最も包括的な取り組みです」と、プロクター・アンド・ギャンブのCEOでAEPWの会長であるデイビッド・テイラー氏は述べています。

AEPWは化学・プラスチックメーカー、消費財メーカー、小売業者、加工業者、廃棄物管理会社など、世界的なプラスチックおよび消費財バリューチェーンに携わる企業が参画する非営利組織であり、政府、政府間組織、学界、非政府組織、市民社会と協力し、環境からプラスチック廃棄物を排除するための共同プロジェクトに投資します。

AEPWは、プラスチックの責任ある取り扱いに対するBASFの取り組みを強化するものです。「プラスチックが環境中に無秩序に放出されることに歯止めをかける重要な対策のひとつに、プラスチックを新しい原料として使用できる閉鎖循環システムの構築が挙げられます。化学産業は、プラスチック廃棄物を新製品に転換する大規模なプロセスを革新し実行していく上で、重要な役割を果たしています」 とブルーダーミュラーは述べています。BASFが最近スタートした「ChemCyclingプロジェクト」は、プラスチックの回収およびリサイクルを促進するための革新的な技術の一例です。BASFは、顧客やパートナーと共同で、化学的にリサイクルしたプラスチック廃棄物をベースとした初の試作品を開発・製造しました。

BASFはまた、国際プログラム 「Operation Clean Sweep®」を全世界のプラスチックペレット生産拠点で積極的に推進しています。これは、行動、組織、技術面での施策により、バリューチェーン全体でプラスチックペレットの環境への漏出防止を目指すものです。BASFはさらに、世界プラスチック協会やエレン・マッカーサー財団、CEFLEXなど、廃棄物管理や教育に関するさまざまな協力・連携プロジェクトを行っています。

AEPWの創設メンバーは以下の通りです。

BASF, Berry Global, Braskem, Chevron Phillips Chemical Company LLC, Clariant, Covestro, CP Group, Dow, DSM, ExxonMobil, Formosa Plastics Corporation USA, Henkel, LyondellBasell, Mitsubishi Chemical Holdings, Mitsui Chemicals, NOVA Chemicals, OxyChem, PolyOne, Procter & Gamble, Reliance Industries, SABIC, Sasol, Shell, Suez, SCG Chemicals, Sumitomo Chemical, Total, Veolia, and Versalis (Eni).

 

BASFのAEPW加盟に関する詳細はこちらをご覧ください。(英語)

また、AEPWに関する詳細はこちらをご覧ください。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く、世界をリードする化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で115,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2017年のBASFの売上高は約600億ユーロでした。BASFは、フランクフルト(BAS)、ロンドン(BFA)およびチューリッヒ(BAS)の証券取引所に上場しています。BASFの詳しい情報は、www.basf.comをご覧ください。

Last Update 2019年1月25日