Business & Financial News  |  2019年10月18日

Joint News Release
 

BASF、Quantafuel社に出資し、プラスチック廃棄物のケミカルリサイクルを共同で推進

(この資料は BASF本社(ドイツ)およびQuantafuel社(ノルウェー)が 2019年10月7日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)
 
  • 出資によりBASFの「ChemCyclingTM」プロジェクトが重要な節目を迎え、サーキュラー・エコノミー (循環型経済)に向けてさらなる前進
  • Quantafuel のデンマーク スキーベの工場でケミカルリサイクルされた熱分解油および精製された炭化水素に対し、BASFは優先買取権を保有
  • 精製された炭化水素製品の製造プロセスの共同開発を目指す


BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、プラスチック廃棄物の熱分解および熱分解油の精製を専門とするQuantafuel社(クアンタフューエル、本社:ノルウェー)に2,000万ユーロを出資します。この出資は、新株の引受および転換権付貸付を通じて行われます。両社は協業により、熱分解と精製の統合プロセスからなるQuantafuelのケミカルリサイクル技術をさらに発展させ、化学品製造の原料として使用できるよう生産量を最大化することを目指します。またQuantafuelは第2段階として、共同で開発した技術を他社にライセンス供与することも計画しています。

Quantafuelは2019年第4四半期にデンマークのスキーベにて年間約16,000トンの生産能力をもつ熱分解・精製工場の操業開始を予定しています。BASFは投資契約の一環として、Quantafuelのスキーベ工場での生産開始から最低4年間、この工場で生産される全ての熱分解油および精製された炭化水素を優先的に買い取ることができる権利を有します。BASFは買い取った二次原材料を 「ChemCyclingTM」 プロジェクトに活用し、一部のお客様とともにケミカルリサイクルされたプラスチックの市場を開拓していきます。再生原料はルートヴィッヒスハーフェンにあるBASFの統合生産拠点において、一部化石資源の代替として投入されます。またBASFは、デンマークのQuantafuel工場が本格稼働した段階で、プラスチック廃棄物をケミカルリサイクルして製造したCcycledTM製品を、一部のお客様向けに商業的な規模で供給することを目指します。さらに、両社は供給量を商業規模で拡大するため、ケミカルリサイクルの一環として精製される炭化水素の生産設備を共同で建設することも目指しています。

BASFの石油化学品事業本部プレジデントのハルトヴィッヒ・ミヒェルスは次のように述べています。「今回の投資は、資源の持続可能な利用やプラスチックのサーキュラー・エコノミーモデルの開発に対するBASFのコミットメントの表れです。この提携はケミカルリサイクルされたCcycledTM製品の幅広い供給体制を構築していく上での第一歩です。これにより、お客様がサステナビリティの目標を達成することを支援します。」

QuantafuelのCEOであるKjetil Bøhn(チェーティル・ベーン)氏は次のように述べています。「BASFが弊社独自の精製技術を用いてプラスチック廃棄物のリサイクル技術をもつリーディングカンパニーとなることを目指し、資金と人材を投資する決定を下したことは実に光栄なことです。私たちの長年の戦略的パートナーであり、世界最大の独立系エネルギートレーダーであるVitol S.A.社(ヴィトール)は、BASFとQuantafuelが協業できるよう、協力関係を排他的なものとはしないことに合意しました。これにより、プラスチック廃棄物に付随する環境課題に有意義な影響をもたらす規模の生産能力を構築する体制が整いました。」

BASFは、プラスチック廃棄物から得られる再生原料を生産フェアブント(統合生産拠点)で使用する「ChemCycling」プロジェクトを2018年に開始しました。すでにさまざまな業界のお客様とともに、プラスチック廃棄物のケミカルリサイクルにより生まれた再生原料をベースとした試作品を製造しています。試作品にはとりわけ高品質、高い衛生基準が求められる食品包装も含まれています。また、再生原料の割合は、認証済みのマスバランス方式を用いて最終製品に割り当てられます。

ケミカルリサイクルされた製品の市場を十分に発展させるためには、技術的な課題に加えて規制上の課題を解決する必要があり、ハルトヴィッヒ・ミヒェルスは次のように述べています。「規制面では、リサイクルの定義が広がり、ケミカルリサイクルがリサイクル目標を達成する手段として当局に認められる必要があります。また、リサイクルされた製品に対するインセンティブは、リサイクルの種類にかかわらずすべてに等しく適用されるべきだと考えています。また、マスバランス方式が受け入れられることも必要です。」

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASF について

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3 つを同時に果たしています。また、全世界で約122,000 人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6 つの事業セグメント (ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2018 年のBASF の売上高は約630 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、www.basf.com をご覧ください。

 

Quantafuelについて

Quantafuelはノルウェーに本社を置くテクノロジーを基盤としたエネルギー企業で、持続可能な社会を目指しています。産業界における50年以上にわたる経験と10年以上にわたる開発経験に基づき、ほぼすべての種類のプラスチック廃棄物を環境に優しい燃料や化学品に転換しています。今年の第4四半期にデンマーク スキーベでの開始に伴い、最も差し迫った環境問題に対して有意義な影響を与えるために、世界規模で生産能力を急速に構築することを目指しています。

Last Update 2019年10月18日