Business & Financial News  |  2019年10月28日

BASF、2019年第3四半期の業績を発表、特別項目控除前営業利益は前年同期比24%減

(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2019年10月24日に発表した英語のプレスリリースBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)
 
  • 売上高は152億ユーロ(前年同期比2%減)、販売量は前年同期と同水準
  • 主にケミカル、マテリアル事業セグメントの大幅な減益により、特別項目控除前営業利益は11億ユーロに減少
  • サーフェステクノロジー、アグロソリューション、インダストリアル・ソリューション、ニュートリション&ケア事業セグメントで大幅な増益を達成
  • 特別項目控除前営業利益は前年同期を最大30%下回る見通し

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)はこのほど、2019年第3四半期の業績を発表しました。BASFグループの売上高は前年同期の水準を若干下回り、152億ユーロでした。これは主に、マテリアル事業セグメント、ケミカル事業セグメントにおける価格の低下によるものです。市場の不確実性や、お客様が発注に慎重であることも影響しました。主要な顧客市場からの需要は回復しませんでしたが、主にアグロソリューション事業セグメント、サーフェステクノロジー事業セグメントにおいて販売量が増加したことから、BASFは前年同期と同水準の販売量を維持することができました。

特別項目控除前営業利益は前年同期の水準を24%下回り、11億ユーロでした。これは主に、マテリアル事業セグメント、ケミカル事業セグメントの大幅な不振によるものです。イソシアネートの価格は予想通り、大幅に下落しました。また、スチームクラッカーの定期修繕や、クラッカー製品の利益率の低下もありました。これらの要素が、両事業セグメントの利益に大きなマイナスの影響を及ぼしました。BASFグループの2019年第3四半期の業績発表に際し、BASF取締役会会長のDr.マーティン・ブルーダーミュラーは、「厳しい市場環境にもかかわらず当社の川下分野の事業は好調で、前年同期と比べて大幅な改善を見せました」と述べています。インダストリアル・ソリューション事業セグメントでは、主に固定費が減少したことから、特別項目控除前営業利益が大幅に増加しました。サーフェステクノロジー事業セグメントでも、3つの事業本部すべてにおいて特別項目控除前営業利益が大幅増となりました。ニュートリション&ケア事業セグメントでは、ケア・ケミカルズ事業本部が大幅な増益となったことから、特別項目控除前営業利益が大幅に増加しました。アグロソリューション事業セグメントでは、主に売上高の増加により、特別項目控除前営業利益が大幅に増加しました。今期、南米でよい天候に恵まれたことも、理由のひとつです。

EBITDAは前年同期の22億ユーロから増加し、23億ユーロでした。特別項目控除前EBITDAは8%減の21億ユーロでした。

営業利益(EBIT)は前年同期とほぼ同水準の14億ユーロでした。前年同期には営業利益の特別項目がマイナス75百万ユーロでしたが、今期はプラス2億57百万ユーロとなりました。スイス、バーゼルにあるBASFのクリベック拠点の株式を売却したことによる大幅な売却益が、バイエルから買収した事業の統合および事業分離のための事業再編措置による特別費用を十分に補うかたちとなりました。

純利益は前年同期の12億ユーロに対し、9億11百万ユーロでした。

2019年第3四半期の1株当たりの利益は、前年同期の1.31ユーロから1.00ユーロに減少しています。調整後の1株当たり利益は、前年同期の1.51ユーロに対し、0.86ユーロでした。

2019年第3四半期の営業活動によるキャッシュフローは、前年同期の29億ユーロに対し、20億ユーロでした。フリー・キャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが減少したことから、11億ユーロとなりました。

迅速かつ体系的に戦略を実行

現在もこれからも、地政学的状況はBASFにとっての課題です。ブルーダーミュラーは、次のように述べています。「米国と中国の貿易摩擦が、特に当社の事業を圧迫しています。さらに、英国のEU離脱をめぐる不確実要素もあります。こうした出来事が、経済の足を引っ張る要因となっています。これは欧州の輸出中心国だけに言えることではありません。米国でも顕著な景気減速が見られます。中国では成長が続いていますが、それも減速しています。世界の自動車産業における生産は、上半期末時点においてすでに低い水準でしたが、さらに低下しました。」

「私たちの力では、現在の不利な状況を変えることはできません。しかし、BASF内でどのように対処すればよいのかは、しっかりと把握しています。私たちは現在、迅速に強い意志を持ってそれに取り組んでいます。今以上にお客様中心かつ効率的な組織を目指し、速やかに、そして体系的に組織改革を行っていきます」とさらに述べました。

2019年はBASFにとって変革の年です。「私たちは今年、精力的かつ熱意をもって、速やかに一歩ずつ企業戦略を実行しています。管理業務の合理化、サービスユニットや地域の役割の明確化、手順や工程の簡素化を実施しており、今のところ順調に組織改革が進んでいます」とブルーダーミュラーは述べています。

BASFは約1年前に発表した戦略を速やかに実行しており、すでに間接業務の大部分を事業部門に組み込んでいます。10月1日には、約20,000人の配置転換を完了しました。

エクセレンスプログラムを加速

BASFの最高財務責任者(CFO)であり、取締役会副会長を務めるDr. ハンス‐ウルリッヒ・エンゲルは、次のように述べています。「私たちはエクセレンスプログラムを加速させ、2021年末までに毎年20億ユーロのEBITDA増を達成するという目標に向けて、順調に進んでいます。今年はその第一歩として、約5億ユーロのEBITDA増を達成する見込みです。しかし、プログラムの実行を加速させていることから、同じ程度の臨時費用が発生すると予測しています。2020年には、10億ユーロから13億ユーロのEBITDA増となる見通しですが、2億ユーロから3億ユーロに達するとみられる臨時費用が発生し、一部相殺されることとなります。

本プログラムではさまざまな方策を実施していますが、生産、物流、計画の分野からの貢献が最大となる見通しです。「さらに、組織の合理化や効率的な体制の整備も行っています。2019年9月末までに、全世界で約1,800ポジションの削減を行いました」とエンゲルは述べています。

2019年の見通し

マーティン・ブルーダーミュラーは、BASFグループの2019年の見通しについて、現時点でも売上高は微減になると予測しています。特別項目控除前営業利益は、最大30%の大幅減になる見通しです。2019年通年の投下資本利益率(ROCE)は、前年を大幅に下回る見込みです。

また、原油価格に対する現在の予測をわずかに修正しました。2019年の年間平均ブレント原油価格は、1バレル65ドルになると見ています(これまでの予測は70ドル)。

世界経済環境に対するその他の予測は変わらず据え置きます (GDP成長率: 2.5%、工業生産の成長率: 1.5%、化学品生産の成長率: 1.5%、ユーロ/ドルの平均為替レート: 1ユーロ=1.15ドル)。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で約 122,000 人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6 つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2018 年の BASF の売上高は約 630 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

 

将来の予測に関する記述について

本リリースにはBASF経営陣による現時点での推測および予測、ならびに現在入手可能な情報に基づく「将来の予測に関する記述」が含まれています。これらはここに記す将来の進展や業績を保証するものではなく、多くの要因に依存し、様々なリスクと不確実性を含んでいるほか、正確とは限らない仮定に基づいています。本リリースに記載された将来の予測に関する記述に関しては、BASFは更新の義務を負いません。

 

 

Last Update 2019年10月28日