Trade News  |  2019年11月27日

BASFの高耐候安定剤「Tinuvin®」、滑り台を紫外線から保護

  • ポリエチレン製滑り台の強度を向上させ、安全で快適な遊具を実現
  • 持続可能な製品開発に寄与

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)の高耐候安定剤Tinuvin®(チヌビン)は、スイコー株式会社(本社:兵庫県尼崎市、以下 スイコー)が回転成型により製造した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)製の滑り台に採用されました。このLLDPE製の滑り台は、Tinuvin®の適用によって滑り台の帯電防止性能の維持、さらに安全性と耐久性を向上させ、炎天下での変色を防ぎます。

LLDPE製の滑り台は、本来、紫外線劣化を起こしやすいため、変色や物性低下が生じます。この課題を解決するために、スイコーは製造工程で、ポリマー樹脂にTinuvin®を添加することで、滑り台の色を明るいまま保持することが可能になりました。

BASFのアジア太平洋地域パフォーマンスケミカルズのシニアバイスプレジデントであるハーマン・アルトホフは、以下のように述べています。「安全性は、子供たちが使用するいかなるものの製造において、非常に重要な要素です。遊具製造においても例外ではありません。当社の高耐候安定剤Tinuvin®により、屋外遊具メーカーは、標準的な紫外線抑制剤を使用して、製品寿命を延ばし、ひび割れや劣化を防止する製品を製造することが可能です」。

スイコーの強みは回転成形技術です。また、成形体外表面の紫外線劣化を診断する技術を有しています。この紫外線劣化診断技術により、滑り台の適切な交換時期を推奨できるため、遊具の安全性がより向上します。

スイコーの坂木博之・研究開発室長は、「滑り台は通常屋外に設置され、厳しい気象条件に耐える必要があります。私たちは、そのような過酷な状況において、ポリエチレンの物性だけでなく、帯電防止性能を維持することが課題でした。BASFは、豊富な紫外線吸収剤や光安定剤、包括的な耐候性試験データに基づき、適確な製品選定、添加量の提案を行い、このニーズに応えてくれました」と述べています。

公園遊具には様々な素材が使用されています。金属製の滑り台は、夏場には高温となるため、理想的な素材ではありません。繊維強化プラスチック(FRP)製や鉄製の滑り台は、定期的に再塗装することが必要であり、また亀裂を予測することが困難です。一方、LLDPE製の滑り台は、メンテナンスが容易なうえ、単一材料のプラスチックとしてリサイクルも可能であるため、ニーズが増加しています。

 

BASFのプラスチック添加剤について

BASFはプラスチック添加剤を製造するリーディングサプライヤーであり、この分野におけるイノベーションパートナーでもあります。BASFの包括的かつ革新的な製品ポートフォリオには、各種ポリマーおよび成形品、フィルム、繊維、シート、押出成形品などの用途において加工安定性、耐熱性、耐光性を向上する安定剤などがあります。プラスチック添加剤に関する詳細につきましては、http://www.plasticadditives.basf.comをご覧ください。

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約122,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2018年のBASFの売上高は約630億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、www.basf.comをご覧ください。

Last Update 2019年11月27日