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Business & Financial News  |  2020/03/03
日本

BASF、2019年の業績を発表
川下分野の全事業セグメントで順調な推移を見せるも、特別項目控除前 営業利益は減少

(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2020年2月28日に発表した英語のプレスリリースBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)

  • 売上高は593億ユーロ(前年比2%減)
  • ケミカル、マテリアル事業セグメントの減益が主因となり、特別項目控除前営業利益は45億ユーロに減少(前年比28%減)
  • 営業活動によるキャッシュフローは75億ユーロ(前年比6%減)
    フリー・キャッシュフローは37億ユーロ
  • 2019事業年度の配当金は3.30ユーロを提案(2018年は3.20ユーロ)
  • 2019年第4四半期の売上高は微減(前年同期比2%減)、特別項目控除前営業利益は大幅増(前年同期比23%増)

2020年の見通し:

  • 売上高は600億から630億ユーロの範囲となる見通し
  • 特別項目控除前営業利益は42億から48億ユーロの範囲となる見通し

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)はこのほど、2019年の業績を発表しました。2019年通年の売上高は、販売量の減少と販売価格の低下によって、前年比をわずかに下回り593億ユーロとなりました。特別項目控除前営業利益は、マテリアル事業セグメント、ケミカル事業セグメントの貢献が縮小したことにより、前年比で17億ユーロ減少して45億ユーロとなりました。

BASF取締役会会長Dr.マーティン・ブルーダーミュラーは、最高財務責任者のDr.ハンス‐ウルリッヒ・エンゲルとともに、2019年年次報告書のプレゼンテーションで、「2019年は世界経済の強い逆風を受けて、厳しい年でした。困難な状況が続きましたが、BASFは上手く対応しました」と述べました。米国と中国の貿易摩擦によるマイナスの影響があり、主な販売市場の成長が停滞し、更に英国のEU離脱をめぐる不確実要素が追い打ちをかけました。工業生産の成長率、化学品生産の成長率は予想を大幅に下回りました。主要な顧客市場、特に自動車セクターの需要は大幅減となりました。

「市場環境は厳しいものの、川下分野の全事業セグメントで増益となりました。残念ながら、それでも基礎化学品事業における減益を埋め合わせることはできませんでした」とブルーダーミュラーは述べています。マテリアル事業セグメント、ケミカル事業セグメントの特別項目控除前営業利益は22億ユーロ減の18億ユーロとなりました。イソシアネートの価格の急落、クラッカー製品の利益率の低下、クラッカーの定期修繕、全体的な需要低下が、これに大きなマイナスの影響を及ぼしました。

対照的に川下分野の全事業において、前年比で大幅な改善が見られました。インダストリアル・ソリューション事業セグメントでは、主に固定費の減少、為替のプラス効果、利益率の上昇により、二つの事業本部で共に特別項目控除前営業利益が大幅増となりました。サーフェステクノロジー事業セグメントでも同様に、特別項目控除前営業利益が大幅増となりました。ニュートリション&ケア事業セグメントでは、ケア・ケミカルズ事業本部の業績が好調であったことから、特別項目控除前営業利益が微増となりました。アグロソリューション事業セグメントでは、特別項目控除前営業利益が大幅増となりました。「バイエルから買収した資産、および事業の業績が非常に良好であり、増収増益に大きく貢献しました」とブルーダーミュラーは述べています。

2019年、BASFグループの営業利益(EBIT)は60億ユーロから41億ユーロに減少しました。特別項目控除前EBITDAは前年比11%減の82億ユーロでした。EBITDAは前年の90億ユーロに対し、2019年は80億ユーロでした。純利益は前年の47億ユーロから84億ユーロに増加しました。これには、DEAとの合併後にWintershall(ヴィンタースハル)が連結対象外になったことによる、約57億ユーロの帳簿上の利益も含まれています。

2019年第4四半期のBASFグループの売上高と利益成長

BASFグループの2019年第4四半期の売上高は、前年同期比2%減の147億ユーロでした。販売量が1%減少し、販売価格も1%下落しました。製紙用薬品、水処理剤事業をSolenisに事業譲渡したことによるポートフォリオ変更の影響がマイナス1%見られました。わずかですが、売上高に対して為替のプラス効果が1%見られました。

第4四半期の特別項目控除前営業利益は、前年同期比23%増の7億65百万ユーロでした。これはアグロソリューション事業セグメント、ニュートリション&ケア事業セグメント、インダストリアル・ソリューション事業セグメント、サーフェステクノロジー事業セグメントにおいて大幅増益となったことによるものです。これらの事業セグメントが、第4四半期におけるケミカル事業セグメント、マテリアル事業セグメントにおける大幅減益を十分に埋め合わせました。

EBIT(営業利益)に含まれる特別項目は、前年同期のマイナス1億51百万ユーロに対し、マイナス3億5百万ユーロでした。「その他」に分類される事業およびインダストリアル・ソリューション事業セグメントでは、2019年第4四半期に特別費用が発生しました。「その他」に分類される事業の特別費用は、エクセレンスプログラムの実施によるものです。インダストリアル・ソリューション事業セグメントは、BASFの顔料事業の売却により一時的な影響を受けました。第4四半期のEBITは2%減の4億6千万ユーロでした。

2019年通年のBASFグループのキャッシュフロー

営業活動によるキャッシュフローは、前年比で4億65百万ユーロ減少し、75億ユーロでした。投資活動のキャッシュフローについては前年のマイナス118億ユーロに対し、マイナス12億ユーロでした。無形固定資産、土地、工場、設備への投資額は、前年比をわずかに下回り、38億ユーロでした。事業分離による受取額は前年よりも約25億ユーロ増加しました。これは主に、WintershallとDEAの合併に関連したキャッシュインフローによるものです。買収のための支払額は前年の74億ユーロに対し、2億39百万ユーロでした。前年の額にはバイエルからの事業買収に対する多額の支払が含まれていました。

営業活動によるキャッシュフローは大幅に減少したものの、フリー・キャッシュフローは前年の40億ユーロに対し、約37億ユーロでした。

意欲的なサステナビリティ目標の達成

BASFは、2030年までCO2排出量を増やすことなく成長することを目標としています。具体的には、生産量を増やしながら、BASF拠点やエネルギー購入からの温室効果ガスの合計排出量を2018年の水準で維持することを目指しています。2019年のBASFの温室効果ガス排出の絶対量は前年比8%減の2千万トンでした。これは主に、保守作業などの理由による大規模工場の稼働停止によるものです。また、BASFではエネルギー供給契約を更新し、エネルギー効率の向上とプロセスの最適化を行うための対策を実施しています。

2020年の排出量は、定期修繕件数の減少やSolvayからのポリアミド事業の買収などにより、2018年の水準まで増加するとBASFでは予想しています。

3.30ユーロの配当金を提案

「BASFは毎年、配当金の引き上げを目指しています。予測可能で積極的な配当方針はBASFにとって最優先事項です。BASFは年次株主総会で、1株当たり3.30ユーロの配当を提案する予定です」とブルーダーミュラーは述べています。これは前年度から0.10ユーロの増額となります。BASFの株主に総額30億ユーロの配当金を支払うことが、年次株主総会で提案される予定です。これは2019年のフリー・キャッシュフローで十分まかなえる金額です。これによりBASFは、4.9%の優れた配当利回りを再び提供します。

迅速かつ体系的に戦略を実行

「2019年は、精力的に情熱をもって、迅速に企業戦略を実行しました。私たちは、組織体制を刷新し、複雑さの解消、管理業務の合理化、そして手順や工程の簡素化に取り組み、新年度をスタートさせています」とブルーダーミュラーは述べています。間接業務の大部分が事業部門に組み込まれ、10月1日までに全世界で20,000人の配置転換を行いました。また、コーポレート・センターの社員数は約1,000人となり、より効率的な体制となりました。1月1日からは、グローバルビジネスサービスという新ユニットが始動しました。約8,800人の社員が所属し、財務、コントローリング、購買、サプライチェーンの分野などで、需要主導型の社内サービスを全世界で提供します。これがBASFの事業の競争力をさらに高めます。

しかし、戦略の実装はまだ完了していません。ブルーダーミュラーは、「主要なステップは既に開始しましたが、今年は細かな部分にも取り組む必要があります」と述べています。

これらの対策はすべて、「お客様中心で、機敏に動ける組織」という明確な目標のもと、利益を伴うBASFの成長を実現するためのものです。

エクセレンスプログラムを加速

BASFは、現在実施中のエクセレンスプログラムを加速させています。ブルーダーミュラーは、「2021年末までに、目標としている毎年20億ユーロのEBITDAへの貢献を達成できる見通しです」と述べています。2019年は約6億ユーロのEBITDAへの貢献を達成しました。発生した関連費用は約5億ユーロでした。今年はさらにプログラムを進めて、13億~15億ユーロのEBITDA増を達成できると見込んでいます。発生する関連臨時費用は、約3億~4億ユーロになると思われます。

BASFは組織の合理化も加速させました。以前、2021年末までに全世界で6,000ポジションを削減することを発表しましたが、この数字は2020年末までに達成される見込みです。昨年は3,100ポジションを全世界で削減しました。

積極的なポートフォリオ管理

BASFは数多くのポートフォリオ対策を実施してきました。Solvayからのポリアミド事業の買収は2020年1月31日付けで完了しました。同事業の購入価格は13億ユーロです。Dr. ハンス‐ウルリッヒ・エンゲルは、「BASFは補完的なポートフォリオを提供できるようになりました。地域でのプレゼンスがさらに強化され、供給安定性が向上したこととから、今回の買収はお客様にとっても大きなメリットになるでしょう」と述べています。

また、建設化学品事業を31億7千万ユーロで売却することで、Lone Star(ローン・スター)と合意に達しました。2020年第3四半期に売却を完了する予定です。さらに、全世界の顔料事業が、日本のスペシャリティ企業であるDICに11億5千万ユーロで売却されます。この取引については2020年第4四半期に完了する予定です。

さらに、昨年WintershallとDEAの合併が完了し、ヨーロッパ有数の独立系探査・生産会社が誕生しました。Wintershall Deaへの出資比率はBASFが72.7%、LetterOneが27.3 %となっています。

「順調に統合が進んでおり、2020年12月に完了する予定です。2022年には少なくとも年間2億ユーロの相乗効果を見込んでいます。市場条件によるものの、2020年下半期に新規株式公開を予定しています」とエンゲルは述べています。

バイエルの事業買収は成功

 

BASFは、アグロソリューション事業セグメントにおけるバイエルからの事業買収を成功と評価しています。エンゲルは次のように述べています。「事業統合は1年で完了しました。2019年はこれらの事業において22億ユーロの売上高を達成し、特別項目控除前EBITDAに5億ユーロ以上の貢献がありました。2025年までには、今回の買収からさらに数億ユーロの売上増を期待しています。目標の達成に向けて順調に進んでいると思います。」

BASFグループの2020年の見通し

マーティン・ブルーダーミュラーは、次のように述べています。「今年に入ってからの2か月で、世界経済は非常に不透明な状況となっています。コロナウイルスも、今年に入ってからの成長、特に中国における成長を大幅に妨げる新たな要因となっています。コロナウイルスのさらなる拡大を防ぐために様々な対策が取られ、その結果多くの産業で需要の低下や生産停止が発生しています。」

BASFは、特に2020年第1四半期と第2四半期において、コロナウイルスが世界的に多大なマイナスの影響を及ぼすと予測しています。現時点においては、世界経済に大打撃を与えるようなコロナウイルスの世界的拡散が、今年下半期まで続くことは想定していません。「しかし、コロナウイルスの影響を今年中に完全に埋め合わせることはできないでしょう」とブルーダーミュラーは述べています。

したがってBASFでは、世界経済の成長率は2%と、2019年(2.6%)よりもさらに緩やかになると予測しています。また、世界の化学品生産の成長率は1.2%と、2019年(1.8%)を大幅に下回ると予測しています。これは2008年から2009年にかけての金融危機以来、群を抜いて最も低い成長率です。

平均ブレント原油価格は、1バレル60ドル、ユーロ/ドルの平均為替レートは1ユーロ=1.15ドルになると見ています。

「依然として困難な環境が続き、多くの不確実要素があるのは確かですが、BASFは売上高を600億から630億ユーロの範囲に成長させることを目指します」とブルーダーミュラーは述べました。BASFグループの特別項目控除前営業利益は、42億から48億ユーロ(2019年は45億ユーロ)の範囲に達する見込みです。投下資本利益率(ROCE)は6.7%から7.7%(2019年は7.7%)になると予想され、資本コスト率の9%を下回る見込みです。

ブルーダーミュラーは、「顧客産業のほとんどでわずかな成長を見込んでいますが、自動車産業に関しては、生産が引き続き減少するでしょう」と述べています。BASFの2020年の見通しでは、米国と貿易相手国の貿易摩擦がこれ以上軽減されることはないが、英国のEU離脱が移行期において今以上の経済的影響をもたらすこともないと予測しています。

有機的成長に対する投資

ブルーダーミュラーは、将来的な投資の見通しにも言及しました。BASFは今後5年で、236億ユーロの資本的支出を予定しています。この3分の1以上が、2020年から2024年にかけて成長重視分野、つまり中国・広東省のフェアブント拠点とインド・ムンドラにおける化学コンプレックスという、アジアにおける大規模な2つのプロジェクトと、バッテリー材料事業に割り当てられます。

ブルーダーミュラーは、「これは特に、地域重視の変化を示しています。今後5年で、当社の投資の41%をアジア太平洋地域に、34%を欧州に割り当てる予定です」と述べました。2019年から2023年にかけての計画段階における投資の割り当ては、アジア太平洋地域に27%、欧州に43%とされていました。2020年には、合計34億ユーロ(2019年は33億ユーロ)の資本的支出(買収、IT投資、リースに関連する原状回復義務および使用権を除いた不動産、工場、設備の拡充)を予定しています。

留意事項:

2019年12月21日、BASFの建設化学品事業の譲渡譲受契約をLone Starと締結しました。これにより、BASFグループの財務報告に即時の影響が生じます。建設化学品事業本部の売上高および利益は、遡及的に2019年1月1日以降のBASFグループの売上高、EBITDA、EBITおよび特別項目控除前営業利益に含まれなくなり、過年度の数値は調整されます。事業譲渡が完了するまでは、当該事業からの利益はBASFグループの税引後利益のうちの「非継続事業からの税引後利益」として区分表示されます。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で117,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2019 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

 

将来の予測に関する記述について

本リリースにはBASF経営陣による現時点での推測および予測、ならびに現在入手可能な情報に基づく「将来の予測に関する記述」が含まれています。これらはここに記す将来の進展や業績を保証するものではなく、多くの要因に依存し、様々なリスクと不確実性を含んでいるほか、正確とは限らない仮定に基づいています。本リリースに記載された将来の予測に関する記述に関しては、BASFは更新の義務を負いません。

News Release

Last Update 2020/03/03