Trade News  |  2020年9月11日

BASF、New Energy社と廃タイヤ由来の熱分解油の購入および共同でのフィージビリティスタディに関する契約を締結

この資料は BASFとNew Energy社が 2020年9月1日にドイツとハンガリーで発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが 日本語に翻訳・編集したものです。

 

  •  廃タイヤ由来の熱分解油の供給は、BASFのChemCyclingTMプロジェクトの商業化 において重要なステップ
  • 廃タイヤ由来の熱分解油が、混合プラスチック廃棄物由来の油に次ぐ原料に
  •  New Energyの独自の熱分解技術を、その他のプラスチック廃棄物にも適用することを目標とするフィージビリティスタディを共同で実施予定

BASF SE(本社: ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン、以下「BASF」) は、廃タイヤの熱分解を専門とするテクノロジー企業、New Energy社(本社:ハンバリー ブダペスト)と購入契約を締結しました。契約では、New EnergyはBASFに対して、廃タイヤ由来の熱分解油を年間最大4,000トン供給します。パイロットフェーズにおいては、初回分の熱分解油が、BASFのドイツ ルートヴィッヒスハーフェンの統合生産拠点(フェアブント)で既に使用されています。

この契約は、BASFが使用済みのプラスチック廃棄物を産業規模でケミカルリサイクルすることに焦点を当て、2018年に開始した「ChemCyclingTM」 プロジェクトの一環です。2020年から、最初の商用製品が市場に出てています。

このプロジェクトで引き続き注力しているのは、何もしなければ埋め立てまたは焼却されることになる、混合プラスチック廃棄物の使用です。また、BASFは、廃タイヤのリサイクル率を高める機会でもあると考えています。「これまで、タイヤ由来の熱分解油をリサイクルして、高付加価値製品に応用する技術はありませんでした。原材料を廃タイヤにまで拡大することで、新たな循環価値の流れを創出することができます。さらに、BASFはChemCyclingTMプロジェクトにおいて、お客様からの要求の厳しい用途向けの高性能製品の製造に使用できる第二のリサイクル原料の供給体制を確立しています」と、BASFのChemCyclingTMプロジェクトのリーダー、Dr.クリスチャン・ラッハは述べています。廃タイヤは、ドイツ、欧州及び国際標準化機構の規格であるDIN EN ISO 14021:2016-07が定義する、使用済みプラスチック廃棄物に該当します。

BASFとNew Energyの両社は、世界的なプラスチック廃棄物問題の解決に取り組んでいます。このため、両社は、New Energyが有する独自の熱分解技術を、その他のプラスチック廃棄物のリサイクルに適応させることを目標とした、フィージビリティスタディ(実行可能性調査)の契約も締結しました。

ラッハは次のように述べています。「New Energyとの協業は、化学産業でリサイクル原料を使用したいというBASFの願いを強く示しており、プラスチックのサーキュラー・エコノミー(循環型経済)への移行に導くものです。機敏で革新的な企業とのパートナーシップは、こうした願いを達成するための鍵となります。近年パートナーシップを結んだQuantafuel社(クアンタフューエル)のデンマーク スキーベにある商業規模の工場から、間もなく混合プラスチック廃棄物由来の熱分解油が供給されます。これに加えて、New Energyというパートナーを見つけることができ、大変嬉しく思っています。」

New EnergyのCEOであるViktor Varadi氏は次のように述べています。「私たちの技術がBASFに価値を生み出し、協業を通して彼らのお客様にも価値を提供できることを誇りに思います。私たちは、10年近くかけて技術の開発と最適化に取り組み、現在、廃タイヤを二次原料化する工業規模の工場の操業に成功しています。私たちは、タイヤのサーキュラー・エコノミーをにおけるパイオニアです。私たちが目指すのは、環境への効果を定量化することです。一次化石資源の必要性を減らすということは、間違いなくこの目的を果たすことができるとともに、新たに製造される製品のカーボンフットプリントの削減にも役立つと考えています。」

BASFは、New Energyから供給された熱分解油を、ルートヴィッヒスハーフェンにある統合生産拠点(フェアブント)に投入し、化石資源の代替としています。再生原料の割合は、フェアブントで製造される一部の製品に、第三機関の監査を受けたマスバランス方式を用いて割り当てられます。こうして生まれた製品には、製品名の末尾に“CcycledTM”が付けられており、化石原料から製造された製品と全く同じ特性を持っています。これにより、従来製品と同様の加工が可能となり、自動車部品など、品質や性能に関して要求の高い用途への適用が可能となります。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で117,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2019 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

■New Energyについて

New Energyは、サーキュラー・エコノミーに関連するソリューションの開発と事業化を専門とする革新的なテクノロジー企業です。主な使命は、これまで処理不可能であったポリマー系および有機廃棄物を石油化学産業にとって有用な原料に転換することです。持続可能ではない天然資源の採取という課題に、経済的に実行可能な方法で取り組んでいます。同社は、パートナーや顧客のサーキュラー・エコノミー戦略をサポートすることができる、廃タイヤを二次原料に戻す独自の技術を開発・商品化しており、熱分解プラントの運転において十数年の経験を有しています。New Energyの戦略的事業展開についてはDBH Investment (www.dbh-group.com)を、New Energyの詳しい情報についてはwww.newenergy.huをご覧ください。

Last Update 2020年9月11日