Trade News  |  2021年1月13日

BASF、2020年の自動車のカラーレポートを発表:より幅広い色が世界の組み立てラインから誕生

この資料は BASF本社(ドイツ)が 2021年1月7日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
 
  • カラー領域の拡大により、2019年よりも全体のカラー分布が拡張
  • ブルー、レッド、イエロー、バイオレットのさまざまな色合いが、一部の地域で増加
  • カラー傾向の変化にもかかわらず、ホワイト、ブラック、シルバー、グレーはおなじみのパターンに従い、生産車の大半を占有

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)のコーティングス事業本部は、「BASF自動車用OEM塗料カラーレポート2020」を発表しました。レポートでは、自動車のカラーパレットがこれまでにない方法でシフトしていることを示し、世界中の組立ラインから生まれている幅広い有彩色を明らかにしています。

ある地域ではブルーやイエローのようなさまざまな色合いが増加している一方で、他の地域ではレッドやバイオレットが、無彩色が圧倒的に多い中で、存在感を示しています。カラー領域の拡大により、カラー分布全体が2019年よりも拡張し、輝きが増しました。

カラー傾向の変化にもかかわらず、ホワイト、ブラック、シルバー、グレーといった無彩色はおなじみのパターンをたどり、生産車の大半に塗装されています。数年前から継続して、ホワイトは今でも世界中で最も人気のある自動車のカラーです。クラシックで時代を超えた美しさがあり、環境とハイテクの両方につながります。

このレポートで引用しているデータは、過去数年に比べて自動車の総生産台数が減少していることを示しています。これには、自動車メーカーが新型コロナウイルスのために、操業停止を余儀なくされた時期も含まれます。世界的な感染は自動車業界と世界に、深い影響を及ぼしています。

欧州、中東、アフリカ(EMEA):色彩の多様性の拡大

欧州、中東、アフリカ(EMEA)は、有彩色の世界的な動きに追従しています。2020年には、欧州、中東、アフリカ(EMEA)の新車の約11%がブルーに塗装され、最も人気のある有彩色になりました。バイオレットは市場に新規参入し、多様性をさらに高めています。他の有彩色も人気を集めており、特に小型SUV市場の成長に伴い人気が高まっています。

多様性の一部は、色合いの多様性に由来します。自動車メーカーは160色以上の異なるブルーを2020年に欧州、中東、アフリカ(EMEA)の自動車に使用し、グレーは二番目に多い140色でした。どちらの色域も、70色のホワイトよりも多様でした。

無彩色では、ホワイトが依然として市場の28%で首位であり、グレーとブラックが続きます。

「カラーバリエーションは自動車のサイズによって変わります。たとえば、中型SUVに独自の特徴を与えるバイオレットは、小型や大型SUVにはあまり見られません。」とEMEAの自動車向けカラーデザイン責任者であるマーク・グートヤールは述べています。 「イエローはその逆で、非常に小型と非常に大型の両方に見られますが、中型には見られません。これらは、セグメント全体に現れたり消えたりする特定の固有なカラーの位置づけです。」

北米:予想通りに、ブルーが増加

北米の自動車購入者は有彩色の選択肢が少ないからといって、有彩色の乗用車、トラックやSUVを選択しなくなったわけではありません。北米では、自動車カラーとしてブルーがレッドを抜いて人気を集めた一方で、ベージュとブラウンはリストから消えました。そのため、この地域では、他の有彩色として一定量残っているのはグリーンのみです。

ブルーの色合いはよりエレガントであると見なされ、これまでベージュやブラウンを選んでいたであろう購入者は、ブルーやグレーに移行しているようです。BASFのデザイナーたちは、このようなことが起こることを予測していました。2016年にはすでに、ブルーについて、「今後数年で市場シェアを獲得する自動車業界の主要なカラーの方向性」と表現しました。自動車のデザイナーは、カラーを開発する際に3~4年先のモデルを見据えることが多く、市場は予測どおりに展開しています。

「私たちが目にしている鮮やかな色には、興奮することがたくさんあります。」と南北アメリカのデザイン責任者であるポール・チョーニーは述べています。「3~4年前に予測したように、ブルーは脚光を浴びています。私たちは、この重要なデザイン領域で、色相と質感の可能性を高めるいくつかの美しいエフェクトと顔料を使用しています。」

アジア太平洋:ブラックとグレーの増加と、鮮やかなカラーの出現

アジア太平洋地域は、世界最大の自動車生産量を誇り、世界的なカラー人気の縮図です。それぞれの地域で異なる一方で、アジア太平洋地域の好みは世界的なデータを反映しており、その鮮やかな色は有彩色に他の地域で起きていることをを反映しています。

ホワイトは今でもこの地域で最も人気のあるカラーで、生産される自動車の約48%に塗装されています。ブラックとグレーは、ホワイトの優位性を侵食する3年間のトレンドを経て上昇し続けています。

総数はそれほど多くはないものの、ブラウン、グリーン、バイオレットの人気は一貫しています。これらのカラーが、最も人気のあるホワイトに挑むまでには長い時間がかかりますが、現在のところ、これらがアジア太平洋地域のカラーに圧倒的な多様性をもたらしています。

「アジア太平洋地域の人々は、自分の自動車のカラーを選ぶことを本当に楽しんでいます。カラーは非常に人間主体なものであり、柔軟で、自由で、地域とその人々の多様性を表しています。」と、アジア・パシフィックのデザイン責任者、松原千春は述べています。

南米:保守的な消費者はより保守的なカラーを選択

世界の他の地域で非常に人気のあるレッドやブルーのような色は、南米では、特にスポーティーな自動車で個性を表現しようとしている自動車購入者の間では、依然として特別なカラーです。さらに重要なのは、市場が無彩色を好むことです。

歴史的に、南米の自動車購入者は、より伝統的で派手さのないカラーを選んできました。他の地域と同様、ホワイトが圧倒的に人気で、OEM車の約39%を占めています。グレーとシルバーの人気は他の地域よりも高く、それぞれ18%です。無彩色の中で最も人気のないブラックは12%です。無彩色は全体で87%を占めています。

他の地域とは異なり、有彩色の首位として際立つレッドは9%です。さまざまな色合いのブルーは世界中で人気ですが、南米ではブルーは市場の2%にすぎません。オレンジは新たに出現しましたが、ブラウンは安定し、ベージュはほとんどなくなっています。

「世界の他の地域で流行している傾向に、南米は遅れています。ここは文化的に色とりどりの面がある大陸ですが、人々は自動車に関してはより保守的になる傾向があります。」と、南米自動車塗料の地域ビジネス・マネジメント担当ディレクター、マルコス・フェルナンデスは述べています。

BASF 自動車用OEM塗料カラーレポートは、BASFのコーティングス事業部が2020年の世界の自動車生産と乗用車への塗料適用に基づいて作成したデータ分析です。
日本の状況を含む「BASF自動車用OEM塗料カラーレポート2020」についてはhttps://www.basf.com/jp/documents/ja/news-and-media/news-releases/2021/BASF_Color_Report_2020_Press_Kit_JP.pdfをご覧ください。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFのコーティングス事業本部について

BASFのコーティングス事業本部は、革新的な自動車用塗料、自動車補修用塗料、装飾用塗料、メタル、プラスチック、ガラス基板など幅広い産業での表面処理およびそれらの応用に必要なプロセスの開発、生産、販売を行っています。これらのポートフォリオは、新しい市場や事業開発を目指すInnovation Beyond Paint(塗料を超えたイノベーション)プログラムによって提供してまいります。BASFは、ヨーロッパ、北米、南米、アジア太平洋に拠点があります。広範なネットワークを通じて、世界中のお客様と緊密に連携しています。2019年におけるBASFコーティングス事業部の世界の売上高は37.5億ユーロでした。Solutions beyond your imagination(想像をはるかに超えたソリューション)。BASFコーティングスの詳細情報はwww.basf-coatings.com (英語)、www.basf.co.jp/coatings(日本語)をご覧ください。

BASFについて

BASFでは、持続可能な未来のために化学を創造しています。私たちは経済的成功と環境保護と社会的責任を結合する。BASFグループでは、117,000人を超える従業員が、世界中のほぼすべてのセクターおよびほぼすべての国において、お客様の成功に貢献しています。当社のポートフォリオは、化学、材料、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア アグロソリューションの六つのセグメントで構成されています。BASFの2019年の売上は、590億ユーロでした。BASF株式は、フランクフルト (BAS) の証券取引所、および米国の米国預託証券 (BASFY) で取引されています。詳細については、www.basf.comを参照してください。

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Last Update 2021年1月13日