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Business & Financial News  |  2021年4月2日
日本

BASF、クライメート・ニュートラル(気候中立)へのロードマップを提示

  • 2050年※1までに全世界のCO 2排出量実質ゼロを目標とする
  • 2030年までにCO 2排出量を25%削減
  • 2030年までに最大40億ユーロを投資 

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)はこのほど、さらに野心的な気候目標を設定しました。2050年までにCO2排出量実質ゼロ(ネット・ゼロ)の達成を目指します。また、直近のCO2低排出技術やCO2フリー技術の開発の進展に基づき、2030年の中期温室効果ガス排出削減目標を大幅に引き上げ、世界全体の温室効果ガス排出量を2018年比で25%削減することを目指します。これは、今後目指している成長と、中国南部に建設中の大規模なフェアブント拠点(統合生産拠点)を考慮した上での目標です。これらの今後の成長による効果を除くと、既存事業のCO2排出量を10年後までに半減させることになります。新たな気候目標を達成するため、BASFは2025年までに最大10億ユーロを投資し、2030年までにさらに20億ユーロから30億ユーロを投資する計画です。

2018年のBASFグループの全世界での排出量は、CO2換算で2,190万 トンでした。1990年には、この約2倍の排出量がありました。今回新たに掲げた2030年の排出目標は、1990年比で約60%の削減となり、欧州連合 (EU) が目標に掲げているマイナス55%を上回ります。BASF 取締役会会長のDr. マーティン・ブルーダーミュラーは次のように述べています。「新しい気候目標は、パリ協定に対するBASFの決意とコミットメントを明確に示しています。気候変動は21世紀最大の課題です。これに対応するため、私たちはプロセスや製品ポートフォリオを適応させなければなりません。そして今、この 変革を加速させる必要があり、まずは最初の一歩に注力しなければなりません。BASFが再生可能エネルギーの利用を増やす理由はそこにあります。また、CO2フリーの化学品製造プロセスの開発・展開を加速します。BASF製品のカーボンフットプリントをバリューチェーン全体で体系的かつ段階的に削減することを目標とした透明性と提案により、私たちはあらゆる業界のお客様が、彼らの自社製品のカーボンフットプリントを削減できるよう支援します。」

BASF、化石燃料の使用を新技術で代替

2050年までにCO2排出量を実質ゼロにするという長期的な移行の中核となるのが、天然ガスなどの化石燃料を再生可能エネルギー由来の電力に置き換える新技術の利用です。こうした技術の大半は、BASFがパートナーと協力して開拓しており、現在は試験段階にあります。これらの技術の大規模なスケールアップが完全に実現されるのは2030年以降になります。それまでにもCO2排出削減を加速するため、BASFは既存の生産工場において、体系的に、プロセスの改善に継続的に取り組んでいます。さらに、BASFは電力需要を満たすために自然エネルギー源への移行を進めており、これを促進するために風力発電施設への投資も計画しています。

現在BASFが開発している最も重要な新技術の一つが、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどの基礎化学品の製造に用いる電気加熱式スチームクラッカーです。  これらの化学物質は多くの化学品の構成要素であり、製造に不可欠です。また、水素も多くの化学品製造プロセスの重要な原料です。BASFでは、CO2フリーの水素製造を実現するために、商用化されている水電解法と、BASFが新規プロセス技術を開発したメタン熱分解法の2つのプロセスを並行して進めています。エネルギー効率を向上させるもう一つの重要な手段は、廃熱からCO2フリーの蒸気を生産するための電気ヒートポンプの利用です。BASFは、シーメンス・エナジーと協力してこの技術を徐々に産業規模に拡大し、工場全体の廃熱回収に利用することを目指しています。

BASFは、このようなクライメート・ニュートラルな製造プロセスへの転換により、今後10年間で、最大の生産拠点であるルートヴィッヒスハーフェンを含む主要拠点の電力需要が急増すると予測しています。2035年頃から、BASFグループ全体の電力需要は、現在の3倍以上になる見込みです。

「そのためには、新たな生産工場の開発・建設のための投資が必要です。化学品製造における転換は、大量の再生可能電力を競争力のある価格で確実に利用できることが前提となります。現時点では、ドイツはそのような状況にありません。BASFは、自社の需要を満たすため、自然エネルギー発電設備への投資を目指しています。この変革を経済的に実現可能にするためには、規制の枠組み条件も重要です」とブルーダーミュラーは述べています。

BASFが取り組む主要プロジェクト

再生可能エネルギーへの投資計画に加えて、BASFは多くのプロジェクトを進めています。

  • BASFはSABIC、Lindeとともに、世界初の電気加熱式スチームクラッカー用パイロット炉の実現に取り組んでいます。従来のクラッカーに比べ、ほぼCO2フリーで基礎化学品の製造が可能になります。必要な資金が得られれば、早ければ2023年にもパイロットプラントの運転開始を予定しています。
  • BASFは天然ガスからCO2フリーで水素を製造するためのメタン熱分解技術を開発しています。他のエミッションフリーの水素製造プロセスと比較して、メタン熱分解に必要な電気エネルギーは約5分の1です。ルートヴィッヒスハーフェンではパイロット炉が建設され、運転を開始しています。このプロジェクトの資金は、ドイツ連邦教育研究省から提供されました。
  • BASFは、シーメンス・エナジーと共同で、ルートヴィッヒスハーフェン工場において、水と電気からCO2フリーで水素を製造する、出力50メガワットのPEM (プロトン交換膜)水電解システムの構築の可能性を検討しています。このCO2フリーの水素は、主にフェアブント(統合生産)の原料として使用されますが、一部は、BASFドイツ本社のあるライン・ネッカー地域におけるモビリティ市場の立ち上げを支援するためにも使用されます。
  • アントワープ工場において、BASFは北海で行われている最大規模の炭素回収と貯蔵 (CCS) プロジェクトの一つに投資することを計画しています。コンソーシアム「Antwerp@C」のパートナーと協力することで、基礎化学品の製造に伴う年間100万 トンを超えるCO2排出量を回避する機会が生まれます。最終的な投資の決定は2022年を目標としています。

維持されるべき競争力

BASFは、長期的な戦略的必要性と技術的実現可能性を確信しているため、2050年 までにクライメート・ニュートラルを達成するという野心的な目標を設定しました。しかし、新しいテクノロジーのほとんどは、今日のフレームワークの条件下ではまだ競争力がありません。既存の効率性の高い生産プロセスを新しい工場に置き換えるには、大きな 資本を要するため、BASFはIPCEI(欧州共通利益に適合する重要プロジェクト)のような欧州および各国のプログラムから資金を確保しようと努めています。

「この100年に一度の変革を経済的に成功させるため、最終的には全ての関係者が協力し合うことになると確信しています。また、バリューチェーン全体で、消費者がCO2フリー製品の価格上昇を受け入れ、運用コストの上昇や追加投資を相殺することになるでしょう。そのためには、産業界と政策立案者が協力して、成果を重視した前向きな規制を導入し、国際競争力を維持する必要があります」と、ブルーダーミュラーは述べています。

※1 BASFグループのスコープ1およびスコープ2排出量に基づいており、その他の温室効果ガスは、温室効果ガス議定書に従ってCO 2換算しています。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で110,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2020 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

 

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Around 200 production plants at the site produce numerous products for customers from virtually every industry.
ドイツ・ルートヴィッヒスハーフェンのフェアブント拠点(統合生産拠点)
Last Update 2021年4月2日