Trade News  |  2021年11月26日

射出成形品のマーブリング模様を可能にするウルトラゾーン®

この資料はBASF本社(ドイツ)が2021年10月5日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

 

  • 射出成形品において、初めてマーブル模様の再現が可能に
  • BASFのポリアリールエーテルスルホンが、家電製品、食器や容器類、ビジュアルパーツなどに無限のカラーバリエーションを提供

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、特許出願中の技術により、ポリアリールエーテルスルホンであるウルトラゾーン®(Ultrason®)を使用したマーブル模様の製品を、一般的な射出成形で製造することを実現させました。この着色技術により、家電製品、食器や容器類、ビジュアルパーツなどに無限のカラーバリエーションを提供し、色の濃淡や縞模様などの表面効果の再現が初めて可能になりました。射出成形された製品は、外観は似ていても全く同じというわけではありません。この技術は、射出成形グレードでもあるウルトラゾーン® E(PESU:ポリエーテルスルホン)およびウルトラゾーン® P(PPSU:ポリフェニルスルホン)での実績があり、ウルトラゾーン®がもつ優れた機械特性、耐熱性、耐薬品性を備え、さらに食品接触に対する規則にも適合したユニークな製品を製造することができます。

BASF本社のパイロットプラントで開発された新しいプロセスにより、新型ノズルインサートと特殊な注入技術を用いることで、射出成形機でのマーブル模様の製品製造が従来よりも容易になり、プロセス信頼性も向上しました。はちみつのような色合いを持つウルトラゾーン®は、淡い色合いのほか、木や大理石といった天然素材のような、単色ベタ塗りによる抽象的なパターンにも適しています。

「プラスチックの世界では、マーブル効果は常に目を引くものです。従来、このような効果は複雑な2つのコンポーネントからなる射出成形でしか得られず、再現性も保証されていませんでした。今回のマーブリング技術によって、ウルトラゾーン®の多彩なデザインの可能性に新たな着色方法を加えることができました。射出成形機の温度を適切にコントロールすることで、ウルトラゾーン® Pおよびウルトラゾーン® Eの射出成形グレードでは、魅力ある高コントラストのパターンが可能になります。これまでの実績では、透明、半透明はもちろんのこと、無彩色の製品も成形することができました」とBASFのグローバル ビジネス ディベロップメント ウルトラゾーン®担当者、ゲオルク・グレッセルは述べています。

ウルトラゾーン®で製造されたマーブル模様の製品は、180℃までの過熱蒸気耐性、広い温度範囲における優れた強度と靭性、工業用洗浄剤に対する卓越した耐性および、繰り返し行われる滅菌処理への耐性を備えており、ボウル、カップ、皿、調理器具などの家庭用品や、電子レンジでの使用など、様々な用途で使用可能です。さらに、
ウルトラゾーン®は、EUと米国の食品接触規制にも適合しています。また、メガネフレームやハンドル、電気・電子機器のビジュアル製品、装飾パネルやカバーなどにもマーブル効果を出すことができます。

このBASFのプロセスによるマーブリングは、可塑化ユニットとオープンノズルをひとつしか備えていない一般的な射出成形機でも可能ですが、プレカラー基材と高コントラストのカラーマスターバッチを、射出成形サイクルに同時に供給する必要があります。3Dプリンター製のノズルインサートを使用して樹脂の流れを分離したり結合したりすることにより、成形品のパターンが作られます。このインサートは、従来のプロセスでは難しかったミラーイメージのパターンだけでなく、回転対称のパターンも作成できるため、デザインの自由度が高くなります。ほかにも、ノズル設計、金型のゲートシステム、ゲートの位置、金型充填時の樹脂の流動挙動などによって、様々なパターンデザインが可能になります。BASFのこの新しい技術は、PESUとPPSUのほか、ウルトラゾーン® S(PSU:ポリスルホン)などの熱可塑性樹脂にも適しています。

ウルトラゾーン®は、PESU、PSU、PPSUを含む、BASFのスルホン系樹脂製品群の登録商標です。この高性能素材は、電子機器、自動車、航空宇宙産業で使用される軽量部品のほか、ろ過用メンブレンや、熱湯や食品と接する部品にも使用されています。ウルトラゾーン®ブランドは、その優れた特性により、熱硬化性樹脂、金属、セラミックの代替として利用することができます。

詳細につきましては、www.ultrason.basf.com(英語)ご覧ください。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部について

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2020年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、56.3億ユーロを達成しました。詳細に関しては、www.plastics.basf.comをご覧ください。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で110,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2020 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、http://www.basf.comをご覧ください。

 

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Last Update 2021年11月26日