Business & Financial News  |  2022年5月9日

BASF、2022年第1四半期においてエネルギーや原材料価格の急騰にもかかわらず、堅調な特別項目控除前営業利益を達成

この資料は BASF本社(ドイツ)が 2022年4月29日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

  • 売上高は231億ユーロ(前年同期比19%増)
  • 特別項目控除前営業利益は28億ユーロ(前年同期比21%増)
  • 2022年2月25日に発表の2022事業年度見通しを維持

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)はこのほど、2022年第1四半期の業績を発表しました。2022年第1四半期は、エネルギー価格や原材料価格の急騰に加え、サプライチェーンの混乱が顕著でした。オンラインで行われた今年の年次株主総会で、BASF取締役会会長Dr. マーティン・ブルーダーミュラーは、「この状況にもかかわらず、2022年は非常に良いスタートを切ることができました」と述べています。BASFは2022年4月11日に速報値を発表済みです。

売上高は前年同期比37億ユーロ増の231億ユーロとなりました。この増収は主に、ケミカル事業セグメントおよびマテリアル事業セグメントでの販売価格上昇によるものです。すべての事業セグメントで為替のプラス効果が見られ、増収を支えました。全体として販売量が若干減少したことが、その効果を相殺しました。アグロソリューション事業セグメント、インダストリアル・ソリューション事業セグメント、マテリアル事業セグメント、ニュートリション&ケア事業セグメント、ケミカル事業セグメントで販売量が増加しましたが、サーフェステクノロジー事業セグメントの販売量減少を十分に補うことができませんでした。

 

特別項目控除前営業利益は4億97百万ユーロ増加し、28億ユーロとなりました。これは主に、ケミカル事業セグメントの大幅増益によるものです。インダストリアル・ソリューションズ事業セグメント、マテリアル事業セグメント、ニュートリション&ケア事業セグメントにおいても、 特別項目控除前営業利益は大きく増加しました。アグロソリューション事業セグメントの特別項目控除前営業利益はわずかな増加でした。サーフェステクノロジー事業セグメントの特別項目控除前営業利益は、主に自動車産業の需要が大幅に減少したことにより、大きく落ち込みました。

EBIT(営業利益)は前年同期比4億74百万ユーロ増の、28億ユーロとなりました。純利益は前年同期の17億ユーロに対し、12億ユーロでした。これはWintershall Deaが認識した減損費用のためで、BASFはこれを約11億ユーロの特別費用として、株式保有による純利益に比例配分(72.7%)して計上しました。こうした減損の引き金となったのは、ロシアのウクライナ情勢と関連する政治的影響、ならびにノルドストリーム2に対する貸付金、ロシアにおける資産およびガス輸送(ガスパイプライン)事業資産です。

2022年第1四半期の営業活動によるキャッシュフローは改善

営業活動によるキャッシュフローはマイナス2億90百万ユーロで、前年同期比2億35百万ユーロの改善でした。投入コストの増加と売上の急増により正味運転資本にかかる現金が増加したものの、主に業績の向上により、今回の改善につながりました。フリー・キャッシュ
フローは88百万ユーロ改善し、マイナス8億93百万ユーロでした。

1株当たり3.40ユーロの配当を提案

BASF取締役会および監査役会は、2021年事業年度について、1株当たり3.40ユーロの配当を、年次株主総会で提案します。株主総会でこの案が決議されれば、総額約31億
ユーロを2022年5月4日に配当することとなります。「この配当は、2021年に得られた37億
ユーロの強力なフリー・キャッシュフローで十分賄えます」とブルーダーミュラーは述べています。配当額を株価に反映させずにBASFの株式が取引される日である権利落ち日は、2022年5月2日です。

BASFグループの2022年の見通し

現在、世界のマクロ経済の見通しは、極めて不透明な状況に左右されます。特に、ウクライナ情勢の今後の展開、およびエネルギーや原材料について価格や調達への影響を予測することは不可能です。従って、BASFは2022事業年度のマクロ経済に関する当社予測を維持します。

  • GDP成長率:3.8%
  • 工業生産成長率:3.8 %
  • 化学品生産成長率:3.5%
  • ユーロ/ドル平均為替レート:1ユーロ=1.15ドル
  • 年平均ブレント原油価格:1バレル=75ドル

BASFグループの2022事業年度の売上高・利益予測については、BASF Report 2021(統合報告書)の数値を維持します。

  • 売上高:740億~770億ユーロ
  • 特別項目控除前営業利益:66億~72億ユーロ
  • 投下資本利益率(ROCE):11.4%~12.6%
  • 二酸化炭素排出量:1,960 万トン~2,060 万トン

市場環境は、極めて高いレベルの不確実性が続いています。原材料価格のさらなる上昇や天然ガス禁輸など新たな対ロ制裁、あるいは対ロ制裁の対抗措置としてロシアからのガス供給が制限されることによる、リスクが懸念されます。さらに、新型コロナウイルスの今後の流行状況や、特に中国における感染者数抑制のための長期的な対策や、新たな対策に起因するリスクも考えられます。ただし、高い利益率の継続によるチャンスも考えられます。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約110,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2021年のBASFの売上高は786億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

 

将来の予測に関する記述について

本リリースにはBASF経営陣による現時点での推測および予測、ならびに現在入手可能な情報に基づく「将来の予測に関する記述」が含まれています。これらはここに記す将来の進展や業績を保証するものではなく、多くの要因に依存し、様々なリスクと不確実性を含んでいるほか、正確とは限らない仮定に基づいています。本リリースに記載された将来の予測に関する記述に関しては、BASFは更新の義務を負いません。

 

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Last Update 2022年5月9日