Trade News  |  2022年5月31日

BASF、腐食しない安定した電子部品用の新たな難燃性ポリフタルアミドの提供を開始

この資料はBASFが2022年4月26日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

 

  • EN 50642に準拠したハロゲンフリーでありながら、高い電気的RTIを示すポリフタルアミド化合物
  • 自動車、電化製品、家電製品のコネクター向けの電気・電子ポートフォリオ

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、高い熱安定性と優れた電気絶縁性、低吸水性を兼ね備えた様々な難燃グレードを、ポリフタルアミド(PPA)のポートフォリオに加えました。これらのグレードは、EN 50642 「欧州の環境規格」 に準拠したハロゲンフリーでありながら、140℃以上の高い電気的RTI(Relative Thermal Index、相対温度指数)を特徴としており、湿潤条件下での使用における電気部品の腐食や故障を防ぎます。PA9T、PA66/6T、PA6T/66、PA6T/6をベースとした非ハロゲンPPAは、着色性の向上と長期の色安定性を実現します。こうした新たな難燃グレードとともに、BASFは自動車、電化製品、家電製品の電力・データ伝送用コネクターや、e-モビリティの部品、小型サーキットブレーカー、スイッチギア、センサーなどの用途に新たな可能性を開く、独自の電気・電子ポートフォリオを提供します。

4つの新たなPPAグレードすべてのUL*イエローカードにおいて、優れた電気的RTIが認定されており、様々な部品要件に応じた多様な性能レベルを提供します。グローバルPPA事業を率いるアブドゥラ・シャイフは、次のように述べています。「最適化された新たなグレードにより、当社の幅広いPPA FR (難燃系) ポートフォリオを、電気・電子材料に関するお客様のあらゆるニーズに対応するワンストップショップに発展させることができました。また、非ハロゲン系難燃剤を使用し、市場標準を上回るRTIを備えたグレードまで、従来の電気・電子部品に安定した熱的・機械的性能を備えるPPAを提供します。私たちはこのような形で、熱や湿気にさらされる繊細な部品の接触腐食の防止に用いられるハロゲンフリーの熱安定剤などの、新しいトレンドに対応しています。当社の材料によって、電気・電子機器は故障せずに、確実に長期にわたり正常に動作します。」

最高の電気的RTIを備えるUltramid® One Jを世界的に提供

この製品群には、Solvayから取得したPA66/6Tである、加工が容易なUltramid® One J 60X1 V30が含まれており、現在BASFから全世界のお客様に提供されています。PPAのパイオニアである Ultramid® TKR 4340G6 (PA6T/6)とともに、160℃の最高の電気的RTIと非常に優れた加工性を提供します。PA9T Ultramid® Advanced(ウルトラミッド アドバンスト) N3U41G6は、SMT(Surface Mount Technology、表面実装技術)加工において重要な超低吸水性を実現し、電気的RTIは150℃です。良質な耐薬品性と、高温下においてPPAの中で最も安定した機械的性能を併せ持つことから、特に電子機器への使用に適しています。Ultramid® Advanced T2340G6は高性能な流動性を持つPA6T/66で、電気的RTIは150℃であり、電線対基板や基板対基板コネクターなどに最適です。

PPA製品群の難燃性材料はすべて、高温下でも高い機械的強度と誘電強度を維持します。また、低吸水性と吸水速度が遅いことや、熱膨張係数が低いことから、非常に優れた寸法安定性を示します。厚さ0.4mm未満の試験片でV-0の評価を実現し、ケーブル管理規格CMS EN 50654(2018-05)に適合しています。このように、難燃性PPAグレードは、熱老化や長期使用後も機械的・電気的特性を維持し、電気・電子部品にメリットをもたらします。

Ultramid® Advancedについて

BASFのPPA製品群は、Ultramid® Advanced N(PA9T)、Ultramid® Advanced T 1000(PA6T/6I)、Ultramid® Advanced T 2000(PA6T/66)、および長年の実績を持つUltramid® TKR(PA6T/6)によって構成されています。自動車産業や電機電子産業、機械工学、消費財など多様な分野において、軽量で高性能な次世代プラスチック部品の可能性を広げます。PPAの製品群は世界各国で販売されており、BASFのシミュレーションツール、Ultrasim®とアプリケーション開発における豊富な経験に基づき、射出成形や押出成形用に50以上の配合グレードがあります。難燃剤の有無や、様々な熱安定剤、無着色からレーザーマーキング可能な黒色などの色味や、短繊維ガラス、長繊維ガラスまたはミネラル由来の繊維など、各種強化材から選択可能です。

BASFのPPAソリューションの詳細については、www.ppa.basf.com(英語)をご覧ください。

*ULは、認証、試験、検査等を提供する世界的な第三者安全科学機関です。イエローカードは、プラスチック製品の性能についてのUL認定を証明するものです。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部について

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2021年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、世界で72.9億ユーロの売上高を達成しました。詳細に関しては、www.plastics.basf.comをご覧ください。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約110,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2021年のBASFの売上高は786億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、http://www.basf.comをご覧ください。

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Last Update 2022年5月31日