Business & Financial News  |  2022年10月28日

BASF、原材料やエネルギー価格の高騰が続くなか、2022年第3四半期は堅調な特別項目控除前営業利益を達成

この資料はBASF本社(ドイツ)が2022年10月26日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

 

  • 売上高は前年同期比12%増の219億ユーロ
  • 特別項目控除前営業利益 は、前年同期比5億17百万ユーロ減の13億ユーロ
  • 川下の事業セグメントでは大幅な増益、ケミカル事業セグメント、マテリアル事業

セグメントでは大幅な減益

  • 営業活動によるキャッシュフローは、前年同期の19億ユーロから23億ユーロに増加
  • 2022年の見通しは変更なし:売上高は860億~890億ユーロ、特別項目控除前 
    営業利益は68億~72億ユーロを見込む

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)はこのほど、2022年第3四半期の業績を発表しました。BASF取締役会会長Dr. マーティン・ブルーダーミュラーは、最高財務責任者(CFO)のDr. ハンス-ウルリッヒ・エンゲルとともに決算発表を行い、「原材料やエネルギー価格の高騰が続きましたが、第3四半期の利益は堅調でした」と述べました。

売上高は前年同期比12%増の219億ユーロでした。この増収の主な要因は、ほぼすべての事業セグメントで販売価格が大幅に上昇したことです。貴金属価格の下落により、
サーフェステクノロジー事業セグメントのみ、価格水準が低下しました。すべての事業セグメントで、為替のプラス効果が見られ、ポートフォリオ効果も増収につながりました。一方、アグロソリューション事業セグメントを除くすべての事業セグメントで販売量が減少し、売上高の伸びが著しく鈍化しました。特別項目控除前営業利益は、前年同期比5億17百万ユーロ減の13億ユーロとなりました。「川下事業であるサーフェステクノロジー事業セグメント、アグロソリューション事業セグメント、ニュートリション&ケア事業セグメント、インダストリアル・ソリューション事業セグメントは大幅な増益となりました」とブルーダーミュラーは述べています。一方、ケミカル事業セグメントおよびマテリアル事業セグメントでは、非常に高水準だった前年同期から大幅減益となりました。

EBIT(営業利益)は13億ユーロと、前年同期(18億ユーロ)を大幅に下回りました。この数字には、持分法適用会社の利益が含まれており、主に中国、南京のBASF-YPCの利益が減少したことから、持分法適法会社の利益は1億24百万ユーロ減少し、76百万
ユーロとなりました。

減価償却費および特別項目控除前営業利益(特別項目控除前EBITDA)は、前年同期比4億46百万ユーロ減の23億ユーロ、EBITDAは4億74百万ユーロ減の23億ユーロでした。

株式保有による純利益は、前年同期比16百万ユーロ増の1億2百万ユーロでした。不可分でない持分法適用会社の利益には、BASFがWintershall Deaを通じて間接的に権益を保有する、ノルドストリーム 1パイプラインの損害に関連して計上した減損の特別費用約7億40百万ユーロが含まれています。BASFに帰属するWintershall Deaの営業実績(税引後)は、前年同期比5億33百万ユーロ増の6億30百万ユーロでした。

以上の結果、2022年第3四半期の税引前利益は前年同期から5億38百万ユーロ減少し、12億ユーロでした。純利益は、前年同期比3億44百万ユーロ減の9億9百万ユーロでした。

営業活動によるキャッシュフローは、前年同期比4億5百万ユーロ増の23億ユーロでした。フリー・キャッシュフローは、前年同期比2億18百万ユーロ増の13億ユーロでした。

年間5億ユーロのコスト削減計画を発表

2022年10月12日に速報値を発表した際、BASFはコスト削減計画も発表しました。コスト削減策は2024年末まで実施する予定です。この計画の完了時には、年間5億ユーロのコスト削減が見込まれています。

今回の計画についてブルーダーミュラーは、欧州とドイツにおける利益の落ち込みと、厳しい枠組み条件への対応であるとしており、「第一に、欧州の化学品市場はここ10年、低成長が続いています。第二に、今年に入ってからの天然ガスと電力の大幅な値上がりが、化学品のバリューチェーンを圧迫しています」と述べています。2022年1~9月のBASFの欧州拠点における天然ガスの追加コストは、前年同期比で約22億ユーロにのぼります。「さらに、EUが計画する膨大な数の規制による不確実性が、化学産業に重くのしかかっており、こうした欧州の厳しい枠組み条件が製造業者の国際競争力を危うくしています。私たちはできるだけ早く、恒久的にコスト構造を修正する必要があり、企業としてすぐに行動を起こさなければなりません。このコスト削減計画は、ドイツと欧州における当社の中長期的な競争力を維持することを目的としています。従業員、株主、社会に対する責任を果たすために、私たちは断固たる行動を取る必要があります」とブルーダーミュラーは述べています。

BASFグループ2022年の見通し

2022年第3四半期、世界の経済活動は予想以上に大きく縮小しました。そのため、BASFは 2022年の世界経済環境に関する予測を、以下の通り修正します(数値は0.5単位へ丸め、カッコ内は2022年上半期財務報告で発表した数値)。

  • GDP成長率: +2.5%(+2.5%)
  • 工業生産成長率: +2.5%(+3.0%)
  • 化学品生産成長率: +2.0%(+2.5%)
  • ユーロ/ドル平均為替レート: 1ユーロ=1.05ドル(1ユーロ=1.07ドル)
  • 年平均ブレント原油価格:1バレル=100ドル(1 バレル=110ドル)

2022年第3四半期以降経済環境が大幅に悪化していますが、2022年上半期財務報告で発表したBASFグループの2022事業年度の見通しに変更はありません。

  • 売上高:860億~890億ユーロ
  • 特別項目控除前営業利益:68億~72億ユーロ
  • 投下資本利益率(ROCE):10.5%~11.0%
  • 二酸化炭素排出量:1,840 万トン~1,940 万トン

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約110,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2021年のBASFの売上高は786億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。

 

将来の予測に関する記述について

本リリースにはBASF経営陣による現時点での推測および予測、ならびに現在入手可能な情報に基づく「将来の予測に関する記述」が含まれています。これらはここに記す将来の進展や業績を保証するものではなく、多くの要因に依存し、様々なリスクと不確実性を含んでいるほか、正確とは限らない仮定に基づいています。本リリースに記載された将来の予測に関する記述に関しては、BASFは更新の義務を負いま
せん。

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Last Update 2022年10月28日