Business & Financial News  |  2023年5月8日

BASFグループ2023年第1四半期:

BASF、停滞する状況下でも2023年は予想を上回るスタート

この資料はBASF本社(ドイツ)が2023年4月27日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
 
  • 売上高は200億ユーロ(前年同期比13.4%減)
  • 特別項目控除前営業利益はアナリストの予想平均を大きく上回る19億ユーロ
    (同31.5%減)
  • 2023事業年度見通しは2023年2月24日の発表内容を維持

 

BASF(本社:ドイツルートヴィッヒスハーフェン)はこのほど、2023年第1四半期の業績を発表しました。BASF取締役会会長Dr.マーティン・ブルーダーミュラーは、「停滞する厳しい経済状況の中、2023年のBASFはアナリストの予想を上回るスタートを切りました」と述べています。BASF内で農業および自動車産業を顧客とする事業が、これに大きく貢献しました。BASFグループは4月12日、売上高および利益に関する主要な速報値を発表済みでしたが、4月27日、2023年第1四半期の決算報告を発表しました。
また、新型コロナウイルスの拡大によりオンライン開催が3回続いた年次株主総会を、今回はマンハイムのコングレスセンター・ローゼンガルテンにて対面式で実施しました。

2023年第1四半期における売上高と利益の推移

BASFグループの2023年第1四半期売上高は、前年同期比31億ユーロ減の200億ユーロとなりました。これは主に、需要減によりほぼ全ての事業セグメントで販売量が減少したことによるものです。また、販売価格が若干下落したことも売上高の減少につながりました。アグロソリューション事業セグメント、ニュートリション&ケア事業セグメント、インダストリアル・ソリューション事業セグメントにおいて価格が上昇したものの、他の事業セグメントにおける価格下落を完全に相殺することはできませんでした。インダストリアル・ソリューション事業セグメントのカオリン鉱物事業売却に伴うポートフォリオのマイナス効果も、売上高をわずかに押し下げました。一方、為替が主に米ドルに関して若干プラスに作用したことで、相殺効果がありました。

特別項目控除前営業利益は19億ユーロで、好調だった前年同期から8億87百万ユーロ減となりました。こうした利益推移は、主にケミカル事業セグメントおよびマテリアル事業セグメントの利益貢献が大幅に減少したことによるものです。ニュートリション&ケア事業セグメントおよびインダストリアル・ソリューション事業セグメントも特別項目控除前営業利益が大幅減、サーフェステクノロジー事業セグメントでは微減でした。対照的に、アグロソリューション事業セグメントは大幅増益を達成し、特別損益控除前営業利益は、前年同期の8億68百万ユーロに対し、13億ユーロとなりました。「その他」に分類される事業の特別項目控除前営業利益も大幅に改善しました。

EBIT(営業利益)は、前年同期比9億18百万ユーロ減の19億ユーロでした。減価償却費および特別項目控除前営業利益(特別項目控除前EBITDA)は前年同期比8億78百万ユーロ減の29億ユーロ、EBITDAは同8億98百万ユーロ減の28億ユーロでした。

純利益は16億ユーロで、前年同期比3億40百万ユーロ増でした。前年同期においては保有するWintershall Dea AG株式の減損が純利益を押し下げていたことによります。当四半期の1株当たり利益は前年同期の1.34ユーロに対し、1.75ユーロとなりました。

2022事業年度は1株当たり3.40ユーロの配当を提案

BASF取締役会および監査役会は年次株主総会において、前年度同様1株当たり3.40ユーロの配当を提案します。当社株式は2022年末の株価に基づくと、約7.3%という高い配当利回りを提供します。年次株主総会の開催日である2023年4月27日時点でBASFの株式を保有する全株主が、配当を受け取る権利を有します。年次株主総会で承認されれば、BASFは2023年5月3日に総額30億ユーロを株主の皆様へお支払いすることになります。「この金額は、2022年のフリー・キャッシュフロー33億ユーロで十分支払可能です」と、ブルーダーミュラーは述べています。

BASFグループ、2023年の見通し

BASFグループの売上高、利益、投下資本利益率(ROCE)、二酸化炭素排出量に関する予測については、BASF Report 2022(統合報告書)の数値を維持します。

  • 売上高:840億~870億ユーロ
  • 特別項目控除前営業利益:48億~54億ユーロ
  • 投下資本利益率(ROCE):7.2%~8.0%
  • 二酸化炭素排出量:1,810 万トン~1,910 万トン

BASF Report 2022で報告した世界経済状況に関する当社予測に変更はありません。

  • GDP成長率: 1.6%
  • 工業生産成長率: 1.8%
  • 化学品生産成長率: 2.0%
  • ユーロ/ドル平均為替レート: 1ユーロ=1.05ドル
  • 年平均ブレント原油価格:1バレル=90ドル

世界経済の動向は、現在も大きな不確実性をはらんでいます。世界の工業生産と化学品生産は、依然伸び悩んでいます。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で110,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2022年のBASFの売上高は873億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。

 

将来の予測に関する記述について

本リリースにはBASF経営陣による現時点での推測および予測、ならびに現在入手可能な情報に基づく「将来の予測に関する記述」が含まれています。これらはここに記す将来の進展や業績を保証するものではなく、多くの要因に依存し、様々なリスクと不確実性を含んでいるほか、正確とは限らない仮定に基づいています。本リリースに記載された将来の予測に関する記述に関しては、BASFは更新の義務を負いま
せん。

P-23-191

The Annual Shareholders’ Meeting of BASF SE in the Congress Center Rosengarten, Mannheim, on April 27, 2023
2023年4月27日、マンハイムにあるコングレスセンター・ローゼンガルテンにて、2023 年第1 四半期の決算報告を発表しました
Executive Board and Supervisory Board thank retiring Chief Financial Officer Dr Hans-Ulrich Engel
BASF 取締役会および監査役会は、退任する最高財務責任者のDr.ハンス‐ウルリッヒ・エンゲルに謝意を表しました
Last Update 2023年5月8日