2014年10月14日

BASFとマイクロ波化学株式会社、ポリマーの製造工程におけるエネルギーの効率化を目指した共同開発契約を締結

  • マイクロ波化学技術の有用性と革新的な製造工程の実証を目指す
  • 世界初のパイロットスケールでの連続型マイクロ波装置を用いてマイクロ波化学技術の適用を検証することに合意

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)と大阪大学発ベンチャーのマイクロ波化学株式会社(以下、MWCC)(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:吉野 巌)は、このたび、ポリマー製品の製造工程においてエネルギーの効率化を目指し、マイクロ波化学技術を適用したパイロットスケールでの共同開発に取り組む契約を締結したことをお知らせします。

この共同開発では、ポリマー分野において持続可能なソリューションを実現すべく、エネルギー効率の高い製造方法であるマイクロ波化学技術を使用した製造技術工程の有用性の確認を目指します。原材料に対して外部から加熱することで化学反応を起こす従来の製造方法と比べ、マイクロ波を用いた方法では高効率な反応を実現し、消費エネルギーを削減することが可能になります。マイクロ波とは、原材料を電磁波で振動させ、内部から直接加熱することで、化学反応に影響を与え、それを向上、促進させることができます。身近なものでは電子レンジなどに使われています。

本共同開発での製造技術工程の有用性を両社で検討し、将来的には商業化に向けた本格導入を目指したいと考えています。

今回の共同開発では、ポリマー分野において世界初となるパイロットスケールでの連続型マイクロ波装置(年間処理量/1000トン)を用いた試験運転を実施予定です。その前段階として、MWCC社は大阪工場(大阪府・大阪市)でBASF社のポリマー製品の試作実験とプロセス開発を開始しています。

 

BASF について

BASF (ビーエーエスエフ)は 2015 年、創立 150 周年を迎え、これまで以上に化学でいい関係をつくっていきます。製品ラインは、化学品、プラスチック、高性能製品、農業関連製品、石油・ガスと多岐にわたっています。 BASF は、世界をリードする化学会社として、経済的な成功、社会的責任、そして環境保護を同時に実現しています。また、 BASF は科学とイノベーションを通して現代社会や将来のニーズを提示しながら、ほぼすべての産業のお客様を支援しています。 BASF の製品とソリューションは、資源の確保に貢献し、栄養価の高い食品を提供するとともに、生活の質の向上に寄与しています。 BASF は「私たちは持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります」を企業目標に掲げ、これらの活動を実施しています。 2013 年の売上は約 740 億ユーロで、従業員数は約 11 万 2000 人です。 BASF の詳しい情報は、 www.basf.com(英語)、 newsroom.basf.com(英語)、 www.japan.basf.com(日本語)をご覧ください。

マイクロ波化学について

マイクロ波化学株式会社は、電子レンジにも使われているマイクロ波を利用した製造技術で、ものづくりにイノベーションを起こすテクノロジーベンチャーです。独自に開発した基盤技術を用いて、高エネルギー・広大な敷地を必要とする化学・エネルギー産業を変革しようと、「省エネルギー」・「高効率」・「コンパクト」なマイクロ波技術の実用化に取り組んでおります。ポリマーについては、これまでのMWCC社の実験では、従来に比べると消費エネルギーを50%削減できた実績があります。当社は、技術ライセンスの供与だけでなく、お客様が抱えている従来の技術では解決できなかった化学反応への課題を、基礎開発からベンチ及びパイロットプラントの設計・運転及びエンジニアリング・製造まで一貫したトータルソリューションを提供し、適用製品・分野ごとに戦略的パートナーとジョイントベンチャーによる共同事業運営を企図しています。既に、大手化学メーカー向けに弊社大阪工場でマイクロ波を使用して製造された脂肪酸ブチルエステルの出荷も行っており、産業化を実現しています。

 

事業内容:

  • マイクロ波技術の研究開発及びエンジニアリング
  • マイクロ波技術を用いた製品の製造、販売、共同・ライセンス事業
Last Update 2014年10月14日