2016年9月29日

再生可能資源を用いたBASFのポリアミドを原料とするフィルムが、大日本印刷の新規包装材に採用

BASFジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ヨルグ-クリスチャン シュテック)は、持続可能性に貢献するポリアミド6である 「Ultramid® Mass Balance(ウルトラミッド マスバランス)」を主原料としたフィルムが、大日本印刷株式会社(以下DNP社)のポリアミドフィルム包装材に採用されることを発表しました。フィルムは興人フィルム&ケミカルズ株式会社(以下KJFC社)によって製造されます。本取組は認証スキームの確立を含め、3社の協力により実現しました。

BASFのUltramid® Mass Balanceは、ドイツの第三者認証機関のTÜV SÜD(テュフズード)による認証を伴う「マスバランス・アプローチ」を用いて、生産工程の初期段階で、製品に必要な化石原料を再生可能原料に置き換えて製造されています。日本でUltramid® Mass Balanceが採用されるのは、今回が初めてです。

包装材業界では近年、消費者や消費財メーカー各社から、より持続可能な社会に貢献する包装材が求められています。一方、包装材で重要な役割を果たすポリアミド6は、その製造において再生可能資源を使用することは困難と考えられてきました。再生可能資源での代替が難しいカプロラクタムを原料としていることが主な理由です。こうした中、BASFは生産工程の更に初期の段階、つまり、スチームクラッカーからポリアミドを製造する過程に再生可能原料を使用する「マスバランス・アプローチ」を導入することで、Ultramid® Mass Balanceを開発し、2014年より提供しています。

BASFの「マスバランス・アプローチ」について

BASFの「マスバランス・アプローチ」では、BASFの生産フェアブント(統合生産拠点)の第一段階で、化石原料とともに再生可能原料が使用されます。その後、再生可能原料の量が「マスバランス方式」に基づき特定のマスバランス製品に割り当てられます。生産フェアブントで化石原料の替わりに使用された再生可能原料投入量と、BASFのマスバランス製品出荷量は厳密に管理され、第三者認証機関であるTÜV SÜDによって認証されています。これにより、認証された製品には、化石資源使用量削減や温室効果ガスの排出量低減に寄与し、持続可能性に貢献するという付加価値が加わります(マスバランス・アプローチ:添付資料①参照)。  

原料から包装材に至る全生産工程での認証取得を目指す

マスバランス方式では、再生可能原料から最終製品に至る全バリューチェーンでの一貫した原料管理システムが欠かせません。DNP社の包装材開発においては、ポリアミド6を提供するBASFが、既にTÜV SÜDの認証を取得しています。ポリアミドフィルムについてはKJFC社、およびそのフィルムを使用したポリアミド包装材についてはDNP社が現在監査を受けており、原料から包装材に至るまでの全生産工程(バリューチェーン:添付資料②参照)においてTÜV SÜDの認証取得を目指しています。定期的な第三者機関による監査を必要とするこの原料管理システムにより、DNP社は、製品の生産に必要とされる化石原料の100%が、生産過程において再生可能原料に代替されたことを証明することができるようになります。

BASFジャパン 副社長執行役員 石田博基は次のように述べています。「この度、三社協業による革新的な次世代の包装材の開発に寄与することができ、大変うれしく思います。Ultramid®  Mass Balanceは、従来と同等の製品性能を維持しながら、化石資源の使用量削減や温室効果ガスの排出量低減へのソリューションを提供することを可能にしました。BASFは、化学メーカーとして、次世代の包装材開発および包装材業界の持続可能な発展にこれからも貢献してまいります。」

この3社の取り組みおよびBASFの「マスバランス・アプローチ」の詳細については、2016年10月4日から7日まで東京ビッグサイトにて開催される「2016東京国際包装展」において展示されます。

なお、BASFの「マスバランス・アプローチ」を適用したポリアミドは、従来品と同様に、フィルムの他、エンジニアリングプラスチック、繊維、モノフィラメント用途等にも使用可能です。

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は持続可能な将来のために、化学でいい関係をつくります。また、経済的な成功、環境保護、そして社会的責任を同時に実現しています。BASFでは、約112,000人の社員一人ひとりがほぼすべての産業、ほぼすべての国においてお客様の成功に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの部門から成ります。2015年、BASFは700億ユーロを超える売上高を達成しました。BASFの詳しい情報は、www.basf.com(英語)、newsroom.basf.com(英語)、www.basf.com/jp(日本語)をご覧ください。

日本のBASFについて

BASFは日本では1888年に事業を開始しました。事業活動は、化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品の4分野です。主要生産拠点として、神奈川県茅ヶ崎市(コンクリート混和剤、建設資材)、茨城県古河市(パーソナルケア製品原料)、横浜市戸塚区(コーティングス)、三重県四日市市(熱可塑性ポリウレタン、ポリマーディスパージョン)を構え、また全国に建設化学品の製造センターを有しています。研究開発においては、日本から革新的な製品をグローバル市場に発信することを目指しています。近年、バッテリー材料産業での事業拡大に向けて「尼崎研究開発センターバッテリー材料研究所」や日本のパートナーとの合弁会社を設けたほか、自動車の軽量化をさらに推進するため「アジア・コンポジット・センター」を横浜に開設しました。2015年のBASFの日本での売上高は約15億ユーロ(2,001億円)、従業員数は1,209人です。

Last Update 2016年9月29日