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2023年2月26日

新規殺虫剤「セフィーナ®DC」2023年3月1日より販売開始

・  天然物由来の新規有効成分「インスカリス®」がアブラムシの吸汁を素早く阻害し
優れた防除効果を発揮

ハチ類、有用昆虫、鳥類、魚類に対し高い安全性を有し環境負荷の少ない殺虫剤

北里研究所、MMAG、BASF、3者のイノベーションによる開発

 

BASFジャパン株式会社(本社:東京都中央区、以下「BASF」)は、新規殺虫剤セフィーナ®DCを2023年3月1日より販売開始します。植物を吸汁加害するアブラムシ類に対して優れた阻害効果を速やかに発揮し、吸汁による被害を抑えることで、アブラムシ類が植物病原ウイルスを媒介することを抑制します。また、標的外生物への影響が限定的で、高い安全性を有しています。

天然物由来*1のセフィーナ®DCの有効成分インスカリス®(化合物名:アフィドピロペン)は、天然糸状菌の発酵産物をもとに、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智博士をリーダーとした学校法人北里研究所(本部:東京都港区、以下「北里研究所」)の大村グループと、旧Meiji Seikaファルマ株式会社(現株式会社MMAG、本社:東京都中央区、以下「MMAG」)が共同で発見し、BASFが製剤開発を担いました。そして、日本において、ばれいしょ、てんさい、小麦に発生するアブラムシ類を防除する殺虫剤として農薬登録を取得しました。

 

インスカリス®は新しい作用機構を有するピロペン系に属し、IRACコード9Dに属する唯一の有効成分です。既存殺虫剤の作用機構に対して抵抗性を持つアブラムシにも高い効果を発揮し、抵抗性マネージメントに有用です。また、DC製剤*2に含まれている界面活性剤の効果により、散布後、葉面上で十分に広がり、しっかり付着することが可能になります。この優れた拡展性に加え、植物葉組織内への優れた浸達性は、インスカリス®が速やかに葉内に取り込まれ、速効的なアブラムシ類の吸汁阻害を可能にしています。さらに拡展性、浸達性に加え、耐雨性も有することから、効果が持続、長期残効性を示します。

 

「北里研究所、MMAG、BASFの3者のイノベーションにより開発されたセフィーナ®DCを生産者の皆様にお届けできることを大変うれしく思います。BASFはこれからも生産者が、少ない環境負荷で効果的に病害虫防除を行えるよう、新たな技術開発を続けてまいります」とBASFジャパン アグロソリューション事業部 マーケティング部部長の野田信介は述べています。

 

農林水産省が持続可能な食料システムの構築を目指して策定した「みどりの食料システム戦略*3」は、環境負荷を軽減するイノベーションを推進しており、既存の農薬から「低リスク農薬への転換」を促しています。ハチ類や有用昆虫への影響が少なく、魚類、鳥類への高い安全性を有しているセフィーナ®DCはこの方針に合致し、持続可能な農業における害虫防除の新たな手段となることが期待されています。

*1 有機JAS規格には適合しません。

*2 DC(Dispersible Concentrate)製剤は水和剤のグループに入る新しい製剤です。水に溶けやすい製剤で、水で希釈すると、有効成分が微小な固体粒子となり水中に均一に分散します。またDC製剤は、製剤

処方中に界面活性剤などの補助成分を加えやすい特徴を持っています。

*3農林水産省が策定した、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する政策。詳細はこちらをご参照ください。https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/

 

■BASFの アグロソリューション事業本部について

環境への影響を減らすと同時に、急速に増加する人口に対して、健康的で手頃な価格の食料を十分に供給するには、農業が不可欠です。提携パートナーや農業の専門家と協力し、持続可能性の基準をあらゆるビジネスでの意思決定に統合することで、生産者が持続可能な農業にプラスの影響を与えるお手伝いをします。そのため、BASFは、革新的な思考と現場での実践的な行動とを結びつける強力な研究開発パイプラインに投資しています。当社のポートフォリオは、種子、厳選された苗の形質、化学的および生物学的な作物保護、土壌管理、植物の健康、害虫防除およびデジタル農業のためのソリューションで構成されています。ラボ、フィールド、オフィス、生産の専門家チームと共に、生産者、農業、未来の世代の人々のために、成功のための適切なバランスを見つけたいと考えています。2022年の売上高は103億ユーロでした。アグロソリューション事業部についての詳細はwww.agriculture.basf.com/jpまたは各種ソーシャルメディアをご参照ください。

 

日本のBASFについて

BASFは1888年より日本市場のパートナーとして事業活動を行っています。国内にも生産および研究開発拠点を構え、自動車、建設、医薬品・医療機器、電機・電子、包装材、パーソナルケア・ホームケア、農業・食品など、ほぼすべての産業に製品とソリューションを提供し、国内およびグローバル市場で活躍する日本のお客様の成功に貢献しています。2022年の日本での売上高は約26億ユーロ(約3,576億円)、年末の従業員数は923人です。日本のBASFに関する詳しい情報はhttps://www.basf.com/jp  をご覧ください。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で110,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2022年のBASFの売上高は873億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

Last Update 2023年2月26日