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2023年3月1日

BASF、水稲生産における「みどりの食料システム戦略」の実現に向けたソリューションを提供

xarvio® FIELD MANAGERの可変施肥マップ生成機能により、増収、コスト削減と環境保全に貢献

衛星画像とAI分析の活用による農薬使用の適正化で、政府が掲げる「2050年までに、化学農薬使用量(リスク換算)の50%低減を目指す」という目標達成を後押し

持続可能な農業を支える技術開発に注力



BASF ジャパン株式会社(本社:東京都中央区、以下「BASF」)は、農林水産省が策定する、水稲生産における「みどりの食料システム戦略*1」の実現に貢献するソリューション提供を強化する計画を発表します。
 

BASFは農薬事業に加えて、JA全農との協業により2021年4月にリリースしたAI ベースの栽培管理デジタルプラットフォーム、xarvio® FIELD MANAGER(ザルビオ®フィールドマネージャー)を組み合わせた新たなソリューションを提供し、生産者レベルでのみどりの食料システム戦略の実現を後押しします。可変施肥による化学肥料使用量の低減、農薬の適期・適所散布による環境負荷の低減、持続可能な農業のための技術開発の3つの面から生産者をサポートします。


可変施肥マップ生成により施肥最適化をサポート

みどりの食料システム戦略では、2050年までに輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量の30%低減を目指すという目標が掲げられています。BASFはxarvio® FIELD MANAGERを活用した可変施肥を提案します。xarvio® FIELD MANAGERは、毎日自動で衛星画像解析が行われ、圃場ごとの生育マップ*2や地力マップ*3が簡単に入手できます。これらをもとに作成した可変施肥マップをUSBで農機に取り込めば、生育ムラや地力ムラに合わせた施肥量の調節を自動で行うことも可能です。xarvio® FIELD MANAGERは、特別な機器や解析ソフトを導入することなく、可変施肥マップを初心者でも簡単に作成できる革新的なソリューションです。対象作物は水稲・大豆・麦のほか、キャベツ、たまねぎ、とうもろこし、てんさい、ばれいしょなど全18種と多岐にわたります。今後さらに、対応農機の拡大や地域・作物ごとの検証を重ね、生産者の効率的かつ効果的な栽培をサポートするため、本技術の普及を加速させていきます。


病害虫発生予測にもとづいた農薬の適期防除推奨と可変散布による、適期適所散布を推進

xarvio® FIELD MANAGERは生育予測機能や病害アラートといった機能を搭載しており、品種や薬剤の使用履歴などから、圃場ごとの防除管理をサポートできるため、圃場1枚1枚の状況を考慮した適期防除をより効果的かつ効率的に行うことができます。また、圃場ごとの生育マップなどを基に、可変散布マップを簡便に作成できます。これらの機能を包括的に活用することによる、圃場ごと、あるいは圃場内ゾーンごとの農薬使用の適正化を提案します。これにより政府が掲げる2050年までに、化学農薬使用量(リスク換算)の50%低減を目指すという目標達成を後押しします。各予測モデルは、全国で行っている検証試験結果を基に、定期的にアップデートし、精度を向上しています。新機能として「水稲の雑草管理をサポートする機能」の実装を2023年4月に予定しています。


持続可能な農業を支える技術開発

水稲生産において、使用量が最も多く、削減が難しいのが除草剤です。生産規模の拡大が進むと、労力低減のために使用量が増えるケースもあります。BASFが提供するバサグラン®製品は落水散布によって高い効果が発揮されるため、スポット散布により使用量削減に貢献できます。2023年4月1日に無人航空機等での散布に適した新たな水稲除草剤「バサグラン®・エアー1キロ粒剤」を上市します。また、「バスタ®液剤」は、2022年7月より水田畦畔での高濃度少水量散布が可能になりました。これにより、薬剤散布水量を従来の3分の1に削減できるため、散布にかかる労力および作業時間を大幅に軽減します。今後さらに、ニーズの高まっているドローンの活用、自動操舵システムによる防除に適応した少水量散布技術や、デジタルセンシング技術を活用したスポット散布などのスマートスプレーソリューションの技術開発にも注力していきます。

*1農林水産省が策定した、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する政策。詳細はこちらをご参照ください。

https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/

*2 葉面積指数(LAI、地表面積に対する葉の面積の割合を示す指数)で示される圃場内の生育状況をマップで表示します。

*3 過去15年分の衛星データから生育の傾向をAI解析し、地力を推定したマップです。

 

 

■xarvio®デジタル農業について(BASFデジタルファーミング社のブランド)

xarvio®(ザルビオ)は生産者が最も効率的かつ持続可能な方法で作物を生産できるように、各圃場の状況に応じたリコメンデーションを提供する作物モデルプラットフォームに基づいた最先端のデジタルソリューションです。xarvio®は、圃場を管理する「FIELD MANAGER」、病害虫雑草を画像診断する「SCOUNTING」、「HEALTHY FIELDS」から成り、100カ国以上の生産者に使用されています。「FIELD MANAGER」は世界18カ国で100,000人の生産者(総面積1,500万ha以上)が使用し、「SCOUTING」は700万回ダウンロードされています。xarvio®についての詳細はhttps://www.xarvio.com/jp/ja.html をご参照ください。

 

■BASFのアグロソリューション事業本部について

環境への影響を減らすと同時に、急速に増加する人口に対して、健康的で手頃な価格の食料を十分に共有するには、農業が不可欠です。提携パートナーや農業の専門家と協力し、持続可能性の基準をあらゆるビジネスでの意思決定に統合することで、生産者が持続可能な農業にプラスの影響を与えるお手伝いをします。そのために、革新的な思考と現場での実践的な行動とを結びつける強力な研究開発パイプラインに投資しています。当社のポートフォリオは、種子、厳選された苗の形質、化学的および生物学的な作物保護、土壌管理、植物の健康、害虫防除およびデジタル農業のためのソリューションで構成されています。ラボ、フィールド、オフィス、生産の専門家チームと共に、農家、農業、未来の世代の人々のために、成功のための適切なバランスを見つけたいと考えています。2022年の売上高は103億ユーロでした。アグロソリューション事業部についての詳細はwww.agriculture.basf.com/jp または各種ソーシャルメディアをご参照ください。

 

■日本のBASFについて

BASFは1888年より日本市場のパートナーとして事業活動を行っています。国内にも生産および研究開発拠点を構え、自動車、建設、医薬品・医療機器、電機・電子、包装材、パーソナルケア・ホームケア、農業・食品など、ほぼすべての産業に製品とソリューションを提供し、国内およびグローバル市場で活躍する日本のお客様の成功に貢献しています。2022年の日本での売上高は約26億ユーロ(約3,576億円)、年末の従業員数は920人です。日本のBASFに関する詳しい情報はhttps://www.basf.com/jp をご覧ください。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で110,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2022年のBASFの売上高は873億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

Last Update 2023年3月1日