BASFの光安定剤により、インドの農業で使用される不織布の耐久性が向上
(この資料は BASFが 2018年5月8日に香港で発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)
- 高い熱安定性を備えた光安定剤Chimassorb® 2020が、紫外線からの長期保護を提供
- 耐用年数の延長により、作物収量の向上を実現
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)の光安定剤Chimassorb® 2020がインドの農業用プラスチックマスターバッチ大手製造業者であるRay Colors社のポリプロピレン(PP)製不織布に採用されました。不織布で覆うことで、悪天候や害虫から作物や植物、野菜を保護します。
BASFのアジア太平洋地域のパフォーマンスケミカルズ事業本部シニア・バイスプレジデントを務めるハーマン・アルトフは、次のように述べています。「不織布メーカーにとって、紫外線照射による劣化からPP樹脂を保護するという点で、光安定剤は極めて重要です。一方で、不織布のフィラメントは非常に細いため、高い熱安定性を備えた高分子量のヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が必要とされます。BASFは様々な市場、用途の要件を満たす光安定剤と紫外線吸収剤を幅広く開発してきました。」
プラスチック製品の寿命は、太陽光に曝露されることで短くなることがあります。特に紫外線はポリマー内の化学反応を誘発するため、変色や化学結合の分断につながる可能性があります。この変化によって衝撃強度の損失、変色、亀裂、伸長性や引張強度の損失など、物理特性の劣化がもたらされます。BASFの光安定剤には、紫外線からポリマーを保護する紫外線吸収剤や、光酸化プロセスで形成されるラジカル中間体を取り除くヒンダードアミン系光安定剤(HALS)などがあります。また、BASFの光安定剤は、連続生産によって生産性を向上させ、より高い耐薬品性および広い製品の総合安全管理の遵守にも貢献します。
植え付け後の初期の植物は、ウイルスを運ぶ昆虫や霜に対し非常に脆弱な状態にあります。若い苗をPP製の不織布で覆うことは、コスト効率の高い完璧なソリューションです。また、不織布は多孔質であるため、余分な湿気を逃がし、カビの繁殖を防ぎます。さらに孔が小さいことから昆虫の侵入を防ぎ、若い苗がウイルスに感染するのを阻止します。
こうした不織布を製造するためには、PP材料を細いフィラメントに紡糸し、結合剤を使わず熱によって結合します。Ray Colorsのディレクター、シッダールタ・ジョーシ氏は次のように述べています。「不織布は、主に植物が最も危険な時期の保護に使用されるため、劣化や早期段階で断裂が起こると、重大な被害をもたらす可能性があります。私たちは、Chimassorb® 2020をベースにした安定化技術によってポリマーの耐用年数を延ばし、耐久性を向上させた製品をお客様に提供できるようになりました。」
不織布カバーの使用によって収量が増大し、作物の質が高まります。また、非常に軽量かつ柔軟性の高いシートで苗床を覆うことで微気候が生まれ、その中の熱と湿度が制御されます。さらに、不織布は、霜や風、雹、害虫による影響を制限して植物の成長を加速させ、農業従事者を支援します。
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。
BASFのプラスチック添加剤について
BASFはプラスチック添加剤を製造するリーディングサプライヤーであり、この分野におけるイノベーションパートナーでもあります。BASFの包括的かつ革新的な製品ポートフォリオには、各種ポリマーおよび成形品、フィルム、繊維、シート、押出成形品などの用途において加工安定性、耐熱性、耐光性を向上する安定剤などがあります。プラスチック添加剤に関する詳細につきましては、http://www.plasticadditives.basf.com をご覧ください。
BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く、世界をリードする化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で115,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、農業関連製品、石油・ガスの5つの事業部門から成ります。2017年のBASFの売上高は約645億ユーロでした。BASFは、フランクフルト(BAS)、ロンドン(BFA)およびチューリッヒ(BAS)の証券取引所に上場しています。BASFの詳しい情報は、www.basf.comをご覧ください。