BASFの光安定剤が、中国のTPO屋根用防水シートの耐久性を改善
- BASF光安定剤が中国建材研究所の主導で採用
- TPO屋根用防水シートの耐久性を向上させ、メンテナンス費用を削減
- 製品の長寿命化による環境負荷低減
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)の光安定剤Chimassorb®(キマソーブ)が、中国の代表的な防水材料研究センターである中国建築材料学会蘇州防水研究所の屋根用防水シートの熱可塑性ポリオレフィン(TPO)標準パッケージに採用されました。TPO屋根用防水シートは、建物の雨漏りを防ぐため、ビチューメンの代わりに平屋根に使われています。
TPO屋根用防水シートは、その優れた性能と設置の容易さにより、ますます人気が高まっています。しかし、すべてのポリマーと同様に、TPOは紫外線や熱に晒されると早期劣化する可能性があり、小さな亀裂伸度と強度の損失ならびに風への耐性の低下をもたらします。この問題は、光安定剤を使用することによって緩和することができます。Chimassorb®のような光安定剤は耐候性と長期強度保持をもたらし、それによって屋根の耐久性を高めることができるため、重要です。しかし、こうした安定剤は、他のすべての配合成分と適合し、かつ作用する必要があります。
「光安定剤はTPO屋根用防水シートメーカーにとって極めて重要です。なぜなら、屋根用防水シートの寿命は、適切な光安定剤パッケージに強く依存しているからです」と、BASFのアジア太平洋地域のパフォーマンスケミカルズ事業本部担当シニア・バイスプレジデントを務めるハーマン・アルトフは述べています。「当社の光安定剤パッケージは、耐久性の低い製品と比較して、製品の長寿命化による環境負荷の低減に貢献しています。また、長寿命化により、省資源化と廃棄物処理施設の負荷低減を図っています。」
TPO屋根用防水シートは溶融・精製・再押出が可能なため、リサイクルが容易です。これにより、古いTPOシートを新しいTPOシートの製造に再利用することが可能となります。
「TPO屋根用防水シートは、厳しい気象条件の下で建物を保護する必要があるため、劣化によって濡れや損傷が発生する可能性があります」と、SZWRIのR&Dマネジャー、王文敏氏は述べています。「Chimassorb®をベースとした安定化技術により、ポリマーのUV耐性を確保し、より耐久性の高い製品をお客様に提供することができます。」
BASFの光安定剤には、ポリマーを紫外線から遮蔽することによって作用する紫外線吸収剤や光酸化プロセスで生成されるラジカル中間体を除去することによって作用するヒンダードアミン光安定剤(HALS)などがあります。
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。
BASFのプラスチック添加剤について
BASFはプラスチック添加剤を製造するリーディングサプライヤーであり、この分野におけるイノベーションパートナーでもあります。BASFの包括的かつ革新的な製品ポートフォリオには、各種ポリマーおよび成形品、フィルム、繊維、シート、押出成形品などの用途において加工安定性、耐熱性、耐光性を向上する安定剤などがあります。プラスチック添加剤に関する詳細につきましては、http://www.plasticadditives.basf.com をご覧ください。
BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く、世界をリードする化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で115,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、アグロソリューションの4つの事業部門から成ります。2017年のBASFの売上高は約600億ユーロでした。BASFは、フランクフルト(BAS)、ロンドン(BFA)およびチューリッヒ(BAS)の証券取引所に上場しています。BASFの詳しい情報は、www.basf.comをご覧ください。