BASFの新しいポリフタルアミドが、自動車や電気・電子産業向けの高温耐熱性部品を可能に
(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2019年5月13日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)
- Ultramid® Advanced T2000 (ウルトラミッド® アドバンストT2000)(PA6T/66)が加わり、ポリフタルアミドポートフォリオがさらに拡大
- 電気・電子機器の難燃性コネクタに最適
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、ポリフタルアミド(PPA)ポートフォリオをさらに拡大します。中国・広州で5月21日から24日まで開催されたCHINAPLAS 2019で、新しいPPA Ultramid® Advanced T2000(ウルトラミッド® アドバンストT2000)を発表しました。PA6T/66を使用したコンパウンド製品は、優れた機械的特性と高温での誘電強度を兼ね備えており、特に電気・電子(E&E)産業のコネクタに適しています。Ultramid® Advanced T2000は、部分的に芳香族の化学構造を持つため、耐熱性、耐湿性および難燃性を付与することも可能で、広い温度範囲で高い一定の剛性と強度を必要とする部品に最適なソリューションです。高い抵抗率が要求されるE&Eコネクタ業界や、あらゆる温度や環境で、強度を保つ必要がある自動車産業で、このような部品が期待されています。
「E&E産業、特にコネクタ市場においては、更なる小型化の傾向が、次世代高性能部品開発を推進しています」と、グローバル PPAチームの責任者であるアブドラ・シェイクは述べています。「標準的な材料で作られてきたこれらの部品の課題は、現在、誘電性と機械的強度を組み合わせることにあります。これまでの標準的なプラスチックでは達成できなかった、非常に厳しい条件下における高い性能レベルを求められています。お客様はUltramid® Advanced T2000を使用し、パーツに適したプラスチックを選択していただけます。特に、最先端の難燃性能により、最新のE&Eデバイスの実現を可能にします。」
E&Eおよび自動車産業における幅広い適用範囲
Ultramid® Advanced T2000は、幅広い温度範囲で優れた機械的特性と誘電特性を発揮するため、構造用ノートパソコン部品を介した精密な難燃性コネクタから、スイッチや超小型回路遮断器まで、E&E産業や自動車産業における新用途に適した素材となっています。本材料は、射出成形時の流動性が高いため、薄肉設計が可能で、表面品質も良好です。また、部品の形状保持力を向上させます。漏電による過熱時でも、構造物が容易に溶融せず、外部からの機械的衝撃にも耐性を有します。
さらに、ガラス繊維強化グレードは、ガラス転移点より高い温度でも、高い強度と容易な加工性を提供します。このため、これまで金属で作られているアクチュエータ、トランスミッションセンサーおよびクラッチ部品などの水出口弁、水ポンプ、燃料システム部品といった自動車部品の代替品となります。絶乾状態および調湿状態の両方において、適用温度の全範囲にわたって優れた強度、剛性および抵抗率が要求される用途に適しています。Ultramid® Advanced T2000は、洗浄剤、塩化カルシウムや、クーラント、燃料、オイルや潤滑油のような一般的な自動車関連用品に対して良好な耐性を示します。
新しいPPAは標準PA66と同等の衝撃強度と標準脂肪族ポリアミドより低い吸水性を示し、高い寸法安定性をもたらしました。融点(310°C)が高く、熱変形温度が280°C(HDT-A)を超えるため、部品が変形することなく、鉛フリーはんだ付けに最適な材料です。また、Ultramid® Advanced T2000は効率的に加工でき、流動性は、柔軟性や靭性を損なうことなく、他の高温ポリアミドよりも著しく優れています。他のUltramid® Advanced T2000グレード、ポリアミドまたは一般的なPPAとの溶接やレーザーマーキングなど、いくつかの後加工が可能です。
特定のE&E要件に合わせた複合ポートフォリオ
幅広い用途に対応するため、BASFは、30%から40%のガラス繊維強化グレードで、全色に対応するUL94V-0規格の難燃性グレードを開発しました。さらに、30%から50%のガラス繊維と耐衝撃性を有するいくつかのグレードがあり、無着色およびレーザーマーキング可能な黒色があります。個々の用途の要件に応じて、異なる熱安定剤も提供しています。
詳細については、次を参照してください。
www.ultramid-advanced-t2000.basf.com (英文)
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業部について
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2018年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、世界で76.5億ユーロの売上高を達成しました。詳細に関しては、 www.performance-materials.basf.com をご覧ください。
BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約122,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント (ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2018年のBASFの売上高は約630億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、www.basf.comをご覧ください。