October 28, 2020

BASFのポリエーテルスルホン (PESU)、デロンギ社のコーヒーマシン抽出ユニットの上部ピストンに採用

この資料は BASF本社(ドイツ)が 2020年10月14日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

  • 機械的強度、寸法安定性、高温蒸気耐性に優れたUltrason® E 3010 MR
  • 射出成形で家電製品の複雑な部品の加工が容易に

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)のポリエーテルスルホン(PESU) は、180℃までの耐熱性・耐蒸気性を備え、機械的特性と長時間にわたる温度変化に対する寸法安定性にも優れており、コーヒーマシンの耐久性に貢献します。家電メーカーDe'Longhi(デロンギ、本社:イタリア)は、新型コーヒーマシン「Magnifica(マグニフィカ)  S ECAM 22」の抽出ユニットの上部ピストンに、BASFのPESU、Ultrason®(ウルトラゾーン) E 3010 MRを使用しています。Ultrason® E 3010 MRは食品との接触、安全性、加工性、および組み立てに関するデロンギの厳しい要件を満たしています。射出成形  グレードは、特に複雑な部品の成形を容易にするために最適化されています。有害物質を含まず、温度に依存しない機械的特性の組み合わせにより、Ultrason® E 3010 MRは、コーヒーマシン用として使用されているポリエーテルイミド(PEI)のような素材にまさる性能を発揮します。

デロンギは、コーヒー抽出中に発生する高圧と高温の蒸気に、マシンの耐用年数期間中に耐えられるピストン用の素材を必要としていました。Ultrason® E 3010 MRは、過熱蒸気に繰り返し耐え、さらに透明性と高い機械的強度を大幅に維持できるため採用されました。様々なISO規格に従った試験を実施した結果、Ultrason® E 3010 MRは、134℃までの加熱蒸気による滅菌を2000回繰り返した後にも、優れた機械的特性を維持し、ストレスクラッキングに対する高い耐性も実証されました。こうした特性により、BASFのシミュレーションツールUltrasim®(ウルトラシム)を用いた金型流動解析を行い、成形部品に最適な金型の開発が可能になりました。

高性能熱可塑性樹脂Ultrason® E 3010 MRは食品接触に関する欧米の規定に準拠しており、有害物質を含んでいません。「私たちは、この新しいコーヒーマシンの重要な構成部品に使用されているUltrason®の特長を高く評価しています」とデロンギの欧州プラスチック原料バイヤー、Ruena Moro氏は述べています。「コーヒーマシンの心臓部である抽出ユニットの性能向上に大きく貢献しています。上部ピストンは、優れた連続使用特性が求められ、負荷のかかる環境にさらされる複雑な技術部品なのです。」

高粘度のグレードは射出成形によって成形できます。上部ピストンのような、薄肉で長い繊細なねじ部分を持つ複雑な形状の部品を製造することも可能で、流動長の長い製品もボイド無しで充填することができます。Ultrason®の卓越した機械的特性により、ピストンをねじで抽出ユニットにしっかりと取り付けることができます。「家電製品に対する需要はさまざまで、妥協できません」と、BASFのUltrason®グローバルビジネス開発担当のジョージ・グラッセルは述べています。「このような複雑な部品に対する厳しい要求を満たすべく、デロンギと協力したことを誇りに思います。当社のUltrason®のポートフォリオを使用することにより、耐久性と安全性を備えた家電製品に理想的な素材と、信頼ある高品質素材の供給および技術サービスをお客様に提供できることを実証できたのです。」

Ultrason®は、ポリエーテルスルホン(Ultrason® E)、ポリスルホン(Ultrason® S)、ポリフェニルスルホン(Ultrason® P)を含む、BASFのスルホン系樹脂製品群の登録商標です。この高性能素材は、電子機器、自動車、航空宇宙産業にとどまらず、ろ過用メンブレンや、温水や食品と接する部品にも使用されています。Ultrason®ブランドは、その優れた特性により、熱硬化性樹脂、金属、セラミックの代替として利用することができます。

BASFのUltrason®ソリューションの詳細については、www.ultrason.basf.com(英語)をご覧ください。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部について

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、   インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2019年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、世界で60.6億ユーロの売上高を達成しました。詳細に関しては、www.plastics.basf.comをご覧ください。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で117,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2019年のBASFの売上高は590億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、http://www.basf.comをご覧ください。

 

BASFのUltrason®、デロンギのコーヒーマシン抽出ユニットの上部ピストンに採用
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最終更新October 28, 2020