November 15, 2018

BASF、中国の3Dプリント専門会社Prismlabに投資

(この資料はBASFおよびPrismlab社 が 2018年11月6日にドイツ・ルートヴィッヒスハーフェンおよび中国・上海で発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)

  • 特許取得済みの独自の3Dプリントプロセスにより、大型部品の製造が可能
  • BASF Venture Capitalによる中国企業への初の直接投資

BASF Venture Capital 社は、中国上海に本社を置く3Dプリントプロセスおよび3Dプリンタの大手プロバイダであるPrismlab社に投資することを発表しました。 Prismlabは、高速印刷、高精度印刷、低コスト印刷を特徴とする特許取得済みの印刷プロセスを開発した企業です。 BASFの投資により、Prismlabは製品開発およびイノベーションをさらに加速させ、世界市場への市場リーチを強化することができます。

BASF Venture Capital社のマネージングディレクターであるマルクス・ゾリビーダは次のように述べています。「私たちにとって今回の投資は、中国企業への初めての直接投資です。 Prismlabの先駆的な技術により、医療用補装具や解剖学的模型のように規模が大きく安定した部品が初めて3Dプリントできるようになります。 この投資は、私たちの技術開発を積極的に推進し3Dプリント分野での製品提供を拡大するというBASFの戦略をサポートするものです。」

BASFグレーターチャイナ ビジネス市場開発担当シニアバイスプレジデントのDr. Zheng Daqingは、「中国は製造業主導からイノベーション主導の経済へと変わりつつあります。Prismlabへの投資は、中国におけるイノベーション能力をさらに拡大するという私たちのコミットメントを反映しています。BASF Venture Capitalは、私たちを成功に導いてくれる可能性のあるパートナーを特定する上で重要な役割を果たしています」 と述べています。

「3Dプリント技術は、世界を変える前に進化し続けなければなりません。 Prismlabでは、特別なカスタマイズによるソリューションを提供することでこの変化を先導し、加速することを目指しています。 この投資により、私たちはその目標を達成するための重要な要素である研究開発能力に焦点を絞ることができます」 とPrismlabの創業者および会長のHou Feng氏は述べています。

Prismlabは、ステレオリソグラフィー(SLA)に基づいた特許取得済みの3Dプリントプロセス“Pixel Resolution Enhanced Technology”(ピクセル解像度強化技術)を開発しました。 SLAは、光硬化性樹脂を用いて比較的大きな部品を製造することができます。 Prismlabのテクノロジーは、印刷速度を落とすことなく印刷解像度を向上させます。 1つのピクセルに取り込まれるエネルギー量を増加させるため、Prismlabの技術では、樹脂中の各ピクセルをいくつかの小さなセクションに分割し、LCDライトを当てることによって個々に硬化させることができます。 これにより、各ピクセルへのエネルギー入力は、各ピクセルに光を一回当てる同様のプロセスよりも著しく高くなります。 このため、比較的大型で安定した部品や多数の部品を同一製造工程で印刷することができます。 また、LCDライトの使用により、プロセスコストも削減できます。 この利点により、靴産業や家具産業にも機会がもたらされます。

上記の特許取得済みのプロセスに加えて、Prismlabは3Dプリンタの販売やその他関連サービスの提供も行っています。Prismlabの技術は、見えない歯列矯正装置、医学用および教育・訓練用の解剖学的模型など、様々な用途に使用することができます。

SLAでは、レーザーを使用してフォトポリマー溶液を積層的に硬化し、必要な部品を形成します。 製造される部品は光点のサイズや光の強度によって制限されるため、SLAおよびLCDを使った印刷プロセスによって、部品のサイズや安定性および有用性が決まります。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASF Venture Capitalについて

BASF Venture Capital GmbH(BVC)は2001年に設立され、ヨーロッパ、アメリカ、中国、イスラエルにオフィスを設けています。新たな企業やファンドへの投資を通して、BASFに新たな成長の可能性をもたらすことを目的としています。 主に化学製品、新素材、ソフトウェア、サービス、さらには幅広い化学分野における革新的でデジタルなビジネスモデルを中心に投資を行っています。 詳細については、 www.basf-vc.com. をご覧ください。

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く、世界をリードする化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で115,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、アグロソリューションの4つの事業部門から成ります。2017年のBASFの売上高は約600億ユーロでした。BASFは、フランクフルト(BAS)、ロンドン(BFA)およびチューリッヒ(BAS)の証券取引所に上場しています。BASFの詳しい情報は、 www.basf.comをご覧ください。

 

プリズムラボについて

Prismlabは、3Dプリント製品およびソリューションの中国の大手プロバイダです。 2013年には、Sub-Pixel Micro Scanning(SMS)の光硬化3Dプリント技術の開発に成功しました。 同社のビジョンは、3Dプリントの業界トップのサービスプロバイダになることです。 Prismlabは、同社の特許技術に基づき、中国の国家鍵研究開発プログラムから資金提供を受けています。 また、「Additive Manufacturing Process and Equipment of Nanostructure」プロジェクトのリーディングカンパニーでもあります。 詳細については、 www.prismlab.com/ をご参照ください。

 

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最終更新November 15, 2018