Business & Financial News  |  2018/12/18
日本

BASF、ケミカルリサイクルしたプラスチックで初めて製品を製造

(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2018年12月13日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)
 
  • プラスチック廃棄物を原料として使用し、循環経済において新境地を開く
  • プラスチック廃棄物のリサイクルを推進
  • バリューチェーンにおけるパートナーとともに製造し、認可を受けた試作品

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は「ChemCyclingプロジェクト」を通して、プラスチック廃棄物の再生利用において新境地を開きます。ケミカルリサイクルは、複合素材のプラスチックや未洗浄のプラスチックなど、現在は再生利用されていないプラスチック廃棄物を再利用するための革新的な方法を提供するものです。地域により、そうした廃棄物は通常、埋め立てられたり、エネルギー回収として焼却されたりしていますが、ケミカルリサイクルがそれに代わる選択肢となります。熱化学的なプロセスを使用することで、こうしたプラスチックをガス化、油化して使用することが可能です。その結果得られた再生原料は、BASFの生産工程で原料として使用できるため、化石資源を一部置き換えることにもつながります。

BASFは、ケミカルリサイクルしたプラスチック廃棄物をもとにした製品を初めて製造しました。業界における世界的なパイオニアの一社となっています。BASF取締役会会長のDr. マーティン・ブルーダーミュラー兼最高技術責任者(CTO)は、「プラスチックの責任ある使用は世界の廃棄物問題を解決していく上で極めて重要です。これは企業にとっても、業界消費者にとっても同様です。ケミカルリサイクルを通して、私たちはプラスチック廃棄物の削減に大きく貢献したいと考えています。当社のChemCyclingプロジェクトでは、プラスチック廃棄物を資源として利用します。こうして、私たちは環境、社会、経済のために価値を創出します。実行可能な循環型モデルを確立するため、私たちはバリューチェーンにおけるパートナーの方々と協力してきました」と述べています。BASFは循環型のバリューチェーンを構築していくために、廃棄物管理会社から、技術提供者、包装材料メーカーまで、多岐にわたるBASFのお客様やパートナーの皆様と緊密に協力しています。

廃棄物をチーズの包装や冷蔵庫の部品へ

BASFはすでに、様々な業界のお客様10社とともに、試作品の開発を行っています。ChemCyclingプロジェクトで製造される製品には、チーズの包装材料や冷蔵庫の部品、断熱パネルなどがあります。BASFが供給するChemCycling製品は、化石資源から製造される製品とまったく同じ特性を持ち合わせているため、例えば食品包装には特に必要とされる高い品質基準、衛生基準を満たす製品を製造することが可能です。BASFでChemCyclingプロジェクトを率いるシュテファン・グレーターは、大きな潜在性があると考え、次のように述べています。「この新しいリサイクル法は、再生原料から作られる製品や包装材料を重要視しているものの品質という点で妥協ができない、あるいはしたくないと考える私たちにとっても、私たちのお客様にとっても、革新的なビジネスモデルを生み出す機会をもたらします。」次のステップとして、BASFはChemCyclingプロジェクトから生まれた初の商用製品を製造する予定です。

BASFのフェアブントが、ChemCyclingに理想的な条件を提供

BASFは、生産工程の初期の段階で、プラスチックを油化したオイルを生産フェアブント(統合生産拠点)に投入します。BASFは、パートナーであるRecenso社(ドイツ) からこの試作品の原料を入手しています。代替手段として、プラスチック廃棄物から作られる合成ガスも使用することが可能です。10月、ルートヴィッヒスハーフェンのBASF拠点にあるスチームクラッカーに、初回分のオイルを投入しました。スチームクラッカーは、フェアブント生産(統合生産)における出発点です。スチームクラッカーは、摂氏約850度の温度で原料を分解します。このプロセスでは主にエチレンとプロピレンが生成されます。こうした基礎化学品は、数多くの化学製品の製造のため、フェアブントで使用されています。マスバランス方式に基づき、再生原料の割合を認証済みの手法を用いて最終製品に割り当てることができ、お客様はそれぞれ、再生原料の割合を選ぶことが可能です。

技術面、規制面の課題

市場も社会も業界に対し、プラスチック廃棄物を処理するための建設的なソリューションを見出すことを期待しています。ケミカルリサイクルは、その他のリサイクルや廃棄物管理プロセスを革新的な形で補完するものです。BASFのサステナビリティ・エキスパートであるアンドレアス・キヒェラーは、「すべてのソリューションが、各種廃棄物に適しているわけではない、あるいは各製品用途において可能なわけではないため、プラスチック廃棄物に関しては様々な回収の選択肢が必要です。しかし、どのようなケースであれ、ライフサイクル評価において最も良い結果を出せるソリューションを第一の選択肢として選ぶべきでしょう」と述べています。

しかし、プロジェクトによる製品を市場へ展開するには、技術面や規制面での条件を満たさなければなりません。例えば、一貫して高い品質を確保できるよう、プラスチック廃棄物を熱分解油や合成ガスなどの再生原料に転換するための既存技術をさらに開発し、適応させていく必要があります。さらに、地域の規制も、各市場においてこのアプローチをどの程度確立することができるのかに大きく影響します。例えば、ケミカルリサイクルやマスバランス方式が、製品や用途固有のリサイクル目標の達成に貢献するものとして認識されることが不可欠です。

プラスチック廃棄物の責任ある処理が重要

プラスチックは、技術的応用や医療、日常生活に多くのメリットをもたらし、他の材料よりも優れた選択肢である場合が多々あります。課題は、使用済みのプラスチックを責任ある形でどう管理するかということです。プラスチックに関する機能的な廃棄物管理システムや責任のある消費者行動が、プラスチックごみから生じる公害などの問題を解決していくうえで、非常に重要になります。そのために、BASFは協会レベル、国際レベルで様々なプロジェクトに関与しています。例えば、BASFは世界プラスチック協会(World Plastics Council)のメンバーであり、また、エレン・マッカーサー財団の2つのプログラムにも参加しています。さらに、BASFはOperation Clean Sweep®のメンバーでもあります。これはプラスチックペレットやプラスチックの薄片、粉末の環境への漏出を防止することを目的とした、プラスチック業界の国際的な取り組みです。BASFの新たなChemCyclingプロジェクトは、責任ある資源利用における新たなマイルストーンであり、BASFがお客様の目標達成を支えながら、グローバルな課題に具体的にどう対処しているかを示す一例です。

BASFのChemCyclingプロジェクトに関する詳しい情報は、当社ウェブサイトをご覧ください。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く、世界をリードする化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で115,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。製品ポートフォリオは化学品、高性能製品、機能性材料、アグロソリューションの4つの事業部門から成ります。2017年のBASFの売上高は約600億ユーロでした。BASFは、フランクフルト(BAS)、ロンドン(BFA)およびチューリッヒ(BAS)の証券取引所に上場しています。BASFの詳しい情報は、www.basf.comをご覧ください。

Infographic

ChemCycling 図解

Dr. Andreas Kicherer and Dr. Stefan Gräter talk about the different types of plastic waste and their recycling

さまざまな種類のプラスチック廃棄物とそのリサイクルについて語り合うシュテファン・グレーターとアンドレアス・キヒェラー

Dr. Stefan Gräter and Dr. Andreas Kicherer are showing a sample of pyrolysis oil and thus produced plastic in front of the Steamcracker

スチームクラッカーの前で、熱分解油のサンプルと、それを原料として製造したプラスチックを手にするシュテファン・グレーターとアンドレアス・キヒェラー

Last Update 2019/09/03