BASF、バイオテクノロジー分野を強化し天然香料市場へ参入
- アロマバイオテックの革新的リーダーであるIsobionics社を買収
- バイオテクノロジー研究を主導するConagen社と提携
- バイオテクノロジーベースの天然バニリン、バレンセン、ノートカトン市場に参入
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、天然香料・香粧品のグローバル市場(F&F)においてバイオテクノロジーの革新的リーダーであるIsobionics社(アイソバイオニクス、本社:オランダ)を買収し、また、バイオテクノロジー研究分野を主導するConagen社(コナジン、本社:アメリカ)との提携により、天然香料市場に参入します。アロマケミカルズのリーディングサプライヤーとして、バニリン、ノートカトン、バレンセンなど天然原料のポートフォリオを拡充します。BASFが持つ研究開発力と幅広い販売網に、IsobionicsとConagenのノウハウと専門知識を組み合わせることで、バイオ技術に基づいた香料原料のテクノロジーを発展させます。
「消費習慣の変化と天然原料不足の可能性を考慮し、我々のバイオテクノロジーの分野を強化することがBASFの戦略の中心にあります」とBASFのニュートリション & ヘルス事業の責任者メラニー・マス-ブルナーは述べています。
Isobionicsの買収について
「香料業界では、天然素材へのニーズが高まっています。しかし、品質と供給の安定性、そしてサステナビリティは、お客様にとって常に大きな課題です。バイオ技術をベースにした香料原料市場に参入することで、お客様に高品質な製品を提供し、市場の課題に応えていきます」とBASFのアロマ原料事業を率いるジュリア・ラクエは述べています。
「BASFは、高品質な規格、トレーサビリティ、レギュレーションにおける優れたノウハウで知られています。バイオテクベースの製品ポートフォリオと強力な開発パイプライン、BASFの専門知識とグローバル市場へのアプローチを組み合わせることで、天然香料原料市場にさらなる革新をもたらし、成長を促進することができます」とIsobionicsの創設者であるToine Janssen(トワアヌ・ヤンセン)氏は述べています。
Isobionicsは、オランダのGeleen(へレーン)にある、バイオテクノロジーをベースにした香料原料会社です。同社はノートカトンやバレンセンなどのかんきつ類油成分を中心に、F&F市場向けに幅広い天然成分を開発・生産しています。Isobionicsの全従業員がBASFのアロマ原料事業の所属となります。
Conagenとの提携について
BASFは、Isobionicsの買収に加えて、バイオテクノロジー分野研究をリードするConagenとの協力協定に調印しました。BASFはこの提携により、市場で最も需要の高い芳香成分のひとつである天然バニリンを市場に供給することができます。
BASFが販売する天然バニリンは、米由来のフェルラ酸をベースにしているため、天然バニリンFと名付けられています。そのクリーンなバニリン特性から、天然バニリンFは「オールナチュラル」表示において、チョコレート、イチゴ、キャラメルなどあらゆるフレーバー用途として理想的です。
Conagenは発酵原料の優れた研究開発力、商品化力を有しています。発酵は、ビールの醸造やパンを焼く過程でよく知られている古代から続く技術です。ある物質を別の物質に変換するために、細菌や真菌などの微生物が用いられます。
さらに、BASFのニュートリション & ヘルス事業本部では近年、酵素の研究と生産に特化したグローバル・ビジネス・ユニットを設立しました。酵素は、食品、飼料、技術産業における天然加工助剤をはじめ、幅広いアプリケーションの原料として利用可能です。
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。
BASF ニュートリション&ヘルス事業本部について
ニュートリション&ヘルス事業本部は、食品・飲料添加用栄養成分および飼料添加物、医薬品、エタノール、香料・香粧品の各業界向けの総合的な製品・サービスを開発・製造・販売しています。革新的なソリューションと最新技術により、お客様のビジネスにおける効率性改善と製品の安定供給に貢献しています。主要な食品・飲料添加用成分としては、ビタミン類、カロテノイド類、植物ステロール、乳化剤、オメガ -3 脂肪酸などがあります。ビタミン類とカロテノイド類は、飼料添加物の分野においても主要な製品群であり、その他、微量元素、酵素類、有機酸類などの製品があります。医薬品業界に対しては、幅広い種類の添加剤とイブプロフェンやオメガ-3 脂肪酸などの有効成分を提供しています。 高度な技術を駆使して、エタノール生産など、さまざまな市場向けの高性能産業用酵素を開発しています。 さらに、香料・香粧品業界向けに、シトラール、ゲラニオール、L- メントールなどの香料原料も製造しています。BASF のニュートリション&ヘルス事業本部は、欧州、北米、南米、そしてアジア太平洋地域にあります。BASF のニュートリション&ヘルス事業本部の詳細は、https://www.basf.com/jp/ja/products/nutrition.html をご覧ください。
BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約122,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント (ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2018年のBASFの売上高は約630億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、www.basf.comをご覧ください。