Trade News | March 15, 2020

Ultradur®の新グレード、PVC樹脂製窓枠の特性を改善

(この資料は BASF本社(ドイツ)が 2020年1月24日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。)

  • 溶融温度が最適なエンジニアリングプラスチックで、製造プロセスをさらに簡素化
  • PVCとUltradur®から成る複合材料向けの優れたリサイクルソリューション

BASF(本社 ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、PVC(ポリ塩化ビニル)樹脂との  共押出に使用可能なUltradur® (ウルトラデュアー、Ultradur® B4040G11HMG HP green 75074)を開発し、特性を大幅に向上させました。この新しいUltradur®グレードは、押出成形プロセスによりPVC樹脂製の窓枠を機械的に強化します。スチールによる強化と比較して軽く、安定性を損なうことなく低コストで製造可能であり、断熱性も改善されます。さらに、よりスリムな形状を成形することも可能です。近代的な断熱材は効果的な気候保護に欠かせないものであり、それは新築、改築にかかわらず、建物の窓枠にとっても同様です。

材料特性の向上 ― より効率的に

高品質でBASF のUltradur®プラスチックは、多くの産業アプリケーションで使用されています。ガラス繊維を55%配合した、この特殊なUltradur®の開発により、窓枠加工メーカーおよび窓メーカーの双方に貢献します。

また、溶融温度が大幅に低下したことで溶融点がPVCの処理温度に非常に近くなり、PVCなどのポリマーとの共押出プロセスがさらに簡素化されます。

「新しく改良されたUltradur®グレードは、窓枠加工メーカーや窓メーカーに、生産面において明確な優位性をもたらします。私たちの製品と製造プロセスは、既存の生産ラインに問題なく適合できます」 とBASFのパフォーマンスマテリアルズ建材部門プロジェクトマネージャー、Dr. カイ・ブロックミュラーは述べています。 

Ultradur® ―高い材料特性と信頼性

今回開発された素材は、既存の主要な特性も保持しています。Ultradur®の高い剛性によりPVCと結合することで、従来のスチール窓枠を強化できます。共押出された窓枠は溶接可能で、既存の設備で加工できます。窓メーカーではスチール関連のプロセスを省くことができ、生産工数が削減されます。また、Ultradur®で強化された窓枠は軽量のため、製造時や建物への設置時の取り扱いが容易になります。断熱性の向上に加え、 設置時の寸法安定性が高く、設置後の収縮がほとんどありません。

将来のニーズに対応―リサイクルと新しいアプリケーション

PVCを使用した窓枠のリサイクル率は、多くの国で伸び悩んでいます。PVCとBASFの新しいUltradur®のハイブリッド窓枠は、一般的なリサイクル施設で分離、回収が可能です。窓枠メーカーでは、この2つの素材を分離して新たな窓枠に使用できるよう、リサイクル設備の改修が進んでおり、将来的には、提携する窓枠メーカーからの産業廃棄物やスクラップを再処理することが可能になります。

マルチタレント―さらなるアプリケーションの展開

優れた特性をもつ新しいUltradur®は、他の産業に対しても魅力的です。外枠を補強し、軽量性かつ高剛性や高断熱性が求められる場合や、特に高温環境が重要な場所において、BASFのテクニカルプラスチックは適しています。

すぐに使える金型

押出成形に関する金型やシステムの世界的なサプライヤーである、Greiner Extrusionグループ (本社:オーストリア)は、新しいUltradur®が、高度な繊維配向や流動性に対する信頼性、および押出成形のスピード等の望ましい要素を満たし、金型を製造出来ることを実証しています。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部について

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2018年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、世界で76.5億ユーロの売上高を達成しました。詳細に関しては、 www.plastics.basf.com をご覧ください。

 

BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で117,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2019 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

最終更新March 15, 2020