Business & Financial News | February 18, 2021

BASFとシーメンス・エナジー、カーボンマネジメント分野で協力

この資料は、BASFおよびシーメンス・エナジー社が2021年2月9日にドイツで発表した英語のプレスリリースを、BASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

 

  • 低炭素技術の産業利用を目的とした戦略的パートナーシップ
  • BASFの ルートヴィッヒスハーフェン本社工場向けのプロジェクト調査
  • 水素製造、ヒートポンプ、電力網のアップグレードに注力

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)とシーメンス・エナジー(本社:ドイツ)は戦略的パートナーシップの一環として、温室効果ガス排出量の削減に向けた新技術の商業的導入を加速します。BASFの技術的な専門知識とシーメンス・エナジーの革新的な製品およびサービスポートフォリオを組み合わせることにより、BASFは化学品製造におけるCO2排出量削減で主導的な役割を拡大することを目指します。世界最大級の化学品製造拠点で、BASFの本社があるルートヴィッヒスハーフェン工場では、複数のパイロットプロジェクトが検討されています。
パイロットプロジェクトには、モジュールでの容量拡張が可能な、出力50メガワットの水素製造用PEM(プロトン交換膜)電解槽の建設、生産プラントの廃熱からプロセス蒸気を生成するための50メガワットの高温サーマルヒートポンプの設置が含まれます。また、シーメンス・エナジーのデジタル製品とCO2最適化製品を使用し、ルートヴィッヒスハーフェン工場における電力網の近代化も査定中です。さらに、電解プラント(PEM電解)の効率を高めるためのシステムや触媒の共同開発、および風力発電での協力の可能性を評価するための調査も行われています。
シーメンス・エナジーの最高経営責任者であるDr. クリスチャン・ブルッフは次のように述べています。 「BASFは化学業界のリーダー的存在であり、気候変動に対応した化学品生産のイノベーション分野でのパイオニアです。技術の多くがまだ開発の初期段階にありますが、BASFと力を合わせることにより、パイロットプロジェクトで得られた経験を、新規技術やコンセプトの実装において活用し、プロセス産業におけるエネルギー転換の形成において積極的な役割を果たしたいと考えています。当社の戦略的目標は、あらゆる種類のエネルギーシステムの信頼できる経験豊富なパートナーとして、商品やサービスの需要の増大に対応すると同時に、より持続可能な世界に向かうために気候保護の目標達成に貢献することです。」
BASFの取締役会会長Dr. マーティン・ブルーダーミュラーは次のように述べています。「シーメンス・エナジーは、カーボンマネジメントを実行する上ですばらしいパートナーです。協力により、私たちはシーメンス・エナジーがもつ専門知識から恩恵を受けることができます。彼らとなら商業規模のプロジェクトをともに遂行することができるでしょう。BASFでは、新たな低炭素技術をいち早く開発・導入したいと考えています。このような技術を大規模に利用するには、適切な規制条件と対象を絞った支援が必要です。また、このために、私たちは競争力のある価格の再生可能な電力を大量に必要としています。」
BASFは2018年以来、カーボンマネジメントの取り組みとして、温室効果ガス排出量のさらなる削減を追求してきました。BASFは2030年まで、排出量の絶対値が2018年を超えないことを目標としています。この期間中に生産量の大幅な増加を計画していることを考えると、排出原単位ではさらに約30%削減することになります。また、新たに開発された技術の利用と再生可能エネルギーの利用増加に伴い、2030年以降も排出量をさらに削減することを目指します。これにより、BASFでの再生可能エネルギーによる電力需要は大幅に増加します。
BASFとシーメンス・エナジーは、戦略的パートナーシップに関する覚書に署名しました。この覚書は、BASFの野心的な気候目標の達成を支援することに焦点を当てています。シーメンス・エナジーにとってこのパートナーシップは、低排出または排出物を出さない発電および発熱、送電および電力貯蔵、二酸化炭素排出量の削減、産業プロセスにおけるエネルギー消費量の削減、持続可能な水素経済の形成といった戦略的目標の達成に向けた重要な一歩となります。
BASFとシーメンス・エナジーは、商業的な実現可能性が確認されたパイロットプロジェクトをできる限り早期に調査し、それによって必要な投資を確実に定量化し、一般的な枠組みの範囲内で実施することを目指します。
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

■BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で117,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2019 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

■シーメンス・エナジーについて
シーメンス・エナジーは、世界的なエネルギー事業会社です。将来のエネルギーシステムについて顧客やパートナーと協力し、より持続可能な世界への移行を支援しています。製品、ソリューション、サービスのポートフォリオにより、シーメンス・エナジーは、発電から送電、貯蔵まで、エネルギーのバリューチェーンのほぼ全体をカバーしています。このポートフォリオには、ガスタービンや蒸気タービン、水素で稼働するハイブリッド発電所、発電機や変圧器などの従来型および再生可能エネルギー技術が含まれます。ポートフォリオの50%以上はすでに脱炭素化されています。上場企業Siemens Gamesa Renewable Energy (SGRE) の株式の過半数を取得することにより、シーメンス・エナジーは再生可能エネルギーの世界的な市場リーダーとなります。世界で発電される電力の推定1/6は、シーメンス・エナジー社の技術に基づいています。シーメンス・エナジーは世界中で9万人以上の従業員を90か国以上で雇用しており、2020年度の収益は約275億ユーロでした。
 www.siemens-energy.com.

 

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最終更新February 18, 2021