Trade News | March 24, 2021

Ultramid® Advancedにカーボン繊維強化された新グレードを追加、部品の軽量化と高性能化を実現

この資料はBASFが2021年2月25日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

 

  • 優れた機械的特性で、アルミニウムやマグネシウムの代替が可能
  • 自動車構成部品、家庭用電子機器、産業機器用途に最適

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、カーボン繊維を20、30および40%強化したUltramid® Advanced(ウルトラミッド アドバンスト)を新たに追加し、ポリフタルアミド(PPA)のポートフォリオを拡充します。これら新素材により、部品の超軽量化を実現し、また、導電性を備えているため剛性と強度を失うことなく、安全にアルミニウムやマグネシウムとの代替が可能になります。さらに、既存のUltramid® Advanced N(PA9T)の特長である、低吸水性による寸法安定性や、優れた耐薬品性と耐加水分解性、高強度かつ高弾性も有しており、一般的なカーボン繊維強化PPAの中でもユニークなものとなっています。この新しくカーボン繊維強化されたUltramid® Advancedは、ボディ、シャーシ、パワートレイン、ポンプ、ファン、ギア、コンプレッサなどの自動車構成部品や、家庭用製品の超軽量部品の製造に使用可能で、BASFはこの製品により、50を超えるグレードをもつPPAポートフォリオをさらに拡充します。

カーボン繊維で強化されたUltramid® Advancedの機械的性能は、カーボン繊維の含有量と添加剤によって調整可能です。例えばカーボン繊維含有量40%のUltramid® Advanced N3HC8は、マグネシウムやアルミニウムよりも80°C(条件付き)において優れた強度と弾性率を示しています。「カーボン繊維を使用した、この新しいUltramid® Advanced CFグレードは、金属の代替素材として理想的です。素材特性の観点からだけでなく、近年は各国のマグネシウム生産において安全上の問題が発生しており、供給の見通しが難しくなっています。さらに、マグネシウムやアルミニウムから部品を製造するには追加の後工程や金型が必要となり、システムコストが増加します。BASFのUltramid® Advanced CFグレードでは、25%から30%の部品軽量化も実現させ、これまでの金属製に代わる、安全でコスト効率が高い、高性能な代替品の提供を可能にします」とBASFのPPAビジネスマネジメントのマイケル・ピラスキーは述べています。

BASFのシミュレーションツールUltrasim®(ウルトラシム)を用いることで金型流動解析と成形部品に最適な金型の開発が可能になり、Ultramid® Advanced CFグレードは、さまざまな産業において機能性の統合と軽量化を実現します。構造部品やパワートレイン部品を軽量化することで、電気自動車や燃料電池車の航続距離を伸ばすことができます。また、高剛性かつ高強度、優れた寸法安定性、超軽量性と加工性などの利点から、家庭用電子機器の軽量で薄型の精密構造に貢献します。さらに、寸法安定性、耐薬品性、耐熱性、耐摩耗性にも優れているため、ポンプやコンプレッサのような、重量があり、高負荷で使用期間が長い産業機器の製造を容易にします。

カーボン繊維で強化されたPPA化合物は、ガラス繊維強化ポリアミド(PA)よりも軽量で高い引張弾性率を示しており、カーボン繊維を20wt%強化したPPAグレードは、ガラス繊維50%充填したPA6やPA66よりも約20%軽量です。また、カーボン繊維強化20%のUltramid® Advancedの引張強さは、ガラス繊維を50%充填された強化ポリアミドと同等以上で、優れた加工性を示しています。Ultramid® Advanced N3HC8は、高温下でのエージングも非常に安定しており、120°Cで5,000時間、また150°Cで3,000時間のヒートエージング後でも、引張弾性率をほぼ100%維持しています。

Ultramid® Advancedについて

BASFのPPA製品群は、Ultramid® Advanced N(PA9T)、Ultramid® Advanced T 1000(PA6T/6I)、Ultramid® Advanced T 2000(PA6T/66)、および長年の実績を持つUltramid® TKR(PA6T/6)によって構成されています。自動車産業や電機電子産業、機械工学、消費財など多様な分野において、軽量で高性能な次世代プラスチック部品の可能性を広げます。PPAの製品群は世界各国で販売されており、BASFのUltrasim® シミュレーションツールとアプリケーション開発における豊富な経験に基づき、射出成形や押出成形用に50以上の配合グレードがあります。難燃剤の有無や、様々な熱安定剤、無着色からレーザーマーキング可能な黒色といった色味や、短繊維ガラス、長繊維ガラスまたは炭素繊維強化材などから選択可能です。

BASFのUltramid®およびPPAソリューションの詳細についてはhttp://www.ultramid-advanced-n.basf.comまたはhttp://www.ppa.basf.com(英語)をご覧ください。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部について

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、材料のノウハウを一つに融合し、革新的でカスタマイズされたプラスチック関連製品とサービスを提供します。本事業部はトランスポーテーション、建築・建設、インダストリアルアプリケーション、消費財という4つの主要産業部門で世界的に事業を展開しており、強力な製品・サービスポートフォリオを備え、アプリケーション志向のシステムソリューションを深く理解しています。収益性と成長を促進させている主な要素は、お客様との緊密な連携と、明確なソリューション重視の姿勢です。研究開発の点でも高い能力を有しており、それが革新的な製品やアプリケーションを開発する基盤となっています。2020年、パフォーマンスマテリアルズ事業本部は、世界で56.3億ユーロの売上高を達成しました。詳細に関しては、www.plastics.basf.comをご覧ください。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で110,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2020 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

 

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最終更新March 24, 2021