Business & Financial News | June 2, 2021

BASFとRWE、気候保護に向けた新技術で協力

この資料は BASF本社(ドイツ)とRWE(ドイツ)が 2021年5月21日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

 

  • グリーン電力と革新的な生産技術により、ルートヴィッヒスハーフェン工場は化学業界における気候保護のトップランナーを目指す 
  • 発電容量2ギガワットの洋上風力発電所を増設し、BASFが取り組む2030年以降のCO2を排出しない生産プロセスのためのグリーン電力を供給
  • クライメートニュートラル(気候中立)な化学産業と、CO2排出量ゼロの水素製造の実現に向けた基本合意書を締結
     

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)の取締役会会長Dr.マーティン・ブルーダーミュラーと、RWE社(本社:ドイツ エッセン)のCEOであるDr. マーカス・クレバーは、鉱業・化学・エネルギー労働組合(IG BCE)のミハエル・バシリアディス委員長と共に、将来にわたり持続可能な工業生産のためのプロジェクト案を発表しました。同プロジェクトでは、ルートヴィッヒスハーフェンの化学工場にグリーン電力を供給し、CO2フリーの水素製造を実現するため、2ギガワット(GW)の発電容量を有する洋上風力発電施設の追加建設を計画しており、化石燃料をベースとする既存の基礎化学品生産の電化を目指しています。

本プロジェクトは、石油化学製品の生産に電気加熱式スチームクラッカーなどのCO2フリー技術を利用するもので、BASFはすでにパートナー企業と協力して同技術の開発を進めています。BASFとRWEの両CEOは、この共同プロジェクトを推進するため、再生可能電力を生産する発電施設の増設と、気候保護に向けた革新的技術の利用について、広範に及ぶ協力を定める基本合意書に署名しました。

Dr. ブルーダーミュラーとDr. クレバーは、次のように述べています。「私たちは電化とCO2フリー水素の利用を通じて、CO2に依存しない化学産業への移行を共に加速していきます。」

また、IG BCEのミハエル・バシリアディス委員長は、次のように述べています。「両社は共同プロジェクトにおける強力なパートナーとして、気候保護に役立つ変革とエネルギー転換を目に見える具体的な形で推進していきます。私たちがこの大型プロジェクトを支持するのは、それが化学業界と従事者にとっての技術革新の象徴になると信じているからです。様々な分野で変革を実現するため、多大なる情熱と専門的知見を投入する両社の取り組みは、あらゆる支援に値します。」

年間のCO2排出削減量は約380万トンとなる見通しで、そのうち280万トンはルートヴィッヒスハーフェンの化学工場で実現される見込みです。これは化学業界において、気候保護と競争力の維持を両立するための明確なロードマップと言えます。なお、風力発電施設の建造における公的補助金の利用は予定されていません。

BASF取締役会会長Dr. マーティン・ブルーダーミュラーは、次のように述べています。「再生可能なエネルギー源から安価で十分な量の電力が得られなければ、将来に向けた変革は実現しません。この課題を克服するには、政策当局と業界の間で革新的な協力体制を敷き、集中的に取り組むほかありません。バリューチェーン全体での協力が必要なのです。電力業界のリーディングカンパニーであるRWEと化学業界のBASFのパートナーシップにより、私たちはこの変革に求められる各種条件をまとめ、各当事者の意思を結集します。」

RWEのCEOであるDr. マーカス・クレバーは、次のように述べています。「すでに計画段階にある新たな洋上風力発電施設の電力をBASFのような法人顧客に提供するのは、ドイツでは初めての試みです。BASFは生産工程のエネルギーをグリーン電力に切り替え、それをもとに水素を製造する予定です。私たちの提案が実現すれば、再生可能エネルギー拡大の本格的な加速につながるでしょう。未解決の課題はまだ複数ありますが、私たちはより迅速に、より良い形でプロジェクトを推進し、エネルギー転換を実現する所存です。」

この計画実現には、適切な規制の枠組みが必要となります。政府の発表では、再生可能エネルギーの導入目標を大幅に引き上げ、発電容量の拡張を加速する予定とのことですが、これを実現するには、現時点で2030年以降の使用を想定した洋上発電プロジェクト用地の入札が必要です。両社は、これらの用地を産業界のエネルギー転換のための重要な入札として、特別指定すべきだと主張しています。さらには、グリーン電力は再生可能エネルギー法(EEG)の賦課金の対象とされるべきではないというのも重要な点です。また現時点では、CO2フリーの水素生産についての規制の枠組みは定められていません。

BASFとRWEは、この度発表されたプロジェクトを通して、ドイツの産業部門が変革を巧みに計画し、成功へ導くための方法を示しました。BASF取締役会会長Dr. ブルーダーミュラーとRWEのCEOであるDr. クレバーは次のように述べています。「私たちは、『Made in Germany』の気候中立的な工業生産がドイツにおける付加価値と雇用を維持し、新技術の輸出機会を創出していくと確信しています。」

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で110,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2020 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。

 

■RWE AGについて

RWEは世界有数の再生可能エネルギー企業です。水力やバイオマスなどの再生可能エネルギーをベースとした約11ギガワットの発電容量を持ち、高効率のガス発電フリート事業や国際的なエネルギートレーディング事業も展開しています。RWEは、陸上・洋上風力発電、太陽光発電、蓄電技術に投資することで、事業の一層の拡大を目指しています。エネルギー転換の推進役として、浮体式洋上風力や水素の生成と利用などの革新的なプロジェクトに注力すると共に、原子力や石炭による発電事業については、政府が打ち出しているロードマップに沿って責任を持って段階的廃止を進めています。同社のポートフォリオは総発電容量にして約41ギガワットに達しており、世界で約2万人の社員を雇用しています。RWEは2040年までにカーボンニュートラルを達成するという明確な目標を掲げており、その実現に向けて、温室効果ガス排出の原因となるすべての活動について野心的な目標を設定しています。この目標は、科学的な知見と整合した削減目標の設定を企業に求める国際的取り組みとして著名な「SBTi(Science Based Targets initiative)」によって科学的な確認がなされています。

 

DSGVOについて

RWEは、ドイツ一般データ保護規則(DSGVO)の導入後も、引き続きプレスリリースを通じてRWEの最新情報をお知らせしていく意向です。なお、当社のプライバシーポリシーは変更されました。当社がプレスリリースを送付する目的で収集、保存、処理する個人データを第三者に提供することはありません。お客様の個人データは任意での提供されたものであり、お客様にはいつでもこの使用を禁止する権利があります。また、お客様は、保存された個人データに関する情報をいつでも当社から入手し、当該データの処理または使用に異議を申し立てる権利を常に持っています。今後プレスリリースの配信継続を希望しない場合は、datenschutz-kommunikation@rwe.comまでご連絡ください。お客様のデータを当社のシステムから消去し、当社からプレスリリースが送信されないようにいたします。当社のプライバシーポリシーに関するお問合せは、datenschutz@rwe.com.datenschutz@rwe.com までご連絡ください
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Michael Vassiliadis, Chairman of the Mining, Chemical and Energy Industries Union (IG BCE) and the CEOs of RWE and BASF, Dr. Markus Krebber and Dr. Martin Brudermüller.

記者会見にて(左から):

鉱業・化学・エネルギー労働組合(IG BCE) ミハエル・バシリアディス委員長

RWE CEO Dr. マーカス・クレバー

BASF取締役会会長Dr.マーティン・ブルーダーミュラー

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最終更新June 2, 2021