Trade News | September 19, 2022

BASF、ARCUS社と混合プラスチック廃棄物由来の熱分解油の生産と調達に関する契約を締結

この資料は BASF本社(ドイツ)が 2022年9月5日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが 日本語に翻訳・編集したものです。

 

  • ARCUS、ドイツ初の混合プラスチック廃棄物の商業規模熱分解油プラントの 立ち上げを計画

  • BASFのChemCycling®事業のさらなる拡大が可能に

  • 最大で年間10万トンの熱分解油の供給を見込む

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、テクノロジー企業のARCUS Greencycling Technologies GmbH(アーカス グリーンサイクリング テクノロジーズ、 本社:ドイツ、以下「ARCUS」)と、混合プラスチック廃棄物由来の熱分解油生産と調達に関する枠組み契約を締結しました。両社は、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)の観点から、メカニカルリサイクルされないプラスチック廃棄物を還元し、CO2排出量を 削減するために、バリューチェーンにおいてそれぞれのノウハウで貢献したいと考えています。ARCUSはBASFに熱分解油を供給し、今後数年間でその供給量を拡大する 予定です。BASFは、この熱分解油を自社の生産工場でCcycledTM製品の原料として使用する予定です。

 

フランクフルトに建設されたARCUSの実証プラントは、ドイツで初めての商業規模の 設備であり、メカニカルリサイクルされない混合プラスチック廃棄物から熱分解油を生産しています。ARCUSのCEOであるダニエル・オーデンタールは、「生産された熱分 解油の買取保証により、当社はより高い生産能力のプラントの建設が可能となり、BASFと共に物質の循環モデルに大きく貢献することができます」と述べています。この契約により、熱分解油の引取量は最大で年間10万トンまで増加することが見込まれています。

 

BASFのケミカルリサイクルビジネス&テクノロジー担当バイスプレジデントである クリストフ・ガーンは、「ARCUSとのコラボレーションは、化学産業においてリサイクル原料を使用することで資源を節約し、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)への移行を推進するというBASFの取り組みを明確にするものです。こうした目標を達成するためには、機敏で革新的な企業とのパートナーシップが重要です。ARCUSというCcycledTM製品の製造に必要な熱分解油を商業規模で供給してくれるパートナーを、ドイツで見つけることができたことを嬉しく思います。このようにして、私たちはお客様のサステナビリティへの目標達成をサポートします」と述べています。

 

この契約は、リサイクルされていないポストコンシューマープラスチック廃棄物を、工業 規模でケミカルリサイクルするBASFのChemCycling®(ケミサイクリングTM)事業の拡大における、新たな基盤となります。BASFは、ARCUSから供給される熱分解油を ルートヴィッヒスハーフェンにおける生産ネットワークに投入し、化石資源の代替とします。リサイクル原料の割合は、マスバランス・アプローチを用いて、生産フェアブント(統合生産拠点)で製造される製品に割り当てます。割り当ては独立機関に監査されます。CcycledTMという名称の付いた製品は、従来の製品と全く同じ性能を持っています。そのため、お客様は従来と同じように加工することができるほか、自動車部品など、高い品質や性能を求められる用途にも使用できます。これらの製品は2020年から市販されています。

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

 

■BASFについて 

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で110,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2021年のBASFの売上高は786億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。

 

■ARCUSについて

ARCUSは、2016年に設立されたグリーンテック・スタートアップ企業です。その技術によって、炭素循環の中でリサイクルできない、あるいは困難でしかないプラスチック廃棄物を持続的にリサイクルし、一方では化石原料の使用を減らし、他方ではプラスチック廃棄物のグローバルな課題を克服することを目指しています。アーカスグリーンクリングテクノロジーズ社は、ルートヴィヒスブルクに本社を置いています。詳しくはこちら。詳しくは、www.arcus-greencycling.com をご覧ください。

 

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From left: Julian Odenthal, Project Management ARCUS; Marco Tomasi Morgano, CTO ARCUS; Markus Klatte, CFO ARCUS; Stefan Strege, ChemCycling Projects Europe BASF; Christoph Gahn, Vice President Chemical Recycling Business & Technologies BASF; Daniel Odenthal, COO ARCUS; Mark Eberhard, Plant Manager ARCUS.  Photo: BASF 2022
左からARCUSプロジェクトマネージャー ジュリアン・オーデンタール、ARCUS 最高技術責任者 マルコ・トマシ・モルガノ、ARCUS 最高財務責任者 マーカス・クラッテ、BASF ChemCycling®(ケミサイクリングTM)プロジェクト欧州担当 シュテファン・シュトラーゲ、BASFのケミカルリサイクルビジネス&テクノロジー担当バイスプレジデント クリストフ・ガーン、ARCUS最高執行責任者 ダニエル・オーデンタール、ARCUS工場長マーク・エバハルト
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Left: Christoph Gahn, Vice President Chemical Recycling Business & Technologies BASF; right: Marco Tomasi Morgano, CTO ARCUS. Photo: BASF 2022
左:BASFのケミカルリサイクルビジネス&テクノロジー担当バイスプレジデント クリストフ・ガーン、右:ARCUS 最高技術責任者 マルコ・トマシ・モルガノ
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From left: Daniel Odenthal, COO ARCUS; Christoph Gahn, Vice President Chemical Recycling Business & Technologies BASF; Markus Klatte, CFO ARCUS; Stefan Strege, ChemCycling Projects Europe BASF.  Photo: BASF 2022
左からARCUS最高執行責任者 ダニエル・オーデンタール、BASFのケミカルリサイクルビジネス&テクノロジー担当バイスプレジデントクリストフ・ガーン、ARCUS最高財務責任者マーカス・クラッテ、BASF ChemCycling®(ケミサイクリングTM)プロジェクト欧州担当 シュテファン・シュトラーゲ
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最終更新September 19, 2022