BASF、旭化成のロイカ®にバイオマスバランス・アプローチによるテトラヒドロフランを供給
- ロイカ®はスポーツウェアやその他のテキスタイル分野向けに、よりサステナブルなストレッチファイバーを生産
- ロイカ®は再生可能エネルギーの利用およびBASFのTHF BMBの使用により、約50%のCO2削減を目指す*1
- テキスタイルのバリューチェーンにおける再生可能原料の利用を加速させ、よりサステナブルなテキスタイル製品に対する世界的な需要の高まりをサポート
BASF(本社:ドイツルートヴィッヒスハーフェン)は、旭化成株式会社(本社:東京都、以下、旭化成)のロイカ事業部に、バイオマスバランス・アプローチによるテトラヒドロフラン(THF BMB*2)を供給することになりました。旭化成は、BASFのTHF BMBを使用して、ロイカ®ブランドのもと、サステナブルなマスバランスグレードのプレミアムストレッチファイバーを生産します。今回の提携は、旭化成のお客様による新しいサステナブルなアパレルコレクションの立ち上げをサポートすることを目的としています。
ロイカ®はMB(マスバランスアプローチ)ストレッチファイバーを同社の多くの製品にオプションとして供給していきます。同ブランドはMBストレッチファイバーで市場に進出予定であり、すでに複数のアパレルメーカーと協議を開始しています。
BASFのTHF BMBは、既存製品と比較して製品カーボンフットプリント(PCF)が大幅に削減されていることが評価されています。これは、フェアブント(統合生産拠点)での製造において、使用する一定量の化石原料を再生可能原料に置き換えることによって実現しています。旭化成は、BASFのTHF BMBの使用により、同社の既存製品と比べてCO2排出量を約25%削減することができます。また、同社独自のマスバランス方式と再生可能エネルギーを生産に導入することで、旭化成は製品のCO2排出量をさらに約25%削減し、CO2排出量を既存製品よりもトータルで約50%削減することを目指します。 BASFのTHF BMBは、大規模な投資や製品フォーミュレーションの変更を必要としないドロップイン・ソリューション*3であり、従来の製品と同一の品質と特性を保持できます。
BASF中間体事業本部アジア太平洋地域のジオール&デリバティブ事業管理部門ディレクターであるチュン・ガ・プアは、次のように述べています。「私たちは、旭化成とのサステナビリティパートナーシップによる発展を大変うれしく思っています。世界のアパレル市場では、よりサステナブルな原料を採用する傾向が強まっています。私たちはバイオマスバランス・アプローチ開発のパイオニアとして、お客様が低炭素で循環型のバイオ経済への移行を加速できるようにサポートします。そして、消費者がサステナブルな製品の十分な情報を得た上で、購買を判断できるよう促し、よりサステナブルなテキスタイルのバリューチェーンを構築していきます。」
旭化成のライフイノベーション事業本部ロイカ事業部の事業部長である神山剛啓氏は、次のように述べています。「革新的な素材の開発と製造におけるグローバルリーダーの一社として、私たちは事業の柱である独自性とサステナビリティを結びつける取り組みにおける新たな一歩と捉えています。」
THFはエーテルのような臭いを持つ無色の水混和性の液体です。この場合、THFはポリテトラヒドロフラン(PolyTHF®)の製造に使用され、高弾性のスパンデックスやエラスタン繊維の原料になります。さらにTHFは、有機物質に対して中間的な極性を持つ有機溶媒として機能し、様々な合成の反応溶媒や出発物質として使用されます。

旭化成のロイカ(R)の持続可能なマスバランスグレードのプレミアムストレッチファイバーには、BASFのTHF BMBが使用されています
*1 旭化成によると、この削減率は2019年度のロイカ全銘柄の平均PCFを使って算出したものです。削減率は、ロイカ® 従来品(2019 年度平均;石油由来原料、通常電力を使用)のPCF算定値を分母に、低PCFタイプのロイカ®(THFにバイオマス原料、再エネ証書電力を使用)のPCF算定値を分子とし算出しています。PCF算定値は、ISO14067に準拠して計算され、原料の採取から旭化成の工場を出るまでの範囲を対象としています。
旭化成による算定値の元となる排出原単位(活動量あたりのGHG排出量)は、Scope1(直接排出)およびScorpe2(電力・蒸気)、は、2019 年度の実績値、Scope3 のカテゴリ1(原料)は、サステナブル経営推進機構が提供している「IDEA」ver2.3および、一部サプライヤーからの一次データを用いています。
旭化成による算定値は、ISO14067 の考え方に従いバイオマスが成長時に吸収したGHG 量を控除して算出しています。
旭化成による算定値は、あくまでも現段階で得られる情報を基に算定したものであり、保証値ではありません。また、その算定値は、プロセス・技術等の改善・改良、原材料情報、法改正などの見直し等により変化し得るものであることをご理解ください。
この主張は旭化成の責任においてなされたものであり、BASFはこれを検証せず、また、BASFがこれを保証し、責任を負うものではありません。
*2 バイオマスバランス製品の場合、BASFはフェアブントの生産設備において、製品の生産に通常必要な化石原料の100%を再生可能原料に置き換えます。再生可能な炭素含有量は、最終製品では物理的に特定できませんが、再生可能な炭素の割合がその製品に完全に割り当てられます。このCoC(Chain ofCustody: 加工・流通工程の管理)の手法を、バイオマスバランスといいます。透明性を確保するため、REDcert2のような広く認知されたマスバランス基準に準拠しており、BASFの各バイオマスバランス製品に対して第三者機関による認証を受けています。BASFのTHF BMBはREDcert2の認証を受けています。
REDcert2は、化学産業において持続可能なバイオマスを原料として使用する際の基準です。BASFのバイオマスバランス・アプローチに関して、これらの基準に準拠した認証は、使用されるバイオマスがより持続可能なものであり、必要な量が生産フェアブントに投入されていることを証明するものです。また、持続可能なバイオマスが対応する販売製品に正しく割り当てられていることも保証します。認証は、独立監査人による現地監査に基づいて授与されます。
*3 ドロップイン・ソリューションとは、標準的な化石資源由来製品と同等の品質および特性を持つバイオマスバランス原料を使用することを指します。お客様は、既存の製造工程を変更することなく、バイオマス原料を使用することができます。
■ロイカ®について
ロイカ®「アドバンスドフィットフォーリビング」は、現代のワードローブにフィットする革新的なスマート機能を備えたプレミアムストレッチファイバーです。ロイカ® は、高品質、パフォーマンス、フィット感で快適さを形作り、スポーツ、アクティブウェア、アンダーウェア、ファッション、ビジネスの日常生活に価値を加えます。ロイカ®は旭化成株式会社のブランドです。
ロイカ® | 旭化成株式会社繊維事業(asahi-kasei.co.jp)
■旭化成について
旭化成(株)は、日本を代表する化学メーカーであり、そのマテリアル部門に位置するロイカ®は、長い歴史の中で積み上げられてきたポリマーサイエンスをベースに事業展開を行う「プレミアムストレッチファイバー」のブランドです。アクティブウェアをはじめ、アウター、インティメイト、レッグなどの衣料から衛材、資材分野まで幅広い用途に向けた開発・販売を行っています。
企業理念である“世界の人びとの「いのち」と「くらし」に貢献する”ことを事業の基盤に、「サステナブル」と「独自性」をブランドの中核に据え、常に新しい挑戦を続けながら、持続可能な社会への貢献に努めています。旭化成株式会社(asahi-kasei.com)
■日本のBASFについて
BASFは1888年より日本市場のパートナーとして事業活動を行っています。国内にも生産および研究開発拠点を構え、自動車、建設、医薬品・医療機器、電機・電子、包装材、パーソナルケア・ホームケア、農業・食品など、ほぼすべての産業に製品とソリューションを提供し、国内およびグローバル市場で活躍する日本のお客様の成功に貢献しています。2022年の日本での売上高は約26億ユーロ(約3,576億円)、年末の従業員数は923人です。日本のBASFに関する詳しい情報はhttps://www.basf.com/jp をご覧ください。
■BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で110,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2022年のBASFの売上高は873億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。
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