Business & Financial News  |  2023年11月2日

BASF、2023年第3四半期の特別項目控除前営業利益はアナリストのコンセンサスとほぼ一致、2023年の見通しは変更せず

この資料はBASF本社(ドイツ)が2023年10月31日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。

 

  •  売上高は157億ユーロ(前年同期:219億ユーロ)
  •  特別項目控除前営業利益は6億ユーロ(前年同期:13億ユーロ)
  • 営業活動によるキャッシュフローは27億ユーロ(前年同期:23億ユーロ)
  • 2023年通期の売上高および特別項目控除前営業利益は、7月に発表した予想
    範囲の下限にとどまる見通し

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)はこのほど、2023年第3四半期の業績を発表しました。売上高は、前年同期比62億ユーロ減の157億ユーロとなりました。
この減収は主に、マテリアル事業セグメント、ケミカル事業セグメント、サーフェステクノロジー事業セグメントにおける大幅な価格下落によるものです。アグロソリューション事業セグメントの価格上昇はプラスに作用しました。また、すべての事業セグメントで販売量が大幅に減少したことに伴い、売上が落ち込みました。BASF 取締役会会長Dr. マーティン・ブルーダーミュラーは、最高財務責任者(CFO)の Dr. ディルク・エルバーマンとともに発表を行い、「自動車業界を除くすべての顧客産業で、販売量が前年同期を大幅に下回りました」と述べました。

特別項目控除前営業利益は、前年同期比で7億72百万ユーロ減の5億75百万ユーロでした。これは、2023年10月に分析サービスを提供するVara Research社がBASFの委託を受けてまとめたアナリスト予想平均値6億1百万ユーロとほぼ同じです。こうした利益の推移は主に、ケミカル事業セグメント、ニュートリション&ケア事業セグメント、インダストリアル・ソリューション事業セグメント、マテリアル事業セグメントの特別項目控除前営業利益が大幅に減少したことによるものです。「その他」に分類される事業も大幅な減益となりました。アグロソリューション事業セグメントの特別項目控除前営業利益が大幅増だった一方、サーフェステクノロジー事業セグメントの利益は微増でした。

2023年度第3四半期のEBIT(営業利益)に含まれる特別項目は、主に構造改革によりマイナス1億81百万ユーロとなりました。EBITは3億94百万ユーロと、前年同期(13億ユーロ)を大幅に下回りました。

減価償却費および特別項目控除前営業利益(特別項目控除前EBITDA)は、前年同期比7億80百万ユーロ減の15億ユーロ、EBITDAは8億92百万ユーロ減の14億ユーロでした。

純利益は前年同期の9億9百万ユーロに対し、マイナス2億49百万ユーロでした。EBITの減少に加え、特別項目の計上によるWintershall Deaの全体的な損失が影響しました。

2023年9月30日時点の総資産は826億ユーロで、2022年末の水準を19億ユーロ下回りました。2023年9月30日時点の純負債は189億ユーロでした。これは2022年末比26億ユーロの増加ですが、2023年6月末比では14億ユーロの減少です。2023年度第3四半期末の自己資本比率は、2022年度末の水準をわずかに上回り48.8%となりました。「全体としては、強力なバランスシートと良好な信用格付けに裏付けられたBASFの強固な財務力を示しています」と、Dr. ディルク・エルバーマンは述べています。

営業活動によるキャッシュフローは、前年同期の23億ユーロを上回る27億ユーロでした。「純利益が大幅に減少したことを考えると、これは特筆すべき改善です」と、エルバ―マンは述べています。正味運転資本から転換された現金は、前年同期比12億ユーロ増の19億ユーロと大幅に改善しました。これは主に在庫の削減によるものです。当四半期のフリー・キャッシュフローは前年同期の13億ユーロに対し、15億ユーロでした。

コスト削減計画により、2026年には年間11億ユーロの貢献

BASFは、とりわけ欧州における競争力向上のため、継続的にコスト構造の改善に取り組んでいます。BASFは2023年2月末、ルートヴィッヒスハーフェンのフェアブント拠点における生産構造の最適化とともに、欧州を対象としたコスト削減プログラムを発表しました。

BASFは現在、非製造分野における年間コスト削減額が、2024年末に6億ユーロ超、2026年末には7億ユーロ超に達すると見込んでいます。これには、グローバル・ビジネス・サービスとデジタル・サービスの各サービス部門における欧州関連の施策が含まれます。他の地域においても、これら2つのサービス部門で追加施策を実施することで、2億ユーロの貢献となる見通しです。「ルートヴィッヒスハーフェンにおけるフェアブント構造の最適化による2億ユーロのコスト削減と合わせ、2026年末までに年間約11億ユーロのコスト削減を達成する見込みです」と、エルバ―マンは述べています。

BASFグループ 2023 年の見通し

BASFは、2023年第4四半期には世界の化学産業における生産がさらに安定すると予想しています。ただし、現在の金利政策環境や地政学的リスクの高まりを鑑みると、マクロ経済の見通しは依然として極めて不透明です。とりわけ原材料価格の高騰が、需要と利幅を圧迫する可能性があります。

このような背景から、BASFは2023年の世界経済状況に関する予想を据え置きました(BASFの2023年上半期財務報告書の成長率予測値、数値は0.5単位で四捨五入)。

  • GDP成長率: 2.0%
  • 工業生産成長率:1.0%
  •  化学品生産成長率:0.0%
  • ユーロ/ドル平均為替レート:1ユーロ=1.10ドル
  • 年平均ブレント原油価格:1バレル=80ドル

2023年上半期財務報告書に記載された2023事業年度のBASFグループの見通しにも変更はありません。

 

  • 売上高:730億~760億ユーロ
  • 特別項目控除前営業利益:40億~44億ユーロ
  • 投下資本利益率(ROCE):6.5%~7.1%
  • 二酸化炭素排出量:1,700万トン~1,760万トン

「ただし、売上高と特別項目控除前営業利益については、見通しの範囲の下限にとどまると予想しています」と、ブルーダーミュラーは述べています。化学品生産が安定しなければ、販売量がさらに減少し、価格が予想以上に下落する恐れがあり、その結果、様々なリスクが生じます。

 

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で110,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2022年のBASFの売上高は873億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。

 

将来の予測に関する記述について

本リリースにはBASF経営陣による現時点での推測および予測、ならびに現在入手可能な情報に基づく「将来の予測に関する記述」が含まれています。これらはここに記す将来の進展や業績を保証するものではなく、多くの要因に依存し、様々なリスクと不確実性を含んでいるほか、正確とは限らない仮定に基づいています。本リリースに記載された将来の予測に関する記述に関しては、BASFは更新の義務を負いません。

 

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Last Update 2023年11月2日