BASF、必須栄養素の有効利用を可能にする新しいフィターゼ 「ナツフォス E」 を上市、日本の飼料業界に貢献
- 家畜の効率的な成長に寄与、飼料コスト節減かつ環境負荷低減を実現
- 業界初の優れた安定性を備えた、画期的なフィターゼ製品
2020年8月5日 – BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、国内飼料業界向けに、次世代のフィターゼ、「ナツフォス E (Natuphos® E)」の販売を開始しました。 約30年前に世界で初めて飼料業界でにフィターゼを世界で初めて販売したパイオニア企業として、BASFはこの革新的な細菌由来ハイブリッド6フィターゼで、飼料添加物としてのフィターゼ製品に再び新風を吹き込みます。
ドイツのBASF本社で製造される「ナツフォス E」は、プレミックス(家畜の成育に必要となるビタミン・ミネラルなどの微量成分をあらかじめ混合した飼料添加物)中での安定性に非常に優れています。最高温度95℃でペレット加工される飼料への利用が可能で、18カ月間の長期保存でも変質しない安定性 も有しています。
「ナツフォス E」を鶏や豚の飼料に使用することで、リン、カルシウム、アミノ酸などの栄養素をより効率的によく摂取することが可能になり、家畜の健康な成長を促進します。さらに、家畜体内から排出されるリンを削減し、環境負荷も低減します。
日本国内においては、過去50年間で食肉消費量が着実に増加しています※11。
実際にその一方で過去10年間では、畜産農家1戸あたりのブロイラーと豚の飼養頭数は、過去10年間でそれぞれ約40%と60%増加しています※22。そのため、飼料効率と環境への影響を考慮した畜産経営は、多くの農家にとってますます重要な課題になっています。
「BASFは日本の畜産における栄養事情と飼料業界を取り巻く状況をふまえ、製剤だけではなく、より使いやすい倍散品 (濃度を希釈した製品)を揃えて、日本のお客様のニーズに対応します。『ナツフォスE』の優れた安定性により、家畜生産効率の向上に貢献します」と、BASFジャパンのニュートリション&ヘルス事業部 アニマルニュートリション マネージャー 小林巌は述べています。
穀物や油実類に含まれるリンの大部分は、フィチン酸と結合した状態で存在します。フィチン酸と結合したリンは、鶏や豚などの単胃動物が消化・吸収することが難しく、栄養素として活用されずに生体内から排出されます。フィターゼはフィチン酸との結合からリンを解放するため、近年の飼料メーカーにおいては、これまで別途添加していた無機リン量を減らし、代わりにフィターゼを添加して、潜在的に飼料原料に含まれるリンを効率よく摂取する飼料設計の動きが近年では活発になっています。
また、「ナツフォス E」は、家畜の消化プロセスにおいて中に、ミネラル、微量元素、アミノ酸などのフィチン酸に結合した他の必須栄養素も放出します。これにより、リン酸塩と窒素の排泄量が減少し、水や土地の汚染低減にも役立ちます。
「BASFは、飼料業界が直面している課題に対処するために、高品質の製品と効率的なソリューションを提供することに尽力しています。 革新的な『ナツフォス E』を使用することで、飼料メーカーや畜産農家は、バランスの取れた栄養の確保を通じてコスト効率の恩恵を受けるだけでなく、環境保全にも貢献できます」と、BASFアジア地域統括本部アニマルニュートリション営業部の責任者、ダニエル・ヴッソーは述べています。
日本国内では、「ナツフォス E」製剤のほか、倍散品である「ナツフォス E 2500ブレンド」を販売します。
1) 農林水産省 食料需給表(令和2年3月現在)
2)農林水産省 畜産統計(令和2年2月現在)
■BASF ニュートリション&ヘルス事業本部について
ニュートリション&ヘルス事業本部は、食品・飲料添加用栄養成分および飼料添加物、医薬品、エタノール、香料・香粧品の各業界向けの総合的な製品・サービスを開発・製造・販売しています。革新的なソリューションと最新技術により、お客様のビジネスにおける効率性改善と製品の安定供給に貢献しています。主要な食品・飲料添加用成分としては、ビタミン類、カロテノイド類、植物ステロール、乳化剤、オメガ -3 脂肪酸などがあります。ビタミン類とカロテノイド類は、飼料添加物の分野においても主要な製品群であり、その他、微量元素、酵素類、有機酸類などの製品があります。医薬品業界に対しては、幅広い種類の添加剤とイブプロフェンやオメガ -3 脂肪酸などの有効成分を提供しています。 高度な技術を駆使して、エタノール生産など、さまざまな市場向けの高性能産業用酵素を開発しています。 さらに、香料・香粧品業界向けに、シトラール、ゲラニオール、L- メントールなどの香料原料も製造しています。BASF のニュートリション&ヘルス事業本部は、欧州、北米、南米、そしてアジア太平洋地域にあります。BASF のニュートリション&ヘルス事業本部の詳細は、https://www.basf.com/jp/ja/products/nutrition.htmlをご覧ください。
■BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で117,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2019 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。