BASFと三井化学、日本国内におけるケミカルリサイクルの推進に向けた協業検討を開始
- バリューチェーン横断的な連携を通じて、循環型社会の実現を目指す
- BASF、「ChemCycling®」プロジェクトで培ってきた豊富な経験を元に支援
- 三井化学、優れた製造設備・技術・知見を活用
BASFジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:石田 博基)と三井化学株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:橋本 修)は、日本でのケミカルリサイクルの推進に向けた協業検討を開始しました。両社は、バリューチェーン横断的な連携を通じて、日本国内におけるプラスチック廃棄物のリサイクル課題に応えるケミカルリサイクルを日本で事業化することを目指し、共同ビジネスモデルを含めあらゆる可能性を検討していきます。
BASFはサステナビリティを経営の根幹に据えています。「ChemCycling® プロジェクト」では、プラスチック廃棄物を、化学品製造の原料として使用可能な熱分解油に変換する革新的なプロセスをもつ技術パートナーと協働しています。ケミカルリサイクルにより生まれた化学品は、プラスチックなどの新素材の製造に使用され、要求の厳しい用途であっても品質を損なうことがないのが特徴です。リサイクル原料の量は、第三者による認証済みのマスバランス方式に基づいて特定の最終製品に割り当てられます。ケミカルリサイクルは、技術的、経済的、生態学的な理由からマテリアルリサイクルされていないプラスチック廃棄物に焦点を当てており、マテリアルリサイクルを補完するソリューションです。欧州では、この手法により製造された最終製品が既に市場に展開されています。また、BASFは2025年より、化石原料を年間25 万トンのリサイクルおよび廃棄物ベースの原材料に置き換えることを目指しています。
「BASFは現在、統合生産ネットワークの恩恵を受けられる欧州のフェアブントサイト(統合生産拠点)を中心に、ChemCycling® プロジェクトを進めています。これまで培ってきた技術やノウハウを活用し、三井化学とともに日本国内におけるプラスチックのサーキュラーエコノミーの実現に向けて大きな一歩を踏み出せることを嬉しく思います」と、BASFジャパン株式会社 代表取締役社長の石田博基は述べています。
一方、三井化学は化学企業として社会に貢献し続けるため、2050年カーボンニュートラル目標を掲げています。また、気候変動とプラスチック問題を一体の課題として捉え、リサイクル技術・システムの開発とバイオマス製品ラインナップの拡充により循環経済の実現を目指しています。三井化学のESG担当常務執行役員の平原彰男は次のように述べています。「日本においてもプラスチック問題は大きな社会課題であり、バリューチェーン全体での社会変革を求められています。BASFが欧州で実証しているケミカルリサイクル技術は価値あるソリューションであり、当社が持つ技術やエチレンクラッカーなどのアセットと組み合わせることで、循環経済の実現に向けた大きな布石になるものと思っています。」
近年、カーボンニュートラルやプラスチック資源循環に向けた取り組みが世界的に加速しています。こうした中、日本においては2020年12月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定されるなど、リサイクルの重要性が一層高まっています。中でも、ケミカルリサイクルはマテリアルリサイクルを補完するソリューションとして注目されています。
BASFと三井化学は今後、各関係省庁・業界団体とも、日本におけるケミカルリサイクルの社会実装に向けた協議を加速していきます。
■BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の 3 つを同時に果たしています。また、全世界で110,000 人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2020 年の BASF の売上高は590 億ユーロでした。BASF 株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASF の詳しい情報は、http://www.basf.com をご覧ください。
■日本のBASFについて
BASFは1888年より日本市場のパートナーとして事業活動を行っています。国内にも生産および研究開発拠点を構え、自動車、建設、医薬品・医療機器、電機・電子、包装材、パーソナルケア・ホームケア、農業・食品など、ほぼすべての産業に製品とソリューションを提供し、国内およびグローバル市場で活躍する日本のお客様の成功に貢献しています。2020年の日本での売上高は約17億ユーロ(約2,083億円)、年末の従業員数は955人です。日本のBASFに関する詳しい情報はwww.basf.com/jp をご覧くだい。
■三井化学について
三井化学の起源は1912年に遡ります。当時の社会課題であった食糧増産のため、石炭副生ガスから日本で初めて化学肥料原料を生産し、農業の生産性向上に大きく貢献しました。その後、石炭化学からガス化学へとテクノロジーを進化させ、1958年には日本初の石油化学コンビナートを築き、日本国内の産業界を牽引してきました。今では数多くの世界トップ製品を有し、世界28の国と地域、150社以上を抱えるグローバル企業へと成長しています。その事業ポートフォリオは、環境に優しい次世代自動車材料、健康・安心な長寿社会を実現するヘルスケア、食品の安心安全を守るパッケージ、食糧増産に貢献する農業化学品、電子材料、環境エネルギー、ロボット分野と多岐に亘っています。三井化学は、今後も卓越したソリューションと「新たな顧客価値の創造」を通じ、社会課題の解決に貢献してまいります。