Trade News | May 31, 2023

BASFのガス精製技術、リンデとハイデルベルク・マテリアルズの大規模CO2回収プラントに採用

この資料はBASF本社(ドイツ)が2023年5月23日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
 
  • セメント産業の持続可能な道を開くマイルストーン
  • OASE®技術を使用した商用規模のCO2回収施設

 

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)とリンデ、セメント世界大手のハイデルベルク・マテリアルズが、BASFの先進的なOASE®(オーエイス®) blue技術を基にして共同開発したCO2回収プロセスが、Capture-to-Use (以下CAP2U)の運営する大規模CO2回収施設で初めて利用されます。CAP2Uはハイデルベルク・マテリアルズとリンデが新設した合弁会社です。このプラントはセメント業界において、世界初の商用規模CO2回収・利用(CCU)施設となります。年間約70,000トンのCO2が回収、精製、液化され、その大部分のCO2は化学品の原料や食品・飲料の最終用途市場向けとしてリンデが販売する予定です。

また、このプロセスは、特許取得済みのOASE® aerozone designが工業用途で導入される事例の一つとなります。これは、ガスフローからのダストやエアロゾルに起因する排出を低減する技術です。

BASFのグローバルガス精製事業を統括するアンドレアス・ノルテマンは、次のように述べています。「BASFのOASE®技術のポートフォリオは、サステナビリティに大きく貢献し、お客様のサステナビリティの目標達成を支援します。今回のCO2回収・利用施設は、CO2排出削減が困難な分野(Hard-to-Abate)でのショーケースプロジェクトとなる可能性を秘めています。当社の50年以上にわたる産業ガス精製の経験を生かし、リンデおよびハイデルベルク・マテリアルズと協力して、持続可能なセメント生産の道を切り開くことを誇りに思います。」

オックスフォード・エネルギー研究所(OIES)の調査によると、セメント産業は世界の産業温室効果ガス排出量の7%を占めています。セメント生産では環境技術を導入していますが、炭酸カルシウム(石灰石)を焼成して処理するため、相当量のCO2発生を伴います。他のエネルギー集約型産業とは対照的に、燃料消費に起因する排出量の割合は多くはありません。そのため、CO2排出削減が困難な分野での排出を軽減するためには、CO2回収・利用・貯蔵(CCUS)*が不可欠です。

* 出典:

The role of CCUS in decarbonizing the cement industry: A German case study - Oxford

Institute for Energy Studies (oxfordenergy.org)

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

OASE®について

ガス精製技術において50年以上の経験を備えるBASFは、天然ガス、合成ガス、バイオガスなど、さまざまな用途に向けた効果的なガス精製ソリューションを提供しています。当社の技術は、世界中の約500の設備で採用され、その性能が実証されています。優れたガス精製技術であるOASE®ブランドのもと、さまざまなガス精製技術や使用される溶剤、デジタルプラットフォームであるOASE® connectを含む技術サービスパッケージを提供しています。OASE®製品はバリューチェーンにおけるサステナビリティに大きく貢献するシステムソリューションの一部です。OASE®は、従来の技術に比べてガス精製の効率が非常に高く、資源の保全、省エネルギーによる排出量の削減に大きく貢献します。詳細につきましては、www.oase.basf.com (英語)およびwww.basf.com/jp/ja/products/product-list/intermediates/gas-treatment.html (日本語)をご覧ください。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で110,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2022年のBASFの売上高は873億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。

 

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最終更新May 31, 2023