Trade News | October 22, 2023

BASF、CO2回収用の金属有機構造体(MOF)の初の商業規模生産に目途

この資料はBASF本社(ドイツ)が2023年10月10日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
 
  • カナダSvante向けのMOFの生産スケールアップに成功
  • MOFをSvante独自のCO2回収技術向けに供給
  • BASFはカスタマイズされたMOFを複数拠点で生産する能力を保有

 

BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、金属有機構造体(MOF)を年間数百トンの規模で商業生産する体制を構築した、最初の企業となりました。MOFは、ナノメートルサイズの細孔と大きな表面積を持つ、高結晶構造体です。この構造は、CO2の貯蔵、室内空調用の空気の除湿、温室効果ガスであるメタンの吸着に高い能力を発揮します。BASFは、MOFのスケールアップと生産に関する専門知識を発展させ、お客様のニーズや仕様に合わせてMOFを調整することができ、現在では様々な用途や産業向けにカスタマイズされたMOFを生産する能力を有しています。

BASFとカナダのCO2分離回収技術プロバイダーであるSvante Technologies Inc.(以下、Svante)の最初のプロジェクトが成功裏に完了しました。BASFの研究者、スケールアップの専門家、エンジニアからなるチームは、Svanteラボの処方を大規模生産のための安全なプラント手順に変換して、スケールアップに取り組みました。生産されたMOFは、CO2回収プロジェクト用の固体吸着剤として使用されます。Svanteとの協力により、水素、パルプ・製紙、セメント、鉄鋼、アルミニウム、化学など、さまざまな産業分野におけるCO2排出量の大幅削減が期待されます。

「Svanteと提携し、当社のスケールアップと生産の専門知識を活用できることを大変嬉しく思います。BASFは、CO2回収用のMOFを商業規模で生産する体制を構築した、最初の企業であることを誇りに思います。研究開発とスケールアップ、生産における我々のチームの努力により、優位性を獲得しました。今日、私たちはMOFの生産能力に基づいてサステナビリティに重点を置いた新たなビジネスチャンスを手にしています。MOFは、CO2排出量削減の取り組みに一歩踏み込んだ変化をもたらす可能性を秘めており、当社パートナーとそのお客様をネットゼロ目標の達成に近づけることができます」と、BASFのプロセス触媒部門シニアバイスプレジデントであるデトレフ・ラフは述べています。

 

※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。

 

■BASFの触媒事業本部について

BASFの触媒事業本部は、環境触媒とプロセス触媒の世界的なリーディング・サプライヤーです。同事業本部は、私たちが呼吸する大気の保護、生活を支える燃料の製造、先進のバッテリー材料などを含む多岐にわたる化学品やプラスチックの効率的な生産を支える技術開発で卓越した専門知識を提供します。BASFの業界をリードする研究開発プラットフォーム、技術開発への情熱、貴金属とベースメタルへの深い知識を活用することで、触媒事業本部は、独自のソリューションを開発し、顧客の成功をサポートしています。BASFの触媒事業本部についての詳細は、インターネットホームページhttps://catalysts.basf.com をご覧ください。

 

■BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で110,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2022年のBASFの売上高は873億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com をご覧ください。

P-23-327

 

Photo: BASF SE
BASF、CO2回収用の金属有機構造体(MOF)の初の商業規模生産に目途
JPG (629.57 KB)
最終更新October 22, 2023