BASF、「第13回農業WEEK」にて、スマート農業支援ツール、xarvio® FIELD MANAGERの成功事例と、拡大するパートナーシップを紹介
- xarvio® FIELD MANAGERユーザーの収量アップとコストダウンの成功事例を紹介
- 大手農機メーカーや農業用ドローンメーカーとの連携で、より手軽なスマート農業の実践を促進
BASFジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:石田 博基)は10月11日~13日、幕張メッセで開催される「第13回農業WEEK」に出展します。BASFのxarvio® デジタルファーミング(xarvio®)技術を活用した生産者の収量アップとコストダウンの成功例と、xarvio®のパートナーシップの拡大について紹介します。JA全農および農機メーカーとのパートナーシップが生産者に有益な、統合されたスマート農業システムの構築につながっています。
日本の農業は、農業従事者の高齢化や担い手不足、農地の集約に伴う農場経営の複雑化などが課題になっており、スマート農業による効率化、生産性の向上が求められています。農林水産省が策定した「みどりの食料システム戦略」は、イノベーションにより生産力向上と持続性の両立を目指しており、環境負荷を低減し持続的な農業生産を確保するため、2050年までに化学農薬の使用量(リスク換算)の50%低減、化学肥料の使用量の30%低減などの目標を掲げています。これらの目標を達成するために資材使用の最適化が急務となっています。
xarvio® FIELD MANAGERを活用した生産者の成功事例
1. 熊本県のJA本渡五和(ほんどいつわ)では、以前は防除暦を参考に6月後半から7月前半の出穂期頃に防除を行っていましたが、2022年は熊本県でいもち病の注意報が出る前に、xarvio® FIELD MANAGER(ザルビオ® フィールドマネージャー)が出した病害アラートを参考にしたところ、最適な防除を実現できました。いもち病の蔓延を防ぐことができ、慣行防除区と比較して収量は6.8%増加しました。生育ステージ予測を活用して防除の最適な時期の決定にも役立てています。
2. 新潟県のJAにいがた岩船と三重県のJAみえきたは水稲の品質と収量の高位安定化と営農指導の高度化を目的として、2023年よりxarvio® FIELD MANAGERをJA単位で一括導入することを決定しました。xarvio® FIELD MANAGER上で生育状況を確認し、ほ場の全体的かつ具体的な状況を把握できるので、適切なタイミングで施肥と防除が可能になりました。JAにいがた岩船は管内の生産者の許諾を得た約3,800ヘクタールを対象に運用しています。
3. 100ヘクタールの農地で水稲栽培を行っている埼玉県の株式会社ヤマザキライスでは、xarvio® FIELD MANAGERの地力マップ・生育マップから自動で作成できる可変施肥マップを使用し、自動可変施肥を行った結果、前年に比べ15%の収量アップを実現しました。
4. 宮崎県で水稲栽培(6ヘクタール)を行う生産者の児玉 和也氏は、xarvio® FIELD MANAGERの地力マップを参考に汎用ブロードキャスターで基肥を散布していく際、地力が高い場所は肥料の散布量を減らし、地力が低い場所には多く、手動で肥料を調整して散布したことで、15%の収量アップを実現しました。同時に、前年比25%の肥料のコスト削減にもつながりました。
5. 栃木県の大豆生産者(42ヘクタール)の冨田 裕司氏は、選択した雑草に関して、その年の天候や大豆の生育データをAIが分析し、散布時期と薬剤を推奨する大豆雑草管理プログラムを利用しました。Xarvio® FIELD MANAGERの推奨管理を実施したほ場の実証試験では、課題であったホソアオゲイトウに対する除草効果100を実現し、除草の最適化により収量は前年比80%アップで回復し、10アールあたり203kgを達成、同時に除草剤のコストは前年比12%削減することができました。
雑草を手で抜いたり収穫の際、からまった雑草を取り除いたりする手間や労力の削減にもつながりました。
広がる農機メーカーや農業用ドローンメーカーとのパートナーシップ
この1年間でxarvio® FIELD MANAGERは、各種農機メーカーとのパートナーシップを拡大させ、異なるプラットフォーム間の連携を実現しました。現場で使用されている様々な農機との連携が可能になり、生産者が農機やプラットフォームの垣根を超えて、より簡便にデジタル技術を使用できることを目指しています。
BASFとJA全農は2023年5月に株式会社クボタ(本社:大阪市浪速区、以下「クボタ」)が開発・推進する営農・サービス支援システム「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」とxarvio® FIELD MANAGERのシステム連携の実証試験を開始したことを発表しました。xarvio® FIELD MANAGERが作成した可変施肥マップのデータを、KSAS経由で取り込んだクボタ製の可変施肥仕様田植機で施肥作業を行い、施肥を最適化することを目的としており、2024年春の正式リリースを予定しています。
xarvio® FIELD MANAGERが連携可能な農機メーカーは多岐にわたり、ヤンマーアグリ株式会社(本社:岡山市中区)や井関農機株式会社(本社:愛媛県松山市)、株式会社IHIアグリテック(本社:北海道千歳市)、株式会社NTT e-Drone Technology(本社:埼玉県朝霞市)などの国内農機メーカーに加え、DJI社(ディージェーアイ、本社:中国)、Amazone社(アマゾーネ、本社:ドイツ)、JOHN DEERE社(ジョンディア、本社:米国)、FENDT社(フェント、本社:ドイツ)、CLAAS社(クラース、本社:ドイツ)などの海外メーカーの農機でも、SDカードやUSBメモリを介してxarvio® FIELD MANAGERのマップを取り込むことが可能です。これらのメーカーの農機を使用している生産者は、既に農機と連携させたxarvio® FIELD MANAGERのデータの活用を始めています。
2020年のドローンによる農薬などの散布実績は約12万ヘクタールに上り、農林水産省の「農業用ドローン普及計画」では、ドローンによる農薬散布面積を2022年度までに100万ヘクタールに拡大する目標*1を掲げていました。ドローンはほ場の状態に関わらず空中散布が可能なため活用シーンが広く、生産者個人で行うケースに加え、請負防除のサービスも展開されています。このような営農が既に一般化している中、BASFはドローンメーカーとの提携も進めており、現場で最も普及し活用されているDJIのドローン*2との連携は、xarvio® FIELD MANAGERの現場での活用を促進します。DJIドローンユーザーはxarvio® FIELD MANAGERが提供するマップ情報を活用して、施肥と農薬散布タイミングを最適化することができ、生産性と収量の向上に貢献します。
BASFジャパン アグロソリューション事業部事業部長の野田信介は、次のように述べています。「xarvio® FIELD MANAGERを使用した生産者が収量アップを実現し、彼らが理想とする農業の実現に貢献していることを大変うれしく思います。これらの結果はJA全農をはじめ各農機メーカーとのパートナーシップにより実現することができました。生産者の課題を解決し持続可能な農業を推進するため、これからもBASFはxarvio® FIELD MANAGERを起点に農業に関わるステークホルダーとの対話を推進し、地球上で最も大切な仕事である農業を支援していきます。」
野田は10 月12 日に行われる農業WEEKの特別講演にJA 全農 耕種総合対策部 部長、山田正和氏とともに登壇し、両者が取り組むスマート農業についてご紹介いたします。また、ブース(BASFブース:ホール7、 9-32)では、xarvio® FIELD MANAGERを導入した生産者やJA の担当者(TAC)をゲストスピーカーに迎え、スマート農業のミニセミナーを行います。
xarvio® FIELD MANAGERについての詳細はこちらをご覧ください。
*1 農林水産省「令和4年度 農業分野におけるドローンの活用状況」 令和4年10月
*2 農林水産省「農業用ドローンの普及に向けて」平成31年3月
■xarvio®デジタル農業について(BASFデジタルファーミング社のブランド)
xarvio®(ザルビオ®)は作物生産の最適化を図る、最先端のデジタルソリューションです。「xarvio® FIELD MANAGER」と「xarvio® HEALTHY FIELDS」は高度な作物モデルプラットフォームに基づき、各ほ場の状況に応じたリアルタイムの推奨を提供します。xarvio®はユーザーが享受するメリットが実証されているテクノロジーです。生産者がより効率的かつ持続可能な方法で作物を生産し、収益性を向上させることを支援します。xarvio®についての詳細はhttps://www.xarvio-japan.jp をご参照ください。
■BASFのアグロソリューション事業本部について
農業は、急速に増加する人口に対応するため、健康的で手頃な価格の食料を安定的に供給するとともに、環境負荷を低減することが求められています。提携パートナーや農業の専門家と協力し、あらゆるビジネス上の判断を持続可能性(サステナビリティ)を基準に行うことで、生産者の持続可能な農業経営をサポートします。そのために強力な研究開発パイプラインに投資し、革新的なアイデアから実用的なソリューションを生み出しています。当社のポートフォリオは、種子、作物の形質、化学農薬および生物農薬に加え、土壌管理、プラントヘルス、害虫防除およびデジタル農業のソリューションで構成されています。研究所、生産現場、オフィス、製造拠点の専門家チームと共に、生産者、農業、そして未来の世代の成功のために適切なバランスを見つけたいと考えています。2022年の売上高は103億ユーロでした。アグロソリューション事業部についての詳細はwww.agriculture.basf.com/jp または各種ソーシャルメディアをご参照ください。
■日本のBASFについて
BASFは1888年より日本市場のパートナーとして事業活動を行っています。国内にも生産および研究開発拠点を構え、自動車、建設、医薬品・医療機器、電機・電子、包装材、パーソナルケア・ホームケア、農業・食品など、ほぼすべての産業に製品とソリューションを提供し、国内およびグローバル市場で活躍する日本のお客様の成功に貢献しています。2022年の日本での売上高は約26億ユーロ(約3,576億円)、年末の従業員数は923人です。日本のBASFに関する詳しい情報はhttps://www.basf.com/jp をご覧ください。
■BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で110,000人以上の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2022年のBASFの売上高は873億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com