Trade News  |  2019年6月11日

Joint News Release

日本ガイシとBASF、大容量電力貯蔵システムNAS電池の販売提携契約を締結

日本ガイシ株式会社(社長:大島卓、本社:名古屋市)とドイツの総合化学メーカーBASF社の子会社であるBASF New Business GmbH(社長:ギド・ボイド、本社:独ルートヴィッヒスハーフェン)は、日本ガイシの大容量電力貯蔵システムNAS®電池の販売提携契約を締結しました。本契約は、BASF社の有する世界的な販売網を通じて、BASF New Businessが日本ガイシのNAS電池を販売するものです。相互の営業活動を制限しない非独占的な提携とすることで、相互の自由な営業活動による相乗効果を狙っています。

NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池です。大容量の電力を貯蔵し長時間にわたり放電することが可能で、天候により発電量が左右される風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの出力変動を緩和、安定化することができます。これにより再生可能エネルギーの出力抑制や電力系統への接続保留問題を解決し、導入量拡大に貢献します。また送電線の空き容量に応じて送電することが可能なため、既存系統を最大限活用することができ、系統設備への投資を抑えます。

NAS電池は大容量、高エネルギー密度、長寿命を特徴としているため、短時間・高出力を特徴とするリチウムイオン電池など他の蓄電池に比べて、長時間にわたり高出力の電力を安定して供給する定置用蓄電池に適しています。再生可能エネルギーの出力抑制回避・出力安定化用途に加え、大口需要家向けの電力負荷平準化用途や非常電源用途、マイクログリッド・離島における電力供給の安定化などさまざまな用途に利用されており、節電対策やエネルギーコスト削減、環境負荷低減に貢献しています。

BASF New Business  Business Build-Up E-Power-Management事業部長 フランク・プレヒトル コメント:

日本ガイシはNAS電池の製造・販売において15年以上の実績を持っています。当社が近年培ってきた技術開発の経験から、NAS電池は来たるべき長時間の電力供給が要求される蓄電池市場において理想的です。日本ガイシのNAS電池により、BASF社はエネルギー市場に参入し、実績に裏打ちされた信頼性の高い電池をお客さまに提案することができます。

日本ガイシ 電力事業本部 NAS事業部長 市岡立美 コメント:

日本ガイシは2002年にNAS電池を事業化、翌年から世界で初めて量産を開始し、これまでに全世界で約200カ所、総出力560メガワット(56万キロワット)、総容量4,000メガワット時(400万キロワット時)以上の設置実績があります。BASF社の世界的な販売網により、販路が一層拡大するものと確信しています。互いの営業活動が相乗効果となり、両社のビジネスが大きく拡大することを期待しており、さらなるNAS電池の普及によって、世界的な再生可能エネルギーの導入促進やCO2排出量の低減に寄与していきます。

日本ガイシとBASF社は、この度の販売提携契約の締結を両社の協力における第一ステップと位置付けています。

BASF New Businessは今回の販売提携により、2019年5月15日から17日に独ミュンヘンで開催されたヨーロッパ最大級の太陽光発電業界の展示会「electrical energy storage Europe (Intersolar Europe)」でNAS電池を出展しました。

 

※BASF New Business GmbHについて

BASF New Business GmbHは、産業界、社会、将来の市場における長期トレンドや革新的なテーマの発見、成長性の分析を通じて、BASF社に適した新規事業分野の見極めを行う、BASF100%の子会社です。主にBASF社の既存事業以外の分野で新たなビジネス機会が見込まれる、輸送、建築・建設、消費財、ヘルス&ニュートリション、エレクトロニクス、農業および資源・エネルギーなどの顧客分野に注力した取り組みを行っています。BASF New Business GmbHは、最も将来性の高いトピックをBASF社の新規事業分野として取り上げ、化学を基盤とした画期的な材料、技術、およびシステムソリューションに注力するとともに、新製品の開発を通じて技術の進歩を推進します。技術・市場の評価においては世界中の研究プラットフォームやBASF事業部と密接に連携するほか、研究機関、大学、ベンチャー企業、および業界パートナーとの協働した取り組みも行っています。なお、戦略的に関連性の高い技術分野に携わるベンチャー企業への直接投資は、BASF New Business GmbHの子会社である BASF Venture Capitalが行っています。

www.basf-new-business.com

 

※BASF(ビーエーエスエフ)について

BASF(ビーエーエスエフ)は、独ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に果たしています。また、全世界で約122,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献できるよう努めています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2018年のBASFの売上高は約630億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。

www.basf.com

 

※日本ガイシについて

日本ガイシは100万ボルト級の送変電用がいしも手掛ける世界最大のがいしメーカーで、100年の歴史を持っています。セラミック技術をコアテクノロジーに、エネルギー、エコロジー、エレクトロニクスの事業領域で地球環境問題に貢献しており、自動車排ガス浄化用のセラミック製触媒担体(ハニセラム)とディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)の世界大手の1社です。「電気は貯められない」という常識を覆し、世界で初めて大容量電力貯蔵システムNAS電池の実用化に成功した、大容量蓄電池のリーディングカンパニーでもあります。

www.ngk.co.jp

NAS電池製品情報 www.ngk.co.jp/product/nas/

Last Update 2019年6月11日